番組ネット情報より 「家裁の人」主役 船越英一郎
船越英一郎主演テレビドラマ「家栽の人」がテレビ朝日で始まった。原作は小学館『ビッグコミックオリジナル』で1987年から約9年間にわたって連載された『家栽の人』(作・毛利甚八/画・魚戸おさむ)。
私のかかりつけ医院の書棚に、25年前から原作漫画が全巻揃っていて拾い読みしていたのを覚えている。その後、11年前に家庭裁判所の家事調停委員をやり始めた時に、また手に取ってよく読んだ。
「家栽の人」は不朽の名作と言われ、主演の船越英一郎さんは原作の大ファンだそうで、主役の話があった時は物凄く喜んだらしい。第1回を録画で見ていて、船越さんが本当にはまり役だと思った。
漫画連載終了から20年以上経っているが、人間の本質を描く名作と言われ、あらゆる人の心に響く、感動の物語として人気番組になると思う。船越英一郎扮する主人公桑田義雄は、植物をこよなく愛し人間に寄り添う、信念を持った名物判事として活躍する。
家庭裁判所の場合、離婚等の家族問題や相続問題を扱う家事調停或いは家事審判、未成年の少年事件を取り扱う少年審判がある。偶々5年前まで家庭裁判所で家事調停委員をやっていた私は、当時の様々な場面を思い出しつつドラマに見入っていた。
また、調停委員退任後は非行少年の更生支援団体理事としての活動を続け、少年事件審判の付添人経験もある。少年が非行に走る家庭環境、虐待などを知る私としては、当時の様々な場面をついぞ思い出してしまう。
ネットで見たドラマの説明書きをそのまま掲載すると、主人公の桑田判事が家事審判では関係のこじれてしまった家族や夫婦に“かつての自分たちを思い出すことの大切さ”を語り、少年審判ではただ断罪するのではなく、“どうすれば少年が立ち直るのか”を真摯に考え、彼らを見守り、育てようとするとある。まさに私が勤務していた家裁で教えられたとおりの言葉である。
「家栽の人」は植物も人間も“愛”と“育てる時間”が大切と“栽”の字に込められている。“栽”の字は裁判所の裁ではなく、衣のところが木になっているように、植物好きの主人公・桑田判事を象徴しており、道を誤った少年たちを“愛しみ育てる姿勢をも表している。
このところ少年事件の付添人の仕事はしていないが、その機会があれば非行少年の真実のこころを知り、更生の手助けが少しでも出来ればと思う。
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