大分県 羅漢寺 五百羅漢
「般若波羅蜜多心経」略して般若心経を毎朝読経して22年になる。般若心経のエッセンスは何といっても「空」であろう。「空」は代表的な語句「色即是空」「空即是色」で知られる。
「色」とはあらゆる物体や存在を意味し、「空」とはそれらの実体を否定する語句とされている。その「色」に五蘊、六根などをかかげて、それらを否定する「不」や「無」の言葉が用いられている。
私たち凡夫は、とかく毎日あれこれ思い悩み、あくせく過ごしている。お金や物や地位などが思い通りに手に入らず、苦しみ悩んでいる。般若心経の教えは、そういう「名利」の追求を否定し、「無常・無我」、「縁起」や「空」を説く。
しかし、競争社会から隔絶した年金生活で75歳になろうという今、「空」とか「不」とか「無」ということについて深く考えるよりも、四苦八苦の中の「生老病死」について考えることの方が大きくなっている自分に気づく。
いまのところ平穏に生きていられるし、生かされていると思っている。心から神仏と家族のおかげと感謝している。「生老病死」の「老」は怖れることではないが、「病」と「死」は恐ろしくもあり不安が付きまとう。もしもに備えて如何に平静を保つことが出来るかが課題であるが、要は真に「覚悟」が出来るかどうかということであろう。
毎朝の読経にも、その覚悟を不動のものにする決意を込めて諷誦(ふうじゅ)したい。
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