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乳腺炎の事について①

 このブログでカテゴリーとして「私の闘病記」というのを設けています。このブログはバイクの話題を中心として書いていますが、それと共に私が経験してきた病気についても少し書いてみたいと思い、このカテゴリーを設けました。

 一昨年前に腎臓がんで入院・手術した事を、少し記録として残して置きたいと、記事を書いてみましたが、考えてみれば私も齢(よわい)五十代半ばを過ぎていて、これまで自分の不摂生などもあって、それなりに病気を経験してきましたので、その事も書いていきたいと思います。

 私が子供の頃、テレビ番組で手術シーンを見た時「うわぁ。。こんな事は受けたくないな」と思っていましたが、振り返ってみれば、この齢になるまでに全身麻酔の手術を2回、局所麻酔の手術を2回。その他も様々な経験をしてきてしまいました。今回はその中で、23歳の頃に経験した「乳腺炎」について書いてみます。

 あまり興味がなければ、ここで読むのを中断しても構いませんが、お付き合い頂ける方は読んでみてください。

 「乳腺炎」と聞くと「そら女性の病気だろう」。多くの人はその様に思うと思います、かくいう私もそうでした。でも23歳の頃に、この病気に罹患してしまったのです。

 ことの始まりは23歳当時の事。その当時の私は知人とあるシステムハウスの出張所を立ち上げて、戸塚のマンションの一室を借りて事務所にし、そこで昼夜構わずパソコンに向かいながらプログラムを作る事に励んでいました。そんな状況なので夜食を取ったり、当然、仕事も部屋に閉じこもりっぱなしなので体重も増加していきました。

 ある時、左胸の乳輪あたりが「ポコ」っと腫れていて、しこりというか大きなオデキが中に出来ている感じがしました。触ると少し痛い感じです。「これはばい菌でも入ったのかな?」と思いましたので、家の近所にある行きつけの薬屋に行き、薬剤師の店主と話しをして抗生物質を処方してもらいました。過去に小さなオデキが出来た時には、これで結構治った事もあったので、その程度のものだろうと思っていました。

 しかし薬を一週間飲んでも一向に症状が改善しないばかりか、腫れも少し大きくなってきて患部が熱まで持ち始めました。

「これは病院で切ってもらい、膿を出さなけりゃだめかな」

 そんな事を考えて、近所の外科病院の診察を受ける事にしました。仕事を午前中休みにして病院に行き、「今日切るとか言われるのかな・・・」等と不安を感じながら診察を受けると、やはりばい菌が入って乳腺周辺で炎症が起きているとの事。今回は薬を出すので経過観察しましょうとの事でした。

 この時、病院で処方された薬を飲むと、腫れも小さくなり始めたので、これで治るかと楽観視しました。しかしそれから一か月後にまた腫れ始めてきたので、ちょっと病院を変えてみようと、今度は近所の大学病院の外科の診察を受ける事にしました。

 今では直接大学病院の診察を受ける事は出来ませんが、当時は紹介状無しで診療を受ける事が出来ました。

 仕事の都合をつけて大学病院に行き、相談窓口で症状を話しをすると外科の診察の案内を受けました。

 診察では若い医師が担当でしたが、症状を少し見ると「これは炎症ですね。ちょっと強い抗生物質を出しますので、それで状況を見て下さい。もしこれで腫れが引かなければ、どこか地元の病院で切開して貰ってください」という事でした。大病院で良くある待合二時間、診察五分で終わり、処方箋で抗生物質を処方されたのです。

 この大学病院で貰った薬は本当に強いもので、一度、食事を取らずに飲んだ時には腹痛と下痢になってしいました。「これだけ強ければ効くのかな」と、多少、期待をしたのですが、症状は収まるどころかより腫れも酷くなってきたのです。

「これは切開して膿を出して貰わないとだめかな?」

 そう思い、大学病院から貰った薬を飲み終えた頃に、最初に行った近所の外科病院の診察を再度受ける事にしました。

 病院に行き受付すると、通常診察を行う診察室ではなく院長の診察室へ通されました。いわゆる院長診察というやつでしょうか。院長に状況を説明して患部を見せると院長は言いました。

「ここは外科でも乳腺を専門にしていません。切開して膿を出すのは出来ますが、できれば乳腺専門の外科を受診した方が良いでしょう」

 病院で紹介状を作るので、公立病院の外科へ行き、そこの専門外来で診察を受けた方が良いという事なのです。確かにもう薬でどうなるものでも無いので、専門病院に行って治療を受けた方が良いかと私も考え始めていたので、この院長の言葉に従い公立病院に行く事にしました。

 私が23歳当時、今の様にインターネットで情報検察なんかはありません。家に帰り母親に相談すると「大和市立病院はどうか」と言われたので、翌日に診察を受ける事にしました。確かにそこは公立病院で多くの診療科もあるので、一回、そこでしっかり見てもらう方が良いと思ったのです。

 とは言え23歳でこういう経験は初めてだったので、夜は緊張して眠れませんでした。病院に行ったらいきなりメスで切られるのか、どんな医者が診察してどんな治療をするのか。そこは全く想像もつきません。人とは不安が嵩じると碌な事を考えなくなってしまいます。でも病院で診察を受けないと、痛みもあり、生活も辛くなってきていましたので、病院に行かない訳にはいきません、紹介状までもらってしまいましたし、翌日は母親も同伴するとの事でした。

 結局あまり眠れない状態で、寝不足の体を動かして、大和市立病院に向かいました。(続く


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