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醸司の部屋~Georg"e"s' room2~

そこにプライドは、あるんか

当方にはかなり長い間(少なくとも15年以上)、定期刊行物が届きます。

1冊は3か月に1度、いわゆる季刊で、こちらは郵便局が配達します。

あと2冊は月刊誌で、これらは俗に言うメール便として運送会社が配達します。

前者1冊は発送前に近日発送の旨がEメールで届くようになっており、

実際に1週間ほどすれば届きます。

後者2冊は20日前後に届くのが恒例で、それを開封して通読するのが

いわば長らくの習慣となっていました。

 

ところが、先月はそれがかないませんでした。

理由は至極シンプルで、配送されたのが10月2日。つまり今週の月曜でした。

さすがにこれは……と思い、手を尽くして調べてみると結果はご覧の通り。

発送元はいつも通り手配をしてくれている。

しかしながら、令和の世である現代では東京ー大阪間を結ぶ運送手段において、

どうやら2週間以上かかるケースがあることを身を以て学ぶ機会を得ました。

 

巷間ではさまざまな配送物が世間を往来しています。

それを運ぶ人たちがいるから、配送物も人の手に届く。

もちろん、運送業者は今回も配送物を届けてくれました。

 

今回、運送業者が発送者から当方へ運んだのは数十グラムの紙の束ふた束です。

おそらく運送料も低廉なのでしょう。

それゆえに制約があることもあるし、不利な条件もあるかもしれません。

 

ただ、これだけは言わせてもらう。

 

これを運んでいる人たちは、物理的、契約的には紙の束を運んでいるだけかもしれない。

しかし、発送者(つまり出版社・発行者)と受取人(つまり当方)は「情報」、

それも、できる限り最新の「情報」をやりとりすべく、この手段を用いている。

「情報」には、鮮度があるのです。

月に1度の発信とは言えども、そこから得られる情報にはそれ相応の価値があり、

一方でひとたび日時が過ぎれば、その情報は過去のものとなってしまう。

然るべき時にそれを受け取る側が受け取れなかった場合、

発送者が用意した情報は灰燼に帰してしまい、

受取人は紙上で変わり果てた姿を晒す菖蒲や菊を呆然と眺めるのみとなります。

このような経験は受取人としてはもちろんのこと、

発送者としては一度たりともしたくないものです。

 

今一度、問いたい。品物を受け取り、運ぶことを生業とする人たちに。

 

そこにプライドは、あるんか。

 

それでは、また明日。


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