日本のタバコ消費量は世界第三位。
アルコール・タバコ消費量と摂取カロリー量を比べてみた
世界は広い。そしてその国々の食文化や習慣も様々だ。昔は一般的だった喫煙も、先進諸国からの禁煙推奨の流れで徐々にその数を減らしている。
アルコールはどうだろうか?摂取カロリー量は?
世界の消費量を知るために、OECD諸国のアルコールとタバコに関する世界および国別データとともに、平均カロリー摂取量も調査した。
1人あたり平均アルコール消費量(2004~2013年)
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人類は大昔からアルコールを生産してきた。9,000年前の古代中国文明まで遡ることができ、米、はちみつ、果物から強い酒が作られていたという記録が残っている。
人類が果物や穀物など発酵できる糖分から酒を作り始めると、それはあっという間に世界各国の特色とも言える存在になっていった。
ウォッカを愛するロシアは、歴史的にこの酒と密接に結びついている。
1500年代、ロシア政府は、莫大な税収の発生を期待してウォッカの生産と消費を奨励した。その結果、この習慣は文化として根付き、現在ロシア人の年間1人あたりアルコール消費量は11.58リットルである。
普通のウォッカのアルコール度数は40%程度であるため、これは29.63リットルのウォッカに相当する。
毎日ツーショットの飲んでいる計算だ。
こうした大量の飲酒習慣はロシアにとどまるものではない。元ソ連領だったリトアニアとエストニアの年間アルコール消費量はそれぞれ13.05リットルと12.62リットルで、世界でアルコールを最も消費する地域である。
90年代にこれらの国々が独立すると、政府はアルコール生産販売に関するソ連の規制から解放され、生産量が激増することになった。
アルコールは危険なほど自由化され、摂取量を減らそうという試みは激しい抵抗にあった。
オーストリア、フランス、ドイツなどのヨーロッパ諸国の多くでも、世界平均を上回るアルコールが摂取されている。
ここにおいても、根強い飲酒文化はアルコール生産販売から得られる利益を狙った政策と関連があり、根付いた習慣は容易に変えられるものではなかった。
1人あたりカロリー摂取量(2004~2011年)
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例えば、アメリカの1人あたりカロリー摂取量は世界最高クラスだ。
そのため男性の33.3%、女性の35.8%が肥満という状況にある。
しかし、カロリーを摂取した結果は地域によって相当に異なる。
ベルギーの1人あたりカロリー摂取量はアメリカに匹敵するが、肥満率は10%と意外なほど低い。その反対に、メキシコとチリの人々のカロリー摂取量はかなり低いが、肥満率では世界有数である。
さらに次のような傾向を見ることができる。
・家計における食費の割合が高い貧困国では、肥満率が極端に高まるケースは少ない。
・食費が経済的に制限されることがない国では、1日1人あたり3,500キロカロリーが摂取される。
・全体的には男性よりも女性の方が肥満になりやすい。
・北南アメリカ、東西ヨーロッパ、オセアニア、サウジアラビア、ナイジェリア、リビアなど、多くの国で子供の肥満率は20~30%の範囲にある。
1人あたりタバコ消費量(2004~2013年)
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一部の地域では喫煙は非常に一般的な習慣である。
ギリシアでは15歳以上の40%が喫煙者である。
ベルギーも似たようなもので、年間の1人あたり消費はかなりの量に達する。
日本も禁煙対策が進められている者の、世界的に見れば第三位の喫煙国である。
これは、こうした地域における一般的な喫煙への認識と大きな関係がある。
例えば、ギリシアで公共の場所での喫煙が禁止されたのは比較的最近のことであり、それもあまり徹底されていない。
また、課税によって喫煙を減らす試みは大抵失敗している。ギリシアがこうした課税を行った結果、安くタバコが入手できる巨大なブラックマーケットが形成されてしまった。
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経済成長がアルコールやタバコ、あるいは不要なカロリーなど、嗜好品の消費を促すのは明らかである。
特定の国においては、こうした習慣と健康との関連性をうまく説明することができる。また、消費量には均衡点が存在するようだ。
どこかの時点で、これらの嗜好品から得られる満足を健康への悪影響が上回ってしまうからだろう。
タバコ、アルコール、カロリーの過剰摂取は様々な健康問題を引き起こす。
心疾患、肝臓病、ガン、肥満はその一例にすぎない。
各国への生活習慣病の影響は様々だが、健康への対策が練られるようになるのは世界的な傾向
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