田谷の洞窟
横浜市栄区にある田谷の洞窟に行って来た。そこは真言宗定泉寺の境内にあり、正式名称は田谷山瑜伽洞という。全長1kmにも及ぶ人工の洞窟で、写真撮影禁止のため内部の紹介はできないが、真言密教の修行場として活用された地底の伽藍という表現に相応しい畏怖威厳の場所であった。
参拝の際いただいた案内パンフによれば、室町時代の開創で本尊に厄除身代り阿弥陀如来・不動明王・弘法大師を祀る。本堂にある厄除木魚を厄年の方は年の数、その他の方は二十一返たたき厄除を祈願し、歓喜大黒天のお鈴を振り招福を祈願することができると書かれている。二十一回たたいて厄除・招福祈願した。
洞窟に入るのは2度目のはずだが、いつ来たかは記憶が曖昧。平日の昼間からだれもいない中を蝋燭1本で入ったものの、ちょっと足早になっただけで蝋燭の灯が消えたりして、所々にある蝋燭の灯を借りて点けさせてもらう。途中から洞窟で突然倒れたらどうしようと不安にもなって、南無大師遍照金剛と弘法大師のご真言を何度も唱え、外の光が見えたときはホッとした。
日頃、家族や知人友人とともに、便利社会で何不自由なく暮らしていると、下界から隔絶された雰囲気の洞窟にいるだけで孤独感に苛まれたりする。ごくわずかな時間であったが、人と人との繋がり、共生があってこそ安心して生きられることを実感した。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます