酷暑の夏期シーズンゆえに、行列も少なかろうとの目論見は
早朝の高速船切符売場前で整理券が配布されている風景を見て脆くも崩れ去った。
高松駅構内にある連絡船うどんの開店が7時15分で無く、7時丁度
であったならば、私も間違い無く臨時便に乗船することになっていたでしょう。
満席の高速船に揺られること45分、豊島(てしま)上陸後、今度はシャトルバスに
並ばなければ成らない。が此処で取り出したるは、にわか雨用に
持参していた折り畳み傘。此が上屋の無い停留所では日傘として
大いに活躍するのであります。
バスは約15分で唐櫃地区の一番高い位置にある豊島美術館前停留所に着く。
実際の美術館ゲートは此処から少し坂を下った場所にあるのですが
この小高い丘から望める風景がすばらしい。
青い稲穂が風にゆれる棚田と豊島美術館、遠くの入り江には
左方向から湾曲した小さな岬。
叶うなら梅雨時、雨に煙るこの風景を撮ってみたいとの思いが募る。
こんな気持ちは直島では味わえなかったな。
しかし、なじょして、こげな美しい島に産廃を持ってくる気持ちに
なったべなぁ……きっと目の前の利に心を奪われ、周りの風景も見え
なくなんたんだなし。(八重の桜風に)
ゲート前で係員のお姉さんに貰った10:00入館の整理券を手に後45分
この場所で、太陽に照らされるのは敵わないなあと、付近を見渡して
みれば、坂を少し下った道路脇に擁壁の影が出来ている。
移動してみれば思った通り、時折涼しい風も吹いており誠に結構な
日陰でありました。私一人暫し寛いでいるのを見た他のグループも
何組か私の近くに移動してきました。
美術館内部は外から見るより遙かに広く、2~30人居ても悠々としており
それぞれ、自分の好きなポジションに立ったり座ったりして、床の小さな泉
から不規則に湧き出る水滴の各々が、まるで意志を持っているかのように
分裂と集合を繰り返しながら、流れるさまを鑑賞することができる。
入口で係員に「裸足になった方が良いか」と尋ねたら
「其の方が気持ちが良いです」と答えた通り、夏でも
多少冷たいホワイトセメント製の床が足裏に心地よい
(後に調べたら、延床面積は2,334m2もある)
bottle green(elderflower)¥500
此方の美術館も作品内部の撮影は御法度なのでカメラはカフェに入ってから
取り出すことになる(綺麗な写真集も買って下さいねと言うことか……買わないけど)
--museum data--
施設:豊島美術館(Teshima Art Museum)
所在:香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607
(しょうずぐんとのしょうちょうてしまからと)
(Yahoo!地図)
電話:0879-68-3555
作品:内藤礼「母型」
建築:西沢立衛