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三密

2020年06月09日 14時57分18秒 | 慈しみと悲しみと

              大分県三重町 蓮城寺 千体薬師

三密というと、新型コロナウイルス集団感染防止の合言葉、「密閉」「密集」「密接」を避けることをすぐ思い浮かべる。非常事態宣言が解除されたが、引きつづき三密といわれる場所での感染防止が叫ばれている。

コロナの話ばかりの昨今だが、同じ三密でも仏教の世界で三密というのがあることを思い出した。いきなり難解な世界の話になるがちょっと触れてみたい。

秘密の仏教と言われる密教には、真言宗と天台宗があるが、いずれも加持祈祷を行う仏教であることに特徴がある。両手をいろいろな形に組み合わせて印を結び、口では真言という言葉を唱え、精神を集中させる。手は「身密」、言葉を「口密」、精神を「意密」とよんで、この三つを三密と称して密教のすべての行の基本になっている(三密の行)。人と仏は本来同じだと知るために、音と体と意識のすべてをかけて祈念するのが密教である。

我が家も真言宗であるが、僧侶のように三密を同時に行うことは出来ない。毎朝のおつとめの際は、亡き親族の供養とこの世に生きる家族の安全安心祈願、そして般若心経を唱え、大日如来、不動明王、弘法大師、薬師如来、地蔵菩薩のご真言を唱える。

弘法大師空海は、加持とは「仏の力が太陽の光のように人々の心に映ることを『加』といい、人の心がその光を感じることを『持』という」と述べている。毎朝のおつとめが私の加持祈祷であり、揺るぎない信仰心が仏と一体になっていることに気付かされる(と思っている)。



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