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まだ誰も答えが出せない「フェイスブックをどうするか」という難題 大統領選とソーシャルメディアの行方
池田 純一引用
2020年に向けたレースが始まった
2019年のアメリカは、早くも1年先の2020年を見据えた動きから始まった。
民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)が、2020年の大統領選への立候補を表明したためだ。
アメリカの場合、大統領選の本選に進むためには、まずは党ごとの予備選で勝利を収めなければならない。
長らく重鎮扱いされていたヒラリー・クリントンが2016年に敗れたため、現在の民主党はいわば一種の権力の真空状態にあり、そのため、2020年に向けた予備選も、本命不在のバトルロワイヤルとなることが予想されている。
実際、いち早く本命の一人であるウォーレンが出馬表明をしたことで、立候補が噂されていた有力候補者の中からも、名乗りを挙げる者が続いた。
2019年1月21日の時点では、トゥルシー・ギャバード下院議員(ハワイ州)、フリアン・カストロ元住宅都市開発長官、キルステン・ジルブランド上院議員(ニューヨーク州)が立候補を表明している。
この他に立候補が予想されているのが、カマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州)やコーリー・ブッカー上院議員(ニュージャージー州)であり、高齢ではあるが、ジョー・バイデン元副大統領や2016年にヒラリーと予備選を争ったバーニー・サンダース上院議員(バーモント州)への期待も引き続き高い。
一方、若手では、2018年の中間選挙でテキサス州上院選に出馬し、惜敗はしたものの旋風を巻き起こしたベト・オルーク元下院議員(テキサス州)に急速に注目が集まっている。
加えて、マイケル・ブルーンバーグ元ニューヨーク市長の名も挙げられる。まさに選り取り見取りの状態だ。
2016年の共和党予備選は当初17名の候補者によって争われていたが、立候補するだけならそれほど難しいことではなく、問題はその後、どうやって政治的、金銭的な両面で支持者を募っていくことができるかにある。その点でも、先に名乗りを挙げることは有利である。
だからいささかフライング気味ではあるもののウォーレンは、2020年に向けたレースの開始を宣言したことになる。
肝心の予備選は来年にならないと始まらないため、それまでは誰が名乗りを挙げるのか、噂が絶えないことだろう。ウォーレンに続いて、誰がいつどのような状況で立候補するのか、向こう一年を通じて面白くなりそうだ。エリザベス・ウォーレン〔PHOTO〕United States Senate
アメリカ大統領選という参加型イベント
ところでウォーレンの表明は、正確には前日の2018年12月31日になされていた。今やニュースは即座に世界中に流通する時代であり、時差を考えれば、世界中の人びとが1月1日にそのニュースを目にすることを狙ってのものと考えるほうが妥当だろう。
それくらいアメリカ大統領選は、良くも悪くも2016年以来、アメリカ人だけでなく世界中の人びとの関心も引く「ワールドコンテント」の一つへと転じてしまった。
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