どさんこトレッキング

10月24日、鶴居どさんこ牧場さんにお世話になり、道産子（北海道和種）に乗って、釧路湿原周辺をトレッキングしました。乗馬1日コースと1泊2食付のセットプランが、なんと18000円！です。安いと思いませんか？これほど気軽に乗馬を楽しめる施設は、なかなかありません。第三セクターによる運営ならではです。

いや、もう、皆さん、北海道に行かれる際は、是非この牧場を訪ねて欲しいと思います。老いも若きも男も女もですが、特にお子さんをお持ちのご家族はです。木曽馬もそうでしたが、日本の在来馬は、大人しく従順な馬が多いので、初心者でも心配無用です。もう旭山動物園には行かなくていいよ（←行ったことないくせに・・・）！動物園もいいですが、リアルな体験に勝るものはありませんからね。もしかしたら＜どさんこトレッキング＞なんて思わない方がいいのかもしれません。こう思って下さい、これは道産子が案内してくれる、釧路湿原を巡るネイチャーウォークなのだと。

私を乗せてくれた白龍です。牧場の馬たちのリーダーなのだそうです。強い意志を持った賢い馬でした。もちろん私の意思も尊重してくれましたが、彼に進路を任せておいた方が、近道かつ安全だったように思います。

ヘルメット、ブーツ、手袋、レインコートなど、すべて無料で貸してくれます。手ぶらでOK。私は1日コースを楽しんだのですが、山の上で、釧路湿原を見下ろしながら頂いた昼食のおにぎりの味は格別でした。例年ですと、この時期はもう紅葉が終わっているそうですが、今年はまだ紅葉している木々も残っていました。

ガイドさんから、いろいろなことを教わりました。湿原のこと、馬のこと、村のこと、自然のこと・・・。特に思い出深いのは「やちまなこ」と「やちぼうず」です。これは湿原特有の沼地と植物のことです。先日図書館で借りてきた「釧路湿原」という写真集に、C.W.ニコルさんが、＜私にとって、釧路は「聖域」。＞と書いていましたが、この湿原をトレッキングしていると、その言葉の重みを実感出来ると思います。私は湿原を見下ろした時、ケニアのマサイマラがフラッシュバックしました。アフリカのような風景が拡がっていると思いました。

道産子は、北海道の寒さに適応して生き残った馬です。ですから寒さに強く、牧場には厩舎がありません。柵はありますが、春夏秋冬ずっと放し飼いです。足（爪）も丈夫なので、蹄鉄を打つ必要もないそうです。

道産子は側対歩で歩きます。人間で例えるなら、右手右足を同時に前に出す歩き方です。背中に置いた荷物を運ぶのに適しているので、このように進化したのだそうです。この歩き方の方が揺れないので、乗り心地も最高です。

夕方、牧場内の馬たちが群れで一斉に駈けてゆく光景は、特に素敵でした。ガイドさんが、「冬のどさんこトレッキングも是非！」と言っていました。その言葉に従って（？）、私はもう一度ここを訪れて、冬景色の釧路湿原を体験しようと思っています。