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神奈川医療少年院

2018年11月22日 14時15分12秒 | ハチパパのひとり言

加入している神奈川少年友の会の人たちと一緒に、相模原市の神奈川医療少年院の見学をさせてもらった。同少年院は来年3月末をもって、昭島市に移転するとのことで、現在地では最後の施設見学になる。

近頃、NHK総合テレビ゛あさいち゛で度々取り上げている「発達障害」について関心が高かったこともあり参加させてもらった。

神奈川医療少年院は、北海道、東北、関東甲信越、静岡地域で、家庭裁判所の審判で少年院送致の決定を受けた男子少年のうち、知的障害、発達障害、情緒障害(これらの疑いがある者もしくは準ずる者を含む)等、処遇上の配慮を要する少年を収容している。少年の日常的な生活指導、治療的指導、自立援助的指導等が行われおり、円滑な社会復帰支援を図っている国の施設である。

平成28年に入院した53名の障害等比率では、知的障害が57%、発達障害が72%を占めたとのことで、複数の障害を持つ少年が複数在籍していることを示しており、傾向は現在も変わらないようだ。

この少年たちの特徴は、単独で事件を起こしていることから、対人関係の問題性があげられるとのことで、生活環境の調整が困難な少年が多い。また、保護者の方にも生活上の問題を抱えていたりして、出院後の引き受けの調整に少年院として苦労されているという。

どこの少年院でも、職員の方々の苦労は仕事とはいえ大変だと思うが、医療少年院は実際の治療・教育にかなりの手間と時間がかかることが容易に想像出来た。

 説明の最後に、国を挙げての成人を含む「再犯防止推進計画」のお話がなされた。政府目標は、平成33年までに2年以内再入率を16%以下(現在の検挙者に占める再犯者の割合48.7%)にする等を確実に達成し、国民が安全で安心して暮らせる「世界一安全な日本」の実現へとある。

4年後には成人年齢が18歳になる。少子高齢化もあって、少年犯罪は形式的に減少していくと思われるが、健全な子どもの育成は犯罪防止のためにも不可欠であり、子どもの貧困、虐待等の社会問題をなくす努力も必要である。

少年の中には見捨てられた感情を持つ子もいるかもしれない。捨てられたという感じを持たせないというのは難しいことであるが、それが非行に至る原因の一つとなっているのも事実。

非行少年の中には、被虐待、いじめられ経験などが多く、特殊教育課程の少年に必要な「自分自身尊厳の実感」が持てないという実情があるようで、何とも切ない気持ちになるが、職員の皆さんのご努力、ご苦労に敬意を払い見学を終了した。30/11/21



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