さて、前回は救急車で搬入されたところまで書きました。
病院の救急搬入口から歩いて診察室に入り、医者に状況を伝えると、診察室のベッドに横になるように言われ、医者から背中を診察されました。軽く尿道にそってトントンと叩きます。すると右側のある位置で、痛くは無いのですが「ビクッ」と来るところがありました。
「恐らく尿管結石ですね。まずは造影剤入れてレントゲンを取りましょう」
そういう事で看護師から採尿の案内の後、レントゲン室に案内されました。もう採尿で出てくる尿の色は「トマトジュース」でした。
レントゲン室では、まず造影剤の点滴を入れるのですが、私の血管が細く表面からも見えずらいので、看護師が入れ替わり立ち代わり来て、様々なところを刺されまくりました。結局、この造影剤の点滴を入れるのに10分ほどかかりレントゲン撮影。今のレントゲンは院内システムに直接入るので時間がかかりませんが、当時はレントゲン撮影をした後、現像が上がるまでの間、診察室脇のベッドで寝かされ待たされるのです。
病院に入り、レントゲン診察までは歩いて動けましたが、この現像まで横になっている間、痛みがどんどんひどくなってくるのです。たまに看護師が「大丈夫ですか?」と声をかけに来てくれましたが、この時、初めて痛みがひどくて吐き気を催したりしました。
二十分ほどたってから診察室に呼ばれましたが、その時には看護師に付き添われながら診察室まで行きました。医者がレントゲン写真を示しながら説明するには「尿酸性結石」との事、レントゲンには右側の腎臓から途中まで造影剤が映っていましたが、途中から先、尿路が造影剤でも映っていないのです。通常、カルシウム性の結石であれば、レントゲン画像に映るそうですが、それが画像には映っていません。そこから尿酸性結石と診断したそうです。
医者から言われたのは、とりあえず点滴で水分を補給するので、あとは石が出てくるのを待つしかないとの事。痛みがひどければ鎮痛剤の座薬を処方するので言ってください。あと石を溶かす薬も出しておきます。それで診察は終わりでした。
あっけないですね。まだ痛みは続いていますが、少しの間、診察室の脇のベッドルームで休み、症状が治まって来たらお帰り下さい。との事だったのですが30分ほど待っても中々痛みが引かないので、看護師に言って鎮痛剤の座薬を入れてもらうと、かなり痛みが和らいぎました。そこで病院を出てタクシーで家に帰宅しましたが、この時には既に朝10時を過ぎていて、病院の外は明るくなっていました。
腎臓結石というのは三大激痛と言われていますが、その割にあまり深刻には扱われません。医者の治療も深刻な状況でない限り、石を溶かす薬と鎮痛剤の処方で、あとは水分を多めにとって安静にする事だけを言われます。要は早く石の自然排出を待つだけなんですね。また大抵の場合には再発するケースが多くあり、私のそれに漏れずに再発しましたが、それは後の事。
この日は一日自宅で横になり、痛みが出たら自分で座薬をいれて堪え忍んでいました。
翌日にはかなり痛みも軽減したので、日常生活に戻りました。尿管結石にかかった人は、石が出てくるのが解ると言っていましたが、この時にはいつ石が出たのか判らず、だいたい1週間ほどで症状は無くなったのです。