藝藩志・藝藩志拾遺研究会

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クリスマスとクリスマスイブの勘違い

2020年12月25日 21時14分23秒 | オピニオン的解説
毎年の事ながら、
TVでもSNSでも、今日はクリスマスイブ、
明日はクリスマスという言葉が乱れ飛ぶ。
でも、実は使い方を間違えている。

クリスマスは、12月24日日没から12月25日日没迄の事。
クリスマスイブ(クリスマスの夕方)は、
12月24日日没後2時間程度の間だけの事。
12月25日の日没後は、既にクリスマスではない。
90年代頃から12月24日は「イブ」だから23日は「イブイブ」、
などと言う人が出始めたが、
イブはイブニング(夕方、それも日没前後)であって
前日という意味ではない。
よく「前夜祭」という言葉も使われるが、
有名アーティストがクリスマスライブの際に使ったのが始まり
という説がある。
前夜の本当の意味は、キリストが生まれる前の意味であり、
イブ(イブニング)の数時間後、
夜明け前がキリストが生まれたとされる時刻とされる。
本当はクリスマス当日なので、
ここら辺りから間違いから広まった様だ。
1970年代頃には12月24日が
クリスマスのメインイベントだったのだが、
何時の間にか25日がメインになってしまっていて、
異文化が日本独自に変化してしまった模様。
個人的な想像だが、クリスマスケーキなどを25日も売って、
少しでも儲けようという商売っ気から来た様な気がする。

TBSドラマの「この恋あたためますか」で、
その辺の勘違いのやりとりをさらっと扱っていたが、
ちゃんと理解して観ていた者がどれだけ居たのかは疑問が有るところ。

これは、ユダヤ歴が日没を一日の始めとしていた事に由来している
つまり、一日の始めは夕飯食べるか食べ終わるくらいの時間。
クリスマスの夕食時にパンと葡萄酒でお祝いする習慣があり、
その後は、明かりが無いので薪を焚く必要があるが、
薪を買うにも、お金がかかるので、
食事が終わると早々に寝てしまうのが一般的だった。
だから、外国の映画だと、
24日の夕食時に盛り上がって、
クリスマスプレゼントは25日の朝には置いてある。
そして25日の日没後は、もうクリスマスではない。

何でこんなことになっているかというと、
時計が一般に普及していない時代、
日没の時刻が時計の代わりになっていた。
契約事は日中にやるから途中で日付が変わらない必要があるからだ。
逆に夜明け前の薄明るい時刻から働き始める場合もあるので、
日の出を基準に一日を始めるのは都合が悪かったのだ。
現在は正午の12時、太陽が一番高い所にある時刻が基準になっているが、
日中に日付が変わると契約事その他が面倒なので、
12時間ずらして24時に日付変更ということになっている。
現代では時計が一般的にあるから、
共通認識として運用できる事からきているのだ。

尤も、イスラエルの現地時間の24日の日没は、
日本では日没から約7時間経過しており、
25日の0時頃なので、そういう意味では、25日24時までクリスマスだと言えなくも無い。
しかし、それだとクリスマスの始まりは25日0時からでなければ辻褄が合わない。
結局クリスマス商戦の為に出来るだけ早く始めて遅くまで継続したい販売業者の都合に乗せられている事になる。
拡大解釈を繰り返し、
日本のクリスマスは12月24日0時から25日24時の48時間とするか、
イブイブなどという意味不明な造語を使って更に23日も視野に入れ、
72時間がイベント期間になってしまう。
尤も宗教的な意味はどうでも良くなっている。
お祭り騒ぎに興じているだけなのは、
バレンタインやハロウィンと同じ。


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