今朝の新聞の番組欄で、99歳の詩人柴田トヨさんのアンコール放送を見つけた。以前書店でトヨさんの詩集を捲った記憶がある。味わいのある人生訓を、平たく易しい言葉で綴っている。そのときおふくろを思い出してジンときた。
柴田トヨさんは、長男に勧められて90歳から詩を書き始めたという。新聞に投稿して何度も掲載されたそうだ。 最初の結婚は半年で離婚、その後料理人と再婚して長男が誕生したが、生活は苦しかったようだ。夫の死後、65歳の長男から同居を勧められても、一人がいいと栃木の家でがんばっている。
昨年、出版社の勧めで発行されたトヨさんの詩集「「くじけないで」は、100万部を突破、1万5千通もの反響ハガキが届いているそうだ。老若男女を問わず、トヨさんの詩に感動し、勇気をもらった人がたくさんいる。中でも好きな詩は本のタイトル「くじけないで」と「自分に」だ。
ご本人柴田トヨさんの朗読に、苦労をかけたおふくろを思い出しながら涙がとまらない。99歳は愚か80歳までも生きる自信はないが、私もトヨさんのように、力を抜いて、平たい言葉で詩が書けるようになりたいと思う。
くじけないで
ねえ 不幸だなんて 溜息をつかないで
陽射しやそよ風は えこひいきしない 夢は 平等に見られるのよ
私 辛いことが あったけれど 生きていてよかった
あなたもくじけずに
自分に
ぽたぽたと 蛇口から落ちる涙は 止まらない
どんなに辛く 悲しいことがあっても いつまで くよくよしていては だめ
思い切り 蛇口をひねって 一気に涙を 流してしまうの
藍さんのおっしゃるとおり、飾らない素直な詩が多くの人の共感を得たのでしょうね。
亡くなった私の母も、生きていれば柴田トヨさんと同じくらいの年ですが、時々思いつきの俳句を書いていました。
体は年をとっても、心は年をとらないものですね。
私も同じ番組を観たと思います。
99歳という高齢ながら、飾らない素直な詩に引き込まれてしまいました。
本も注文して楽しみに待っているところです。