前日は雨でしたが弘前の空は晴天で気持ちよく、少しの風はありましたがそれは桜の花びらをふらせてくれました。水面に咲く桜はとても美しく、日本を強く感じた次第です…。
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海外の方がたくさんおられました。日本の風景を探しに来たかいがあったのではないでしょうか?
実は弘前の桜はシャガール展のついでの見学のつもりだったのですが…。
大変素晴らしかった!
そして桜同様に感激したのは前川國男設計の弘前市民会館です。
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前川さんのお母さん実家が弘前にあり、その縁でこの地に数多くの建築を設計されています。
弘前公園内にある市民会館は私の予想を超えていました。
入口ファサードはコンクリート打ちっぱなしピロティーになっており、左手が管理棟、右側が市民ホールでそれぞれをつなげる設計になっています。
コンクリートは冷たさを感じるのですがここでは型枠にヒバ材を利用していて、その模様が建物に表情をつくっています。
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管理棟の玄関天井高さは低く、そこを抜けると吹き抜けのホールへ入り、一気に高さが解放されます。
右側にはステンドグラスがあり、師のコルビジェが設計した上野にある西洋美術館、ロンシャンの大聖堂をイメージさせてくれます。
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低い玄関の上には食事するスペースがあり、外部テラスにつながり、そこで食事することもできます。
店内(喫茶boton)は静なBGM、シンプルな食器や花さし、内装が建築とマッチしていました。
注文した「なすとベーコンのトマトパスタ」は野菜が新鮮で美味しくいただきました。
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1964年(昭和39年)に完成したそうで54歳になる建築ですが…。
シンプルで落ち着いた空間を感じました。経年劣化ではなく老化という進化です。
時間的な空間、奥行的な空間、心地よさを感じる空間。
学生さんがつくるプランは形の面白さを追求するところがありますが基本はこの心地よさ的な空間をつくることができるかだと思います。
建築を観る時は事前準備をしません。
写真もあまり見ませんし、論評も読みません。
自分が体験し、何を感じたのか、設計者はどう考えたのか…。
これが楽しくて建築を観に行くのかもしれません!
前川さんがつくった宮城県美術館に行きたくなりました。