ごめり語。

ごめり・りんご・「   」

落語とらくご

2011年11月15日 | 落語・寄席
え~と、話が前後します。

今度は11月12日(土)のことです。

この日、久しぶりに池袋演芸場に行ってきました。

寄席に行くのは、先月の6日(木)に、鈴本演芸場に行った時以来でした。

なんというか、ひと月に1度くらいは寄席に行きたい、そんな気持ちがあります。

土曜日でしたが、ガラガラというほどではないにしても、かなり空いていました。

前から2列目のど真中をゲット!

1人で観るなら池袋、2人で観るなら新宿、そんな気がしました。

池袋は、吉野屋で牛丼(かつやでカツ丼、てんやで天丼)を食べるような感じ。

対して新宿は、木造の古い建物で、雰囲気があります。


落語の方はというと、はじめて聴いた噺家さんが多かったのですが、とてもよかった。

五明楼玉の輔、入船亭扇治、柳家喜多八、春風亭百栄、そして、夜の部の主任(トリ)は、柳家はん治。

扇治さんなんて、私の苦手な早口系の方だったのに、どういうわけか、そのテンポが心地よかった。

そうして、はん治さんの演目は「粗忽長屋」でした。

「粗忽長屋」って、落語らしい落語だと思います。

好きなネタを聴けて、これも嬉しかった。

粋曲の柳家亀太郎も、なんだか新鮮で、聴き入ってしまいました。

それから、柳亭市馬も出演していたのですが、その市馬さんのお弟子さんに、まだ前座ですが、柳亭市助という若者がいます。

この方が、夜の部の開口一番に出てきたのですが、あ~、と思いました。

初めて浅草演芸ホールに行った時、つまり、寄席初体験だった時に、初めて間近で観た噺家さんが、彼だったからです。

あの日の浅草は、それなりにお客さんが入っていたので、最初昼の部の時は、2階席で観ていました。

でも、その時は、なんだかわけもわからず、少々退屈していました。

それなりに高名な方が出演していたにも関わらず、です。

なんというか、今にして思うと、距離がありすぎて、ライブというより、テレビで観ているような感じだったんでしょうね。

でも、その後、夜の部になった時に、1階の1番前の席に移動して、それで、最初に出てきたのが彼だった、というわけ。

まだ前座さんですし、今にしてみると、まるで聴けたものではありません。

でも、あの時の私は、彼に落語の面白さを教えてもらいました。

前座さんでも、近くで落語を聴くと、面白い!

この発見があったからこそ、次につながっていったんですから。

市助さん、がんばって下さいね!


やっぱり、落語は近くで観たいなぁ。

柳家小三治の時でさえ、そう感じましたから。

10月6日、鈴本演芸場の時は、「猫の災難」。

10月14日、ミューズの独演会の時は、「初天神」と「転宅」。

むろん、どちらも良かったですが、ミューズの時は、席が悪かったからなぁ・・・。

やっぱり、じっくり落語を聴くには、寄席くらいの大きさの方が適していると思います。


でも。

立川流の噺家さんは、基本的には、定席の寄席には出ません。

昔、立川談春がテレビに出ていた時に、大きなホールと小さなホールでは、演出を変えていると言っていました。

寄席に出られない分、そこいらへんはかなり工夫しているんですね。

というわけで。

「志の輔らくご in PARCO 2012」

これには、是非、行きたい!

「ためしてガッテン」でおなじみの立川志の輔です。

しかし、6000円は高いなぁ・・・。

でも、まぁ、チケット争奪戦に参加しようと思っています(笑)
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「師匠噺」

2011年10月29日 | 落語・寄席
落語に関する興味は尽きません。

毎日寄席に通えたらいいんですけどね・・・

そういうわけにもいかないので、落語に関する本を図書館で借りてきて、いろいろと読んで、憂さを晴らしています。


中でも、林家彦いち師匠の、次のひと言が忘れられません。

<何度か(寄席に)通ううちに、あることに気づいた。それは、落語はもちろんだが、それと同じくらい、いやそれ以上に「落語家が面白い」ということだ。>「楽写」より

そう。

実に当たり前のことですが、落語家が面白いからこそ、落語が面白いのです。


「馬鹿じゃできない。利口じゃやらない。」

今は亡き古今亭志ん朝が、落語家について、そう語っているビデオが、You Tubeにアップされています。

これ→「鰻の幇間

私は、典型的な与太郎、つまり、まぬけキャラなので、落語家なんて、絶対に無理です。

なにせ、ほんの一席さえも、まともに覚えられそうにないので・・・。


さてさて、そんな落語家たちの魅力を伝えてくれる本を紹介しましょう。

「師匠噺」著者=浜美雪

落語家の世界は、世襲制ではありません。

では何なのかというと、つまり、子が親を選びます。

「弟子にして下さい!」

すべてが、このひと言からはじまります。

いろいろな子供がいて、いろいろな親がいます。

子だくさんな親、放任主義な親、過保護な親、子供に迷惑ばかりかける親、いろいろな親子の形があります。


そうして、落語の世界で面白いな、と思うのは、ネタは、師匠だけから学ぶのではないのですね。

つまり、出稽古が多い。

例えば、師匠からは、「道灌」一席しか教わっていなくて、他のネタはすべて、別のお師匠さんさから教わった、なんて方もいらっしゃる。

その極めつけは、師匠笑福亭松鶴、弟子笑福亭鶴瓶の親子でしょう。

なにせ、一席も教えなかったそうですから。

けれども、それは、弟子のことを思っていたからこそで、あえて教えなかったんですね。

そういうことが、この本の中で書かれていますよ。


さて、来年の2月12日に、「さん喬・喬太郎親子会」が、練馬区のIMAホールで行われます。

行ってみたいな。

この親子(といっても、本物の親子ではないわけですが)の素敵なエピソードを、広瀬和生さんが、「この落語家をよろしく」の中で、紹介しています。興味があったら、こちらも読んでみて下さい。ちなみに同様のことが、「今おもしろい落語家ベスト50」という本にも書いてあります。

私は結局、今のところ、さん喬師匠が、落語を聴いていて、いちばんしっくりくる方なのですが、やっぱり、なんとも素敵な方なんですね。
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喬太郎落語

2011年08月26日 | 落語・寄席
さらっと書こう。

ね、ごめりさん、さらっと書こう。

どうせ駄文なんだから、もったいぶらずに。


はじめての喬太郎落語は、「夫婦に乾杯」でした。

面白かったです。

大爆笑でした。

で、後日知ったんですけど、この噺は、春風亭昇太作なんですね。

びっくりしました。

私はてっきり、ご自分の新作だと思っていたのです。


それで、ツタヤに行って、SWA(創作話芸アソシエーション)のCDを借りてきました。

その中に、本家本元、春風亭昇太師匠の「夫婦に乾杯」が入っているからです。

聴き比べてみると・・・。

やっぱり違うんですね。

なるほど落語って、そういうものなんですね。


例えば、ストーンズのコピーバンドとか、ビートルズのコピーバンドとか、それはそれなりに面白いんだろうし、そういうファンもいるんだろうけど、それにわざわざお金を払って、観に行きたいとは、あまり思いませんよね。

それは、ごく限られたマニアの域ですよね。

やっぱり、オリジナルが聴きたい。

あるいは、同じ曲でも、オリジナルを超える演奏、違ったアレンジ、とにかく自分の心を揺さぶられるような音楽を聴きたい。

そうしてそれは、落語でも同じことだし、どんなジャンルにおいても、同じことが言えるんだろうな。


「伝統を現代に・・・」

立川談志の有名な言葉だそうですが、本当にその通りだと思います。


さらっと書けたかな。

ダメだね、全然。
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雨の音が

2011年08月24日 | 落語・寄席
思い入れが強すぎて、なかなか記事にできない、というようなこと、ありませんか?

肩に力が入りすぎて、前に進まなくなってしまう、というような。

さん喬師匠のことも、まさにそんな感じです。


例えば、8月18日、鈴本演芸場で聴いた「笠碁」。

なにせ、雨が降っている場面で、本当に雨の音が聞こえたんです。

静寂の中だったのに、雨の音が聞こえたんです。

いやはやもう、びっくりしました。


実は、さん喬師匠って、誰よりも「言葉」を持った人なのかもしれません。

それは、広瀬和生さんの、「この落語家をよろしく」の中の、「吹っきれた喬太郎」のエピソードを再読して、改めて思ったことでもあります。

「論」を持った人は多いですけどね。

「声」を持った人も多いんですけどね。


師匠の頭の中にある言葉ってのはきっと、落語の中に込められているのではないか。

そういうことを、なんとなくですが、喬太郎師匠はわかっているような気がします。

そういう意味でいうと、権太楼師匠は正反対で、水と油だからこそ、いいコンビなのかもしれませんね。
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夕立と相合傘

2011年08月19日 | 落語・寄席
紙切りの正楽師匠、大好きです。

最初に観たのは、新宿末廣亭の時でした。

あの時は、ただただ感嘆するばかりで、声をかけようなんて、少しも思いませんでした。

でも、すぐに色気が出てきました。

次の機会があれば、是非記念に、と思いました。

で、その機会はすぐにやってきました。

前回(13日)の鈴本の時でした。

でも、あの時のお客さんは、なんだかもう、テンションが高くて。

元気のいいお客さんが多くて、私の出る幕はありませんでした。

そうして、次(18日)こそは、と思いました。

次こそは、夕立と相合傘を切ってもらいたい!

競争率は高いだろうけど、声を出してみよう!



そんなわけで、お仲入り後、正楽師匠が登場してからはずっと、緊張しっぱなしでした。

ブルブル震えていました。

だって、前回の5日後ですから、きっとまた元気のいいお客さんが多いんだろうなと思ったんです。

だから、必要以上に力が入ってしまいました。

夕立と相合傘、夕立と相合傘、夕立と相合傘、夕立と相合傘、夕立と相合傘・・・

結局、雷を怖がる犬みたいになってしまいました。

というか、恋文を渡したかったのに渡せなかった中学生。

つまり、緊張のあまり、声を出せなかった(泣)



今、家に帰ってから、冷静になって考えてみるってぇと(小三治風)、お盆の前と後では、客層も、客のテンションも違うんですね。

それから、平日と、土・日曜とも違うような気がします。

今回の競争相手は、そんなにいらっしゃらなかった。

年齢層が高かったからなのか、正楽師匠の芸に慣れていたからなのか、その違いは何だったのでしょうか。

だって、今回のお題目ですけどね。

最初の「灯篭」、これはいいです。

季節にマッチしていますし。

でも、その次が「アンパンマン」でした。

よりによって「アンパンマン」。

いい大人が「アンパンマン」。

子供へのおみやげだったら、アメ横で買って帰りなさい!

もし、私が、勇気を出して、大きな声で「夕立!」って言っていたら、どうなっていたでしょうか。

ねぇ。

最後の締めは「猛暑日」でした。

「灯篭」「アンパンマン」そして、「猛暑日」。

直球ばかりでなく、変化球もあって、いい構成でした。

どのみち、ごめりの出る幕はなかった、そういうことだったのかもしれません。

しかし、それにつけても私は、正真正銘の小心者ですね。

小心証明ですな。

どうにもこうにも、つける薬がありません・・・。

もし、次の機会に、プロポーズ大作戦、じゃなく、紙切り大作戦が成功したら、その暁には、どうぞ拍手を。

というわけで、肝心の落語のことは、また次の機会に。
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