ひろこーぼうの手帳

思ったことや出来事をメモします。

百日紅の咲くころ

2011年08月23日 | Weblog

 

小さい頃 裏戸をあけると

真っ白い さるすべりの花が アーチ状になって咲いていた

庭木が好きだった 亡き父親が たくましく古木になったさるすべりの木を

大きくアーチ状に仕立てていた

 

暑い暑い夏になると それはみごとに大きくたっぷりと咲かせていた

風にゆっくり揺れる 

その 揺れは

「ほら! このアーチをくぐってごらん」 そう言っているようにみえる

 

アーチ状の木の下をいったりきたり

白いちょうちん袖ブラウスに ヒマワリの絵がいっぱいのゴムスカートの

おかっぱ頭の女の子は 真っ黒に日焼けし

元気 いっぱいのお転婆ッ子

 

お兄ちゃんが「おーい ひろちゃーん」と呼ぶ

行ってみると ちぎったばかりのきゅうりに塩をつけて

「はい オヤツ」

また ある日は 収穫したばかりのトマトにお醤油をかけて ←塩ではなかった

「ほれっ」

 

ノドが渇いていて  食べるもぎたての野菜は 栄養価とともに水分補給でした

6人のお兄ちゃんがいました

長兄は太平洋戦争 特攻隊でなくなり  次兄は東京の大学へ

残った4人の兄ちゃんに からかわれるというか 可愛がられるというか

大事にされたというか その当時つらいことはありませんでしたねぇ~

 

さるすべりの花の咲くころ

思い出す 故郷の光景

先日から故郷の果樹園の手伝いに行ってきた

 

    今はもう そのさるすべりの大きくアーチ状になった古木はない

 

そう そのころは この木に猿が登ると

スッテンコロリと 

滑って落ちるんだ~~~~そう思っていた

勝手に想像して 楽しんでいた

 

その父は 私の子に会えることなく

お空に 長期出張となった

 

さるすべり

ただそれだけのこと