Excelマクロは広く普及して、仕事や家庭、世間一般でよく使われているのに対し、Wordマクロはそれほどでもないのが実状です。Wordマクロは、あまり使われていないようです。
ところが、Wordマクロは非常に便利です。
便利な上に、Excelマクロを作ることができるのであれば、Wordマクロを作ることも簡単です。Wordマクロは、Excelマクロと中味はほぼ同じなのです。ですから、覚え方、書き方、使い方もほとんど同じです。
両者の違いと言えば、異なるオブジェクトがあるというぐらいです。
ですから、便利なWordマクロは、もう少し一般に普及していいと思っています。
そのため、Wordマクロについての解説記事をこのブログに掲載してきました。
これまでのWordマクロについてのシリーズ記事を、よろしかったら覗いてみてください。
今回は、そのWordマクロシリーズの中の一つです。
今回取り上げるのは、「変数」です。今回は、変数の基礎を解説し、次回では、今回で取り上げなかった部分を記事にします。
変数は、プログラムの中で、頻繁に使用する必須の知識です。それではいきましょう。
【第1】 変数とは
変数は、プログラムの実行中に変化する値を保持しておくためのメモリ領域のことです。「メモリ領域」というと何やら専門的な知識がないと理解できないようなイメージを抱きますが、むつかしく考える必要はありません。
数値や文字列などの値を一時的に格納しておく保管箱です。そういう理解で、いっこうに支障ありません。「メモリ領域」と言うから、メモリのどこかに値が保持されるのでしょうけれども、それがいったいどこにあるのかを追求する必要など全くないからです。
値を保持しておく保管箱という理解でOKです。
【第2】 具体例
変数は、プログラムの実行中に変化する値を保持します。
例えば、プログラムの中で、
K = 20 * 10
と記述すると、「20×10」の計算結果を「K」という保管箱に入れておくことができます。
この「K」が変数です。そして、変数はプログラムの中で、いつでも利用可能です。
例えば、
N = K / 2
と記述すると、変数Nには「K÷2」という計算結果、つまり「100」という値が入ります。
【第3】 データ型
変数に格納されるデータの値は予測できません。マクロを使うユーザーが、変数に何を入れるかは、当然分かりません。自分だけが使うマクロであっても、将来の自分が変数に何を入れるのかは、当然ながら分かりません。
けれども、格納されるデータの種類は制限できます。
このデータの種類を、「データ型」と呼びます。
変数「K」に整数を格納すると決めたら、整数以外のデータを格納することはできません。
主なデータ型としては、次のようなものがあります。
ブール型 True又はFalseを保存する
整数型 整数を保存する
長整数型 整数型では保存できない大きな桁の整数値を保存する
日付型 日付と時刻を保存する
文字列型 文字列を保存する
【第4】 変数の宣言
変数を利用する前に、変数の名前とデータ型を明示します。これを「変数の宣言」と呼びます。
変数を宣言するには、「Dim」を使います。
例えば、整数型の変数Kを利用しようとするには、
Dim K As Integer
という形で記述します。これで、「K」という名前の、整数型の変数が宣言されたことになります。Integerは、整数型のことです。
以降は、変数 K には整数しか格納することができません。文字列や日付を入れようとしてもエラーになります。
【第5】 変数の名前
変数の名前は、マクロを作る人が自由に付けることができます。
ただし変数の命名には、次の5つの規則(制限)があります。
1 変数名の先頭は、数字又は記号以外であること
2 変数名には、スペース、ピリオド(,)、感嘆符(!)
その他の記号(@、&、$、#)を含めることができない
3 変数名は、半角であれば255文字以内であること
4 Visual Basic の予約語(関数、メソッドなど)と
同じ文字列を変数名にできない
5 同一の適用範囲内※で同じ名前の変数を宣言できない
(※ 「適用範囲」に関しては、次の記事で詳しく解説しています。)
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それでは、また次の記事で。
《2019年12月15日追記》
Wordマクロの「変数」に関する『続編・応用編』をアップしました。
⇒ こちらの記事をご覧ください。