2023年8月30日戸田議員の一般質問を傍聴するために、市議会に参りました折、受付で偶然9月4日に佐伯美保議員が「郷づくり推進事業交付金の算定基準と課題及び対策について問う」を一般質問で行うことを知りました。実は1年半前に「郷づくり推進交付金の公平性」を調査しました結果、「福間地区と勝浦地区では、住民一人当たりの交付金額に約5倍の差があり不公平な分配が行われている」ことを、このブログNo.106で報告いたしました。どのような質疑応答になるか興味津々で再度市議会に出かけました。一問一答形式で佐伯議員の一般質問を報告します。
佐伯議員:福津市はSDGs未来都市に選定され、人の不平等をなくし、市民に公平な対応をすることが求められています。郷づくり推進事業交付金も公平に分配されるような算定基準に見直して戴きたい。
市民共働部長:現在、共働推進会議で郷づくり基本構想の見直しを行っています。そのなかで、交付金の見直しもおこなっています。
佐伯議員:人口増加地域(福間地区、福間南地区)において、交付金の配分の仕方に不公平感があります。算定基準を見直しする時期は、いつですか?
市民共働部長:明言できませんが、10月には共働推進会議から中間答申がでますので、予算化を含めてこの中間答申が出た段階で検討します。
佐伯議員:中間答申の内容は公開されるのでしょうか?
市民共働部長:中間答申は公開しません。今年度以内に最終答申が出ますので.。
なんとも不明瞭な答弁でしたので、どのような議論が、共働推進会議で進められているのか知りたくて、福津市ホームページから第9回福津市共働推進会議の議事録を読みました。以下議事録の要点と感想及び提言を記します。
【議事録の要点】「交付金のあり方」について2グループの発表がありました。
1.第1グループ参加者の発表は「地域の状況を反映した算定基準を目指す」といものでしたが、「明確な解決策は出なかった」とされています。このような状態で中間答申されても、公平な分配を目指す算定基準を検討できるのか、はなはだ疑問です。
このグループの関心事はもっぱら「交付金を郷づくり協議会や自治会の裁量で柔軟(自由)に使いたい」ということでした。
2.第2グループの発表は、次の5項目で会長が行いました。
①交付金の配分の仕方に不公平感がでていて、かならずしも合理的な配分方式になっていない。
②基礎事業の規模加算が3,500世帯で頭打ちになっている。また自主事業の子育て支援、青少年育成に関する事業に関しても、2,000人で頭打ちになっている。この頭打ちの部分を撤廃していくことでバランスをとったらいいのではないか。
③交付金の会計と、独自に稼いだ会計を別会計にしたいという意見がでた。
④郷づくり協議会の専任事務局給与の上限を廃止したい。
⑤交付金と補助金を郷づくり交付金として一本化したい。
【感想】 この二つのグループの発表を読んで、感じることは、自治会や郷づくり協議会は任意団体であり、任意団体の裁量で自由に交付金を使う権限なんかありません。交付金の原資は市民の税金です。財務基盤が脆弱な福津市において、これ以上税金の無駄遣いは止めて戴きたい。「市との関わり方」については参加者の本音や市に対する怒りが表明されていて参考になりました。
【提言】納税者として次の4点を郷づくり基本構想に入れることを提言します。
1.交付金の「公平」な配分を重視することで、市民一人当たりの交付金額は最低地区と最高地区の比率は1.5未満にコントロールすること。(SDGs未来都市)
2.行政の役割、自治会及び郷づくり協議会の役割を明確化し、自治会及び郷づくり協議会が市行政の下請けでないことを市民に示すこと。(地方自治法第260条の2第6項)
3.資源ゴミの地域分別収集事業等の本来市町村の行政が担うべき事業を、交付金の算定基準に透明性をもって明示すること。(廃棄物処理法、包装容器リサイクル法)
4.郷づくり協議会が補助金等を支給した団体が解散等で消滅することを想定して、郷づくり協議会から市への返金ルールを条例等で明確にしておくこと。(補助金適正化法)