普通一週間に一回は、地下に設置している 洗濯機、乾燥機で洗濯物をするのが習慣に なっている。 十日ぐらいは、地下に降りていなかっただろうか。 地下に降りて行くドアは一階の廊下にもある。 開けた途端に嫌に湿気の多い空気が顔に当たってくる。 別に気にもしなかった。 階段を下りて何時ものように洗濯機の或る場所に行こうと した時、チラッと左の方へ目をやった。 蒸気とむっとした暑さがである。これは、唯事ではないと 、奥にある暖房装置の方を見遣ると、何の事ではない セメントの床が洪水になり、10センチぐらいの水が溜まっているではないか! セントラル暖房装置のパイプが破裂して暑い湯が噴出しているではないか。 あっ大変だ。128平米の地下室一面にヨーロッパから 相続した主人の家具や荷物が置いてある。 私の胸は早鐘を打って居た。それを敢えて制して、階段を上がって 静かな声で主人に伝えたのだった . . . 本文を読む