公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

クチコミの大切さと怖さ

2006-07-07 | 生徒募集の実際
様々な媒体を使って、公文教室がここにありますということをPRし、
公文の学習ということについて地域にお伝えしていき、教室まで足を運んでもらって、
初めて入会の可能性が出てくるわけですが、
教室へ出かける最後の一押しは、たいてい知人からの情報です。

親戚に公文をやっている子がいる、
クラスメートに通っている子がいて、その子のお母さんと知り合いで・・・・
お茶飲み話に公文の話が出て興味を持ち、
その後チラシなどを見て行ってみようかという気になった・・・などという事例が大半です。

現在では中には、自分がこどもの頃、公文に行ってる友達がいてよくできたので
親となった今、自分の子も行かせようと考えたり、
あるいは自分が公文経験を持っている親も増えてきています。
共通しているのは、
とにかく経験した人の意見が参考になっているということ。
ですから、「あそこの教室へ行かせて見たんだけどどうもね・・・・」などという情報が流れてしまうと、
取り返しのつかないことになりかねません。
人は、ついつい自分のこと我が子のことは棚に上げて、
続かないのは教室が(指導者が)良くなかった、公文はダメ・・・・というふうにかんがえがちです。
中には、この教室はダメだったけど、あっちの公文教室は、という熱心な方もいらっしゃいますけれども。
そこで、評判というものの怖さを実感したりするわけです。
良い評価を得るには・・・・ということは別の項で改めて。


開設時には、とりあえず、直接のクチコミのもとになる生徒はゼロです。
引継ぎ開設の場合を除き、新設教室では、まずゼロからの出発でしょう。
そこで、開設説明会などを開いて、生徒集めを図るわけですが、
ちなみに、私の場合は、説明会当日の参加者はゼロ。
私が開設説明会の応援に行った、元学校の教師だった人のところでは二十人。
その差は?
彼女の場合は、「○○先生が公文教室始めるんだって」というニュースが、
元の教え子やその保護者から伝わっていて、それなら・・・・という希望者がすでにいたのです。
私の場合は、そういう背景はまったくありませんでした。
それでも、自宅近所の知人がお子さん三人と、お友達連れで、
次の学習日に来てくれて、八人の生徒からスタートを切ることができました。

この時に体験学習をした当時三年生の男の子が二年後ぐらいに
「あの時は、お母さんにだまされたんだよ。
 見に行くだけって言っていたのに、体験学習することになっちゃってサ。
 それでなんとなく入会することになって。
 塾なんて行く気はなかったのに」
「それで、公文をやってきたこと、後悔してる?」
「今は、入ってよかったと思ってるけど」
この生徒は中学三年生の春まで、学習を継続しています。

公文という言葉をまったく聞いたことのない小学生の保護者は、
今やほんのわずかのようです。
これは、私が近在の教室と共同で毎年開催していた
「来て見て遊ぼう」の際のアンケートからもわかります。
けれども、実際はどんなふうにどんなことを、ということになると、
風聞のみで誤解をしておいでの方も少なくありません。
我が子の学力などが気になっても、
まるきり知らないところへたずねていくのはかなりの勇気が必要なのかもしれません。
まして、家の子はいまいち・・・・などと不安感を持っていればなおさらでしょう。
こどもが自分から教室を見に来る場合もありますが、その場合も必ず親との面談は必要です。

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