ハチの家文学館

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仏像写真展の感想

2018年05月06日 15時39分16秒 | 慈しみと悲しみと

今回の仏像写真展を終えて、真っ先に感じたのは「無事に終わってホッとした」「やってよかった」という達成感、充実感であった。

昨年12月初めに運よく横浜山手234番館ギャラリー4月分抽選で2番くじを引き当てた。その前月に初めて抽選に参加したときは、16人中16番目で諦めかけていたが、もう一度とチャレンジしたのがよかった。

開催まで4ケ月あったが、8年前に浜松で同規模の仏像写真展を開催したこともあり、大方の準備は出来ていたので慌ただしいことは何もなかった。また、購読中の朝日新聞神奈川マリオンに掲載を頼み、知人友人にも横浜に近い一部の人に案内しただけで、大々的なパブリシティはせずにおいた。今回は観光地であることを最大のメリットとして観光客の来場を期待していた。

ちなみに6日間の来場者数は541人で、内訳は男性193人、女性348人であった。一日平均90人であるが、カウントしていない人も含めると100人近くになると思う。狙い通りに来場者の3分の2は山手洋館巡りの観光客と思われる。外国人の来場者も目立った。外国語に弱い私としては何処から見えたことぐらいしか聞けていないが、東南アジア、欧米など多国籍にわたる。

山手234番館は昭和2年に建築された建物で、長年4軒のアパートとして使われていた。開催期間中ハワイに住む老夫婦がやってきて、写真展会場である2階ギャラリー部分の部屋に住んでいたと聞いて驚いた。80歳は超えているだろう夫人は懐かしさのあまり涙ぐんでいた。

仏像写真展のタイトル「慈しみと悲しみと」は私の永遠のテーマであるが、このタイトルがいいとお誉め下さった方も数人いた。40点の写真は九州から北海道に至るまで、全国行脚して撮り溜めたものであるが、「あっ!私の郷里の仏さんだ」などと若い女性を中心に懐かしがって見入る人も少なくなかった。

京都や奈良の誰もが知っている仏像と違って、知られざる地方の仏がこんなに沢山あるんだと、感嘆して一枚一枚丁寧にみていく人もいた。どうやって調べたんですか、どうやって撮影許可をもらったんですか、どうやって撮影していますか等々、質問も多く寄せられた。お一人お一人に出来るだけ丁寧に説明してあげたつもりだ。

また、仏像写真を撮るきっかけや撮影マナー、あるがままの姿で仏像と対峙してきた気持ちなどをお話ししたり、撮影時のエピソードも出来るだけお話しして、頷いてくださる来場者のお顔が印象的であった。

今回の写真展でも、NHKテレビで全国放送された福岡県前原市の大悲王院の千手観音が一番の人気で、「トイチよく来たな! この私が撮れるか!」と叱咤されてるような衝動に駆られ、全身に鳥肌が立つ想いで撮影した手ブレの写真が説得力のある一枚となった。

全国行脚して撮影した仏像は数えきれないが、展示の仏像写真は出来るだけ如来・菩薩・明王・天部など多岐にわたるよう配慮した。また、今回のギャラリーはスポットライトの効果もあって、うちの家族からも前回(浜松)より全然いいと言われた。印画紙も越前和紙を基材としたもので、しっとり感のある仏像写真にぴったりの風合いで表現出来た。この点は多くの方にお誉めいただいた。

最後に、私の郷里浜松からこの写真展を見るためにおいで下さった夜間大学当時のK先生ご夫妻、行きつけの小料理屋で学生アルバイトにきていたKさんが、長野県のご実家のおばあちゃん、ご両親と一緒にお見えになって、今回の仏像写真をとっても気に入って下さった。そのほか大勢の皆さんのご来場、感動のお言葉をいただいて、本当にやってよかったと心底思いました。

今年74歳になる私にとって、このような規模の仏像写真展はもう出来ないと思うが、身体の動く限りハチの家文学館やハチの家写真館の製本づくりをライフワークにしていけたらと考えている。



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