基礎断熱の普及や冷房時間の拡大が原因等といわれていますが…。
なぜなのか?対策は?を考えてみたいと思います。
「気密が簡単に確保できる」ということからかもしれませんが、最近は基礎断熱仕様が多くなってきました。
基礎断熱は
床下も部屋と同じ空間とらえますが…基礎コンクリート含んでいる余剰水を出し切って、乾燥するまで時間がかかり、約2年と言われています。その間、床下は通気させなければなりません…。
通気量が不足したり、工事中雨に濡れたりして乾燥が不十分だと、リスクが高まります。
基礎から放出された水蒸気は土台や大引き、下地合板などで露点に達し、カビや腐朽に至ることがあるようです。
そうならないためには!
・ 工事中は基礎に雨水を溜めないように養生すること。
・ 建てた後は、すぐに合板を貼らないで出来るだけ開放しておくこと。
・ 余剰水を放出する開口部(ガラリ)を設けること。
床下断熱は
床下が解放されているため、基礎の余剰水の影響は少ないですが、別のリスクがあります。
夏は、家を締め切って冷房をするのが当たり前になりました。
また、リモートワークで家にいる時間も増えました。
在宅時間が増えた中、床下に暖かく湿った空気が入ると、エアコンで冷やされて床下地合板で結露している可能性が大きくなりました。
そうならないためには!
・ 床に防湿気密シートを貼ること。
・ 間仕切り壁の下部などに、気流止めを施工すること。
結露は木材の腐朽に!
木材が腐朽する際に発生するガスはヤマトシロアリを呼び寄せると言われていて、実際、腐朽した木材は、ヤマトシロアリの食害を受けていることが多いそうです。
高湿な床下は、腐朽とカビ、シロアリの三重のリスクがあり、結露対策は重要です。
シロアリは、イエシロアリ、ヤマトシロアリ、アメリカカンザイシロアリの三種類で、特徴をまとめました。
イエシロアリは…
・ 羽の色が黒っぽい。
・ 自分で水を運べる(乾燥木材も平気で食べる)。
・ 巣の規模は数十万匹でヤマトシロアリの約10倍。
・ 食害に気づくのが遅れると壊滅的な被害を受ける。
・ 北限は茨木県北部。
・ 土壌から侵入。
ヤマトシロアリは…
・ 羽の色は乳白色。
・ 北海道を除く全国に生息する。
・ 4~5月に活動する。
・ 巣の大きさは直径1m以上になる。
・ 土壌から侵入。
アメリカカンザイシロアリは…
・ 空中を飛んで、あらゆるところから侵入する。
・ 家具材に紛れて侵入してくる。
・ 巣の単位としては数百匹と小さいが、複数の巣があることが多い。
・ 北限は盛岡市。
昨年の11月に、東京のジャパンホームショーにてホウ酸処理業者の方から実物のアメリカカンザイシロアリを見せていただきました。
実際見るアメリカカンザイシロアリは小さく、よく見ないとわからない程でした。
アメリカカンザイシロアリは輸入品の家具に紛れて入ってくること、飛んで入ってくることは、防ぎようはないかもしれません…。
イエシロアリやヤマトシロアリの被害に遭わないような材料や仕様にし、工事中は1階床を出来るだけ開放することや床下にガラリを設ける等は必須になりますので、必ず行ってください。
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