寿命120歳の未来が見えてきた。世界初のアンチエイジング薬「メトホルミン」の人体治験が開始される(米研究)
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2016年、世界初となるアンチエイジング薬の人体を用いた治験が開始されるそうだ。この薬は老化をストップさせ、健康なまま110年、あるいは120年の生涯を実現するという代物である。
まるでSFのような話だが、メトホルミンという一般的な糖尿病の薬が動物の寿命を延ばすことは既に証明されている。アメリカ食品医薬品局が人体でも同じ効果が得られるものか確認する治験の許可を出したのは、動物実験での実証を受けてのことだ。
老化は絶対ではない
老化とは、生命にとって絶対に避けることができない現象ではない。なぜなら、あらゆる細胞には身体を永遠に正常に機能させるDNAという設計図が含まれているからだ。事実、一部の海洋生物は一切老化することがない。
しかし、身体の機能を正常に保つには数十億もの細胞が分裂を繰り返す必要がある。そして、分裂を繰り返すほどにこの過程にミスが蓄積されるようになる。蓄積されたミスが大きくなりすぎると、身体はそのダメージを修復できなくなる。ガンの場合なら、細胞は突然変異を取り除くことができず、腫瘍が成長を続ける。アルツハイマー病なら、アミロイド斑を除去できず、認知症が進む。
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メトホルミンは酸素分子を細胞内に放ち、その安定化や長寿化を促す効果がある。線虫を用いた実験では、老化を遅らせることはなかったが、健康を保てる期間を延ばす効果が確認された。この線虫は動きが鈍ることもなく、またシワができることもなかった。
さらに、マウスを用いた実験では、メトホルミンによって寿命が約40%延び、骨が強くなるという効果が得られている。昨年には、メトホルミンを投与された糖尿病患者が、そうでない人よりも長生きする事実(ただし、糖尿病でない人よりは8年早く死亡)も明らかとなった。
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いよいよ2016年冬から治験開始
老化防止薬の治験は”メトホルミンによる老化の標的化(Targeting Aging with Metformin, TAME)”と呼ばれ、来年の冬からアメリカで開始される予定だ。現在、様々な研究機関によって資金と、ガン、心臓病、認知症に罹患しているかそのリスクがある70~80歳の被験者3,000人の確保が進められている。
イギリス国家統計局によれば、今日生まれた女の子の赤ちゃんは平均82.8年、男の子なら平均78.8年生きることになる。しかし、動物実験で得られた効果が人間でも再現されれば、寿命はほぼ50%延びると見込まれる。
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将来的には、若者に老化を予防する”ワクチン”が接種される可能性もある。これは、人類の寿命に対してガンの特効薬が発見される以上の影響を及ぼすそうだ。医師による治療の対象はガンや糖尿病などではなく、その背後にあるメカニズム、すなわち老化になることだろう。
なお、この老化防止薬から決して若返りの泉のようなものを想像しないことだ。研究者が目指すのは、あくまで健康寿命の改善であり、永遠の命ではない。それでも治験によって承認が下りれば、公衆衛生の革命となることは間違いない。
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2016年、世界初となるアンチエイジング薬の人体を用いた治験が開始されるそうだ。この薬は老化をストップさせ、健康なまま110年、あるいは120年の生涯を実現するという代物である。
まるでSFのような話だが、メトホルミンという一般的な糖尿病の薬が動物の寿命を延ばすことは既に証明されている。アメリカ食品医薬品局が人体でも同じ効果が得られるものか確認する治験の許可を出したのは、動物実験での実証を受けてのことだ。
老化は絶対ではない
老化とは、生命にとって絶対に避けることができない現象ではない。なぜなら、あらゆる細胞には身体を永遠に正常に機能させるDNAという設計図が含まれているからだ。事実、一部の海洋生物は一切老化することがない。
しかし、身体の機能を正常に保つには数十億もの細胞が分裂を繰り返す必要がある。そして、分裂を繰り返すほどにこの過程にミスが蓄積されるようになる。蓄積されたミスが大きくなりすぎると、身体はそのダメージを修復できなくなる。ガンの場合なら、細胞は突然変異を取り除くことができず、腫瘍が成長を続ける。アルツハイマー病なら、アミロイド斑を除去できず、認知症が進む。
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メトホルミンは酸素分子を細胞内に放ち、その安定化や長寿化を促す効果がある。線虫を用いた実験では、老化を遅らせることはなかったが、健康を保てる期間を延ばす効果が確認された。この線虫は動きが鈍ることもなく、またシワができることもなかった。
さらに、マウスを用いた実験では、メトホルミンによって寿命が約40%延び、骨が強くなるという効果が得られている。昨年には、メトホルミンを投与された糖尿病患者が、そうでない人よりも長生きする事実(ただし、糖尿病でない人よりは8年早く死亡)も明らかとなった。
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いよいよ2016年冬から治験開始
老化防止薬の治験は”メトホルミンによる老化の標的化(Targeting Aging with Metformin, TAME)”と呼ばれ、来年の冬からアメリカで開始される予定だ。現在、様々な研究機関によって資金と、ガン、心臓病、認知症に罹患しているかそのリスクがある70~80歳の被験者3,000人の確保が進められている。
イギリス国家統計局によれば、今日生まれた女の子の赤ちゃんは平均82.8年、男の子なら平均78.8年生きることになる。しかし、動物実験で得られた効果が人間でも再現されれば、寿命はほぼ50%延びると見込まれる。
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将来的には、若者に老化を予防する”ワクチン”が接種される可能性もある。これは、人類の寿命に対してガンの特効薬が発見される以上の影響を及ぼすそうだ。医師による治療の対象はガンや糖尿病などではなく、その背後にあるメカニズム、すなわち老化になることだろう。
なお、この老化防止薬から決して若返りの泉のようなものを想像しないことだ。研究者が目指すのは、あくまで健康寿命の改善であり、永遠の命ではない。それでも治験によって承認が下りれば、公衆衛生の革命となることは間違いない。
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