目覚めよ、柳沢亜留(やなぎさわある)よ。我の声の赴くままに。そして全てを解決して見せろ
なんか理由わからん声が聞こえる、これは一体何なんだろうな?
すぐには解らない、しかし淡々とこの声の先に有るものが解る気がする。
俺はどうしてか悪魔という存在について考えてしまった。目を開けると、洋室のリビングに居た。
あれ?ここ何処だ?自分の家に居たのに?一体なんで?
目の前にはゴスロリの服を着た女性が一人居た
「お前は誰だ、俺をどうするつもりだ!!」
女性は俺の剣幕にびくともせずただ座っていた。一体こいつは誰なんだ?俺をどうするつもりなんだ?
「クククッ面白いのお我を見ても恐怖せぬとは、見事じゃな、我の名はアマンダ・ソーカル」
女性笑い、終わった後こちらを向き
「我と楽しいゲームをせぬか?」
「ゲームだと!!」
「ああ、そうじゃゲームじゃ。我が今からクローズドサークルなホテルを舞台にお主を使ってのぉ、事件を起こすんじゃ、そして何回か質問時間を設けるのじゃ。正解すればどんな願い事でも一つだけ、本当に叶えてやる、どうするんじゃ、やるのかやらないのかどっちじゃ」
「受けて立つ」
「まずは練習問題」
☆夢が島
俺の名前は柳沢亜留高校一年生
俺は朝目が覚めると、目覚まし時計を止めて起きる準備をする事に。しかし朝からなんだか元気が出ないな。
朝御飯食べないとな。母の柚希がキッチンで朝御飯を作っていた。朝御飯の香りが寝室まで漂ってきた。
もちろん旨そうな匂いだ。
今日はベーコンエッグとトースト、ミネストローネとゆで卵だ。
今年中三の瑠夏は反抗期真っ只中で、母にいつも文句を言ったり、ご飯を食べなかったり。もう手が掛かって仕方なかった。
夜は遅く帰って来るし朝帰りも多くて、父親の海斗にも反抗をするように。
いつもいつも、洗濯物を一緒にするなだとか、父親の入った風呂には入りたくないとか、本当に手が掛かる。
俺にも反抗するのだ、まあその都度鉄拳制裁をしているが、母も父親も何も言わない。
だから俺は無視されている。まあそっちの方がいいんだけどさ。
春の朝の爽やかな風と、ひんやりとした空気が気持ちいい。
「亜留、さっさと食べて学校行っちゃって」
「今日は創立記念日で、学校休みだぜ」
俺の高校は私立なので創立記念日がある、その日は休みなので、学校に行かなくても良い。
だから今日は自分の部屋でゲームをやることに。
「わたしこれから仕事だし、お父さんもわたしも帰るのが遅いの、亜留留守番してくれる?」
瑠夏の事は話題にも出さず、母と父親は空気扱いを徹底してやることに。
まあ瑠夏が悪いから仕方ない、反抗期だからってやって良いことと悪いことがある。
それを思い知らせるためだろう。
「解った、鍵掛けとく、瑠夏お前は友達の家に行ってろ」
「まじうざいんですけど、言われなくても帰って来る訳ねーだろ、まじうざいんですけど」
本当にこんなに手が掛かる妹は要らないよな。
全員出払い一人でゲームやっていると、玄関の方からチャイムが聞こえる。
玄関を開けると
「おっす、亜留俺様が遊びに来たぜーーイエーイ」
バタンとドアを閉めチェーンロックにした
「すまんすまん、テンション高すぎたな。本当に中に入れてよ」
こいつは数少ない俺の友達の泉川優大(いずみがわゆうだい)で、俺と同じ名神高校に通うクラスメイト兼親友だ。
優大を家に上げる事に。しかし二人きりだと淋しいな。
「俺様、亜留と一緒にゲームセンター行きたいなと、思ったりして」
ゲームセンター、二人でゲーセンか…まあそれもありかな…ありなのかな?ありだよな?
「ゲーセンかいいなあ、じゃあ行くか」
夢が島それは人口三千人の小さな島だ。そこに俺たちは住んでいる。
ゲーセンも夢が島にはあるが、少数しかないのだ。
ゲーセンに向かう途中で「きゃあー」と絹を裂く様な悲鳴が聞こえた。
声のする方に向かうと、人が倒れていた。ただ気絶してるだけだった。側には金属バットがある。
しかし悲鳴を上げたという事は襲われたという事だろう。しかし誰がなんの為に?
ふと周りを見渡すと、優大がこちらに向かってくる途中だった。
「亜留、どうしたんだ?急に走り出すからびっくりしたぜ」
優大はそう言うと
「おかしいな人は通らなかったぞ」
優大のその言葉の意味を理解するのに時間が掛かった、意味が解ると、謎しか無い。
この先は行き止まり、俺は倒れていた被害者に気を取られて犯人は奥に逃げたと思ったが、先は行き止まり。更に優大は人を見てない、不可能犯罪だった。まあ死んでは居ないが。
「おかしいな」
「質問タイムだ。まずどうやって犯人が逃げたかじゃな」
「質問していいのか?」
俺がそう訊くとアマンダは笑いながら
「質問タイムなんじゃから、質問して良いに決まっておろうが」
「まず、犯人は被害者自身か?」
「答えはNOじゃ。犯人は被害者ではない」
犯人が被害者じゃないなら、一体どうやって行き止まりの状況で俺にも、優大にも見つからずに逃げる事が出来るんだ?
「解った、犯人は被害者を何らかの薬を使って眠らせて、金属バットを置き、悲鳴を上げて駆けつける前に去った」
「まあ、正解じゃな、しかし事件は始まってはおらぬぞ、これはほんの腕試し。ここからSTORYが始まるのじゃ。事件現場はホテル、出入り不可の場所じゃ」
黄昏ホテル
今朝は早く起きてしまった。わくわくしている所為かなかなか寝付けなかったのだから、仕方ない。
今日は両親と俺親友の優大と一緒に、夢が島の離島にある黄昏ホテルに招待された。
本当は瑠夏も招待されていたのだが、反抗期真っ只中だから反抗して留守番すると言い出した。
まあ反抗期だから仕方ないよな。
みんながみんな瑠夏の味方ではない。
俺たちは今は船に乗っている所だ。
「きゃっほい、俺様が来たー」
と恥ずかしい事を言ってるのは、親友の優大だ。優大は中々の運動神経していて、野球からバスケ、サッカースポーツならなんでも御座れだ。
しかし優大は両親と凄く仲が良くて、すっかり意気投合してしまった
「優大先にホテルを散策しているよ」
ホテルを散策しているとカップルが腕を組んで歩いている。
男の方はスマイルアップみたいな顔で。女性の方はアイドルみたいな顔の女性だった。
「ねえ〜みかりん」
「な〜にゆうくん」
カップルはベタベタイチャイチャしている、人前では辞めて欲しいんだよね。
またホテルを散策すると一人の男子が居た
「君の名前は?」
「俺の名前は黒桐和幸だよ、今日は招待されて良かったよ。君に会えたから」
「そうか、僕は柳沢亜留だよ」
「亜留くんはどうしてここに?招待されたの?」
「そうだよ。招待されたんだ」
「じゃあ」
と言い分かれた。
黒桐君と分かれて一人ウロウロしていると放送が鳴った 「ご飯の準備が整いましたので、食堂まで。」
食堂に着くと、夕食が始まった。全員16名でそれぞれ食事をとっている。
明日は海水浴だ