日本版「魔王」

　　　　　　
　　　　　　自分の友人と義姉の不倫という事実に深く傷つき悩む芹沢


　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　「刑事さんは犯人が誰だか知ってるんですか？」と聞くしおり

　　　　　　黙っている芹沢・・・

　　　　　　「わかってるんですね？
　　　　　　　刑事さんはその人のこと憎んでいますか？」


　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　「わからないんです・・・その人を殺人犯にしたのは・・・俺だから・・・
　　　　　　　11年前俺があんなことさえしなければあの人はこんな事件を起こさずにすんだんです
　　　　　　　一人の人間の人生をこんなに狂わすことになるなんて、あの時考えもしなかった
　　　　　　　あの人と死んでいった人たちのことを考えるたびに・・・
　　　　　　　自分の過去を全部捨ててしまえたらどんなにいいか・・・俺は・・・」

　　　　　　「残酷ですよね・・・そんなにまで傷つかないと生きていけないなんて・・・
　　　　　　　そんな人生、残酷すぎますよね・・・
　　　　　　　もう誰もこれ以上傷つく必要なんてないんです、傷ついちゃいけないんです
　　　　　　　そのためなら私、どんなものが見えたって絶対逃げたりしません！
　　　　　　　だから、刑事さんも真実から逃げないで下さい」

　　　　　　しおりの言葉に力を得たような芹沢・・・





　　　　　　芹沢は義姉の麻里に葛西のアリバイを証言するように頼むが断られる
　　　　　　しかし、麻里は自分をかばってくれる葛西の思いを知り、アリバイを証言する


　　　　　　崩壊していく芹沢家・・・



　　　　　　葛西に容疑が晴れたことを報告した成瀬と警察署の階段で会う芹沢

　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　帰ろうとする成瀬の背中に声をかける芹沢

　　　　　　「真中友雄さん・・・」

　　　　　　ギクッと立ち止まる成瀬・・・

　　　　　　「すみませんでした、あなたにずっと謝りたかったんです
　　　　　　　11年前のあの日からずっと・・・
　　　　　　　死んで償うことも考えました、でも、ここまで生きてきてしまいました
　　　　　　　刑事になって悪い奴らを捕まえて人の役に立てていれば・・・許されるような気がしていたんです
　　　　　　　でも・・・それも間違っていました・・・
　　　　　　　あなたをこんな目に合わせたのも全部俺の責任です
　　　　　　　だから・・・なんでも・・・あなたの望むようにします
　　　　　　　死ねというならここで死にます・・・」


　　　　　　芹沢の言葉で痛みを感じる成瀬


　　　　　　「やめてください！
　　　　　　　いまさら何を言われても・・・結末は変わりません」


　　　　　　「あなたは俺をどうしたいんです・・・？」

　　　　　　「答えは・・・もうすぐそこにきています・・・・」



　　　　　　立ち去る成瀬とすれ違う芹沢と同僚の薫・・・手には赤い封筒が握られていた

　　　　　　驚く成瀬・・・

　　　　　　その封筒の中には、宗田殺害現場のシャッターから出てくる典良の姿が写った写真が！
　　　　　　そして、現場に落ちていた葛西のペンを透視したしおりから兄の犯行だとわかった芹沢・・・

　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　宗田殺害現場に落ちていた葛西のペンをしおりに透視してもらい、
　　　　　　それを落とした男が兄・典良だと知らされた芹沢




　　　　　　芹沢の父栄作から遺言書を作成したいと会社に呼ばれた成瀬


　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　「この11年、芹沢家のことだけを考えて生きてきました
　　　　　　　ありがとうございます、変わらず元気でいてくださって・・・」

　　　　　　成瀬の言葉に「えっ？」という表情の栄作

　　　　　　「落ちぶれることもなく、他人を犠牲にして・・・」

　　　　　　その言葉にハッとした栄作・・・11年前に訪ねてきた英雄の兄の姿と成瀬が重なった！
　　　　　　「キミは・・・？！」
　　　　　　・・・が、すぐに笑顔で「見事だ、あの日の言葉通り会いに来てくれた・・・」

　　　　　　意外な言葉に戸惑う成瀬

　　　　　　「悔しかっただろうな、キミの気持ちはよくわかる・・・」

　　　　　　「あなたは自分がどれだけ他人を苦しめたのか、考えたことがありますか？
　　　　　　　私はあなたを許せない！」

　　　　　　「自分のことはどうなんだ？
　　　　　　　キミもまた自分の目的のために他人を不幸にしている」

　　　　　　「・・・・・・・」

　　　　　　「11年前のあのとき、直人は英雄君を刺してはいない
　　　　　　　直人は私に必死でそう訴えた
　　　　　　　あれは不慮の事故だったんだよ・・・正当防衛にするしかなかったんだ
　　　　　　　真中友雄くん、あれは事故だったんだよ・・・」

　　　　　　動揺する成瀬
　　　　　　「そんなことが問題じゃない！・・・英雄は死んだんです！」

　　　　　　成瀬に向かって「すまなかった・・・」と深々と頭を下げて謝る栄作

　　　　　　居たたまれなくなり部屋を出る成瀬・・・


　　　　　　そのころ、直人によって典良は宗田殺しの参考人として警察へ連行されていた・・・



　　　　　　栄作とのことで混乱している成瀬は教会へ来ていた・・・
　　　　　　そこには聖母マリアに泣きながら祈っているしおりがいた

　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　背中を向けて出て行こうとする成瀬に

　　　　　　「成瀬さん、本当は迷っているんじゃないですか？」と問うしおり

　　　　　　「どんなに苦しくても、やりきれなくても、暗いトンネルから出てきてください・・・」

　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　「もう、戻ることはできない・・・」

　　　　　　「もう、や・め・て・・・
　　　　　　　あなたを思うと辛いんです、成瀬さんを思うと胸が苦しくなるんです
　　　　　　　あんなに優しく笑う成瀬さんが、こんなに恐ろしいことを・・・」

　　　　　　成瀬の目から涙・・・

　　　　　　「これが、僕の本当の姿です・・・」

　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　「そんなはずない！本当の真中友雄さんは弟さんを想う優しい人です！」

　　　　　　「僕は・・・真中友雄では・・・ありませんよ・・・
　　　　　　　名前も過去もすべて捨てたんです、英雄が死んだときから・・・」

　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　出て行こうとする成瀬の腕をつかむしおり

　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　「自分を捨てないで下さい、愛してあげてください！
　　　　　　　なぜそんなに自分を傷つけるんですか？
　　　　　　　あなたは、みんなに愛されるべき人なんです！！
　　　　　　　お願いします、もう、自分を苦しめないで下さい・・・」


　　　　　　
　　　　　　「僕には・・・愛なんて・・・必要ない！・・・」
　　　　　　しおりの掴んだ腕を振りほどいて出て行く成瀬・・・

　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　教会の外で慟哭する成瀬・・・　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　芹沢の元へ上司の中西が赤い封筒を持ってきた
　　　　　　中にはタロットカードが二枚・・・

　　　　　　「次のターゲットは・・・俺です・・・」




　　　　　ドラマの中盤から一気に盛り上がってきた「魔王」も来週はいよいよ最終回

　　　　　“魔王”と結末は変わらない？だろうけど、
　　　　　成瀬と芹沢の二人はいったいどんな言葉を発するんだろう・・・

　　　　　　




　　　　　　　　魔王　ep.10（1/5）
　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　魔王　ep.10（2/5）
　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　魔王　ep.10（3/5）
　　　　　　　　　　　　









　　　　　　
　　　　　　
　　　　　　１０話