うろうろとする日々

ちょっと気になるだろうという記事(朝日新聞2月12日WEB阪)

「走り勝つシューター軍団」 迷いや屈辱を超え主体性重視に手応え:朝日新聞デジタル

ちょっと前に朝日新聞のスポーツ面の自由自在というコーナーでバスケットの記事を書いていた人がこんな記事を書いたようです。ネットで見出しと冒頭を読んだだけでうんざりという感じでした。

”日本の12人は抱き合って喜んだ”と書いてありますが、NHKの中継で見た限り抱き合っていたのはもっと多かったように見えましたが、スタッフは人間じゃないのかな?朝日新聞的には。そしてこの表現がもっと問題だと思うのは、そんなレベルの話ではありません。今回林選手も試合後の吉田選手も、最後に代表から漏れた選手も一緒に戦っているという意識がすごく強く、特に小生は59番の星選手のユニフォームをベンチに置いて、最後のQalifiedの写真のときも、そのユニフォームを出していたのが印象的でした。代表チームはおそらく、これまで活動してきて、特に星選手のためには勝ちたいということだったんだと思います。そういう思いを全く伝えないでわざわざ”12人”と書いてしまうセンスはやはりこのひとは継続的にバスケットを取材しないでいいときだけインタビューなどして書いているだけだからなんだなあ、と思わされます。

また、後半はほとんど読めないのですが、2022年のワールドカップで優勝を期待されながら、といってますが、誰が期待していたのでしょうか?マスコミ?2021年の五輪後なかなか難しい状況になって、2022年のワールドカップで優勝というのはあまり現実的なことではなかったのではないでしょうか?グループリーグで1勝しかできなかったというのは事実ですが、しかし、その前の21年のアジアでは5連覇を成し遂げたのも事実です。現在の女子の世界は今回ハンガリーがスペインを追い詰めたように、2位から20位くらいの中では冷静に判断しないと、どこが強いのかは判断しがたく、確かに1勝でしたが、まあ当時の状況では難しい、というのはある程度知識があれば同意するのではないかと思います。それをまた、恩塚氏の手腕について書くわけですが、日本のバスケットボールを取材しているひとであれば、この手の話はうんざりなはずで、そんな日本バスケットボール協会の中の意見をいちいちまともに取り合っていたら、HCはやってられないし、そういう声に配慮しすぎたことが1990年代から2010年ごろの女子バスケット(男子も?)の問題であったことはジャーナリストであればわかる話と思います。というような長く取材しないと書けないような記事を今の朝日新聞に期待するのは無理なんですけど。どうせ13日の朝刊も休みなので、1日かけて、バスケットボールの専門の記者にきちんと直してから紙面に出したほうがいいんじゃないかと思います。

見出しに”主体性重視”と書いてます。ホーバスHC時代は”150もの攻撃パターンを長期の合宿でしみこませていた”と書いてますが、言い方だと思いますが、恩塚HCも攻撃のパターンは決め事がないとできないわけで、いろいろと数えると結構な数にはなるんじゃないでしょうかね。結局最後のシュートにいくオプションがどうかという話なんじゃないかという気もしますけど。(そのオプションを決めておくかどうかくらい?)

バスケットは5人でやるとはいっても、相手もあるので、逆に言うと1つのゲームで攻撃回数が60回あるとして、それだけでも3ゲームで180パターンの攻撃をすることになり、どうなんでしょうね、全く同じパターンはああいったレベルではまずないんじゃないですかね。また、今回も2,3目のゲームで林選手のスリーがうまく止められていたのは、逆に言うと林選手にシュートさせるような動きができなかったのかもしれません。それは今回の記者が書くスリーポイントの成功率が東京五輪と2022年ワールドカップを比べて、下がったといいますが、今回も最後のゲームでの林選手や宮崎選手のスリーのアテンプト、成功率はよくなかったと思います。カナダ戦で比較するとワールドカップはスリーは6/35で17.1%、今回は3/13で23.1%です。これだけアテンプトが違うと比較になりませんが、ワールドカップは悪かったけど今回カナダ戦でよかったかというとそうでもないっていう感じじゃないでしょうか。確かにホーバスHC時代の2020年のOQTカナダ戦では10/30でこの時はトータル68点ということなんですが。その時と比べて主体性で攻撃しているので今回86点とれたのか?なぞです。まあ後半読んでないのであまりよくわかりませんが、”主体性”ってなんなの?という気はします。オプションをあらかじめ決めないことが”主体性”なんでしょうか、、、”オプションを自分で判断する”が主体性だとすると、”決まったオプションからチームであらかじめ決まったものを選ぶ”とどこが違うかはよくわかりません。言い方の問題だと思います。

もちろん恩塚HCのフリーオフェンスを重視する考え方はいろいろなところでも言われているところです。しかしそれが”主体性”ということばで表現されることなのか?そのあたりに朝日の記者のどうもな感じがあるわけです。

ということで繰り返しになりますが、ぜひとも明日の紙面までにいろいろと松本麻美記者などの手直しを受けてから出したほうがいい記事だと思います。

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