ハチの家文学館

ハチの家写真館(http://hachinoie.exblog.jp/)の文芸版

横浜寿町

2016年12月15日 11時32分44秒 | ハチパパのひとり言

今日の朝日新聞朝刊横浜版に掲載されていた横浜寿町の記事に目がとまる。

ノンフィクション作家の山田清機さん(53歳)が、横浜市中区寿町を歩いて出会った人間味あふれる人たちのことを、「寿町のひとびと」と題して月刊誌「一冊の本」(朝日新聞出版)に連載しているという。

寿町は、私が今年3月まで家事調停委員として勤めていた横浜家庭裁判所と同じ町で、私自身も時々簡易宿泊街を歩いたり、ここに住む人たちのために開いている「さなぎの食堂」にもたまに昼食で行ったことがある。

「さなぎの食堂」の運営母体は、冷たい食事しか食べられない路上生活者に暖かい食事を三食提供しており、寿町地区生活者に就労機会を提供したりしている。また、寿町地区生活者のスタッフが、利用者に声をかけていくことにより、寿地区生活者の健康状態、精神状態をチェックして、必要ならば医療機関との連携をとり対処している。

このブログでも、昨年4月27日に野本三吉著「風の自叙伝」横浜・寿町の日雇い労働者たちを読んで投稿している。「風の自叙伝」は、ドヤ街・寿町に暮らし、ここで一生を終える日雇い労働者たちの人生を、彼ら自身の言葉で綴った民衆の生活史として、著者が実際に寿町に住み、横浜市の生活相談員として勤務していた、昭和47年から10年くらいの間の人間模様が書かれている。

山田清機さんもこの町のひとびとと出会い、心を丸裸にして話してくれる人が多いと感じたという。「無垢な心に触れられた瞬間はうれしい」とのコメントが新聞には書かれていた。

私自身は寿町のひとびとと直接話すことはなかったが、「風の自叙伝」に刺激されて「さなぎ達」というNPO法人を訪れ、少ないながらも寄付をさせてもらったことがある。

同じ年代の人間として、職場は違えど戦後の高度経済成長の一翼を担ってきた世代の人たちである。最低限の生活が安心してできる社会を心から願うばかりである。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿