ハチの家文学館

ハチの家写真館(http://hachinoie.exblog.jp/)の文芸版

空海の言葉2

2019年10月23日 16時17分39秒 | 慈しみと悲しみと

              真言宗大本山 東寺五重塔            

久しぶりに書棚の大法輪閣「仏教名句・名言集」を読む。仏教には様々な宗派があって、それぞれの開祖の名言がたくさんある。

わが家は一応真言宗で弘法大師空海の名句・名言をよく読む。その中の一節に次のような言葉がある。

『頭を剃って欲を剃らず、衣を染めて心を染めず』

比較的わかりやすい言葉で、頭を剃って形は僧侶になっても、肝心な欲をどうすることも出来ずにいることや、衣は僧の衣を身につけていても、心の方は全く仏弟子にはならないということ。

この言葉は僧侶に限らず、政治家や経営者など社会的リーダーと言われる人にも当てはまると思う。今の世の中、表面的に体裁を整えて、内面は二の次ということも多い。

かつてモノクロの時代は白と黒或いは灰色の3色しかなかった。ところがカラー時代になって、しかもテレビやスマホでいろんな色を自由自在に使えるとあって、自分自身や他人を簡単に染め上げることが可能な時代である。

カラー全盛時代のいま、もしも世界の何もかもがモノクロの世界に変わったら、人間は忽ちのうちに大混乱に陥ることであろう。例えば交通信号は赤青の見分けがつかなくなる。煌びやかな色彩に囚われず、白黒の見極めがどう出来るかが人間の才覚ということ。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿