公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

中一の女の子

2013-01-31 | 雑記
幼児期からの生徒なのですが、母親が泣いた後のような目でやってきました。
先日の、校内で実施した業者による学力テストの結果がひどい、
というのでした。

下の子と合わせて年間で50万円ぐらいも支払っている、
それなのに学校での成績は平均点に及ばない、
なんで・・・・・・ということなのです。

この子は実のところ≪のび太君≫タイプなのです。
ドラえもんのいないのび太君・・・・・・

小学校の頃にはうちの教室へ通うことで他の子の倍以上の学習をしていたので
学校の授業に遅れるということはありませんでしたから
勉強面ではその≪トロさ≫は目立たず、一応できる子の中には入っていたのですが
中学で授業速度が倍になっているのに
部活や他の習い事で勉強時間は半分になっているということでは
小学校時代の学力貯金はあっという間に底をつきます。

部活動の中でも、現実仲間外れにされていたって気付かないでいるくらいな子なので
部活動だって必要だと思い、
部活を休んでまで塾に来いとは言わずに来ました。

母親の愚痴を聞きながら
幼稚園時代、小学校の頃こんなふうでしたよね、と思い出話をし、
「お母さんの努力があったからこそ、落ちこぼれにはならないでいる」のだから、
と、他の子の対応は全部スタッフ任せ、
どうしても私の対応が必要な指導については次回に回して、二時間。

ようやく
「そうですね、そういう子だということはわかっているんですけれど
テストの点など見るとやっぱりショックで・・・・・・長い目で見るしかないんですよね。
先生に話を聞いてもらってよかったです、こういうことって誰にも言えないので
昨日から悶々としていたんです」と幾分ほっとした顔になって帰られました。

塾は成果を出してなんぼ、のものです。

けれど、他の子の倍三倍もの手間暇をかけてもトロい子を機敏にするような神業は使えません。
できる子だけの塾なら勉強さえさせておけば何とかなるでしょうけれど
うちはそういう事ではなく、玉石混合タイプの教室ですから
時にこういうメンタルケアも必要になってくるのです。

それにしても、幼児期からのお付き合いで、半ばわが子も同然の視点で見ているので
私自身もこの子に対してはついつい
「どうしてなの」と荒い言葉になってしまう場合もあるので
気をつけなくては。



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