
朝日記110724 おはよう
参考記事:
朝日記230616 Humeanism ヒューム主義哲学 (その1)
みなさんおはようございます。
ラジオ体操会場へついたら終わっていました。
日課の散歩とスケッチをしてかえりました。
**徒然ごと
「東大入試に学ぶロジカルライティング」(吉岡友治著、筑摩新書)というすこし硬い本がありあます。
いまさら受験は関係ありませんが、きちんと考えることを受験生に教えている内容は、まことに普遍的で
いまさらながらに感心します。友人が、ごの本で、一番 おもしろいところは
「事実命題」と「価値命題」のところでした。
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これは科学的なものの考え方で、どうも日本人が 不得手らしのです。 戦争という事実をかんがえることと
戦争はしてはいけないから、考えてはいけないとが一緒にしてしまって、思考停止にしてしまう。このような
例はたくさんありますね。
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個人的には、事実と意見をわける発想にはずいぶん助けられてきたようにおもいます。
仕事で課題に取りかかり、すぐ、いろいろな事象や意見が出てきて、錯綜してきたときには、すばやく、ここに立ちかえることでした。
なにか調べごとをするときも、ことばの定義から見ていくところなど、まず事実から手ほどきをしていくなどで、思考を解放して、楽にしてくれます。そして、報告書などをまとめるときも楽です。経験的には この辺の矜持がしっかりしていないと もうアウトです。
そういうことを最初に考えたひとはやはりえらいなとおもいます。 科学的方法にしたのですね。
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たとえば、天動説と地動説は理論の上では 数学的には、どちらへの変換が利くという点では、どちらでもいいわけですが、ある座標系をとると人間の感覚としっくりくる。しっくりくるから なにが問題かがわかり、実証もしやすいということで 実証主義という思考上の転換が科学を生み、 中世の伝統世界を根本的に覆したことといえます。
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はなしは飛びますが、分子細胞学(Molecular Cell Biology)の進歩はすさましいものがあり、生命現象がつぎつぎと解明される過程にいます。 細胞などのような生命体で行われているみずからを再生する自己生産のはたらきに着目して、いま、これの仕組みや機能を、ひろくシステムとしみて、意識系や、社会系へ類推し、拡張して、その存在性を、明らかにすることを考えるとします。実際に、そういうことを考えている人ひとたちがいることを最近、知りました。
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仮に 社会系でそのメカニズムが発見されたとすれば、それはすばらしいことですが、まだ観測不能という線がつよく、実証する方法を見出だしていないようです。したがって 目下のところは社会科学にならないような気がしました。 ただ実務的には、丁稚就業やドイツのマイスター制度などで ひたすら親方からしつけられると云うことが生きてくるようにおもいます。
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おもしろいのは、社会の基本構成要素を人間ととらえるのでなく、人間相互のコミュニケーションであると考える学者がいて、その社会システムが継続し、消滅しないためには、その交流=交換からやりとりされる信号の中身が意味ある内容であるかどうかを判断する能力がはたらいていることが必要であること。 その機能が常にチェックしつづけることがシステムの唯一つの存続方法であるといったあたりでした。(Niklas Ruhmannというドイツの学者の名前がでてきます)
*意識系も その自己再生が、外から観測できるという保証に至っていないので、科学としては成立にいたらないとおもいました。 実証できないことを信ずるというのが宗教であるとすればかれらの世界です。 ただ 余生の年数がすくない老人にとっては、ひとが持っている意識の連続性とか、再生性とかを自己再生システムとして、思考をすることは、なぐさめとなるかもしれません
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荒井君が、社会学講座の「旧約聖書を読む」に通い始めたのは、この人類の古典世界で かれらの死生観を垣間見たいというのが 本音でありました。わからないということがわかればこれも、すごいことであります。
上の自己再生系システム仮説はその名を「オートポイエーシス」システムと呼んで いまも社会学の研究課題のようです。
**きょうの徒然事でした。
以上。
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