「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」
を見てきた(4月3日まで)。
美術展ナビの記事はこちら。
時刻指定の予約制で、
あさイチの 9:30 入場を
予約していった。
9:15分くらいに着いて 200m くらい?の列に並んだが、
9:30 より少し前に開門されて、それほど待たずにすぐに
会場に入れた。
当日券も売っていて、
館内の列に並ぶと買えるようだった。
お目当ては、2017年から4年に及ぶ大修復が行われた
フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」。
修復が終わったのは昨年 2021年で、
修復後、ドレスデン以外での初公開だという。
日本人がいかにフェルメール好きかがわかる。
2011年以降に来日したフェルメールの作品情報などが
まとめられた記事もあった。
しかも、この後、北海道、大阪、宮城を巡回する。
宮城の展覧会が終わるのは 11月末なので、
それまで、ドレスデンではこの絵が見られない、
というのも、なかなかすごいと思う。
展覧会は、いつものように地下から入って、
1階、2階とあがってゆくのだが、
フェルメールの絵は1階にあって、
修復に関する映像展示も併せて見られる。
修復前の複製画も展示されていた。
修復前のものは、ドレスデンで見たし、
2005年に国立西洋美術館で開催された
「ドレスデン国立美術館展:世界の鏡」で
来日したときにも見ていて、
フェルメールの中ではかなり好きな作品の一つ。
修復後の作品は、フェルメールの死後に
壁の中に塗りこめられていたという
キューピッドの絵が復活し、
全体的なクリーニングの効果もあって、
細部まで色が明るく鮮やかになって、
フェルメールの緻密な作画が満喫できた。
特に、窓枠のラピスラズリの色と
窓に映り込む顔が印象的だった。
絵から受ける感じは、修復前とかなり違っている。
修復前の静謐な感じも好きだったのだが、
恋文を読んでいる、というテーマも明快になって、
フェルメールの絵の中でも
随一の傑作になったと思う。
今回現れたキューピッドの絵は、
「ヴァージナルの前に立つ女」の中のものと
同じものだと思う。
消された理由は不明らしいが、
当時、価値が高かったレンブラントの絵に
似せようとしたのではないか、
という説が紹介されている。
その他にも、テル・ボルフの「手を洗う女」、
メツーの「レースを編む女」や「鳥売りの男」、
コッドの「家族の肖像」、ヴァイヤンの「自画像」、
レンブラントが婚約者を描いた「若きサスキアの肖像」、
ホイエンやロイスダールの風景画、
ステーンの「母子像」、「カナの婚礼」、
ヤン・デ・ヘームの「花瓶と果物」、
など、オランダ絵画の良い作品が見られた。
逆に、それらの同時代作品と比較することで、
フェルメールの「手紙を読む女」の
光と影の対比の効果や、色彩感覚、
作画の精緻さがよくわかる。
また、ウィレム・ドロストの
「真珠の耳飾りを装飾品をつけた若い女」は、
フェルメールの「真珠の耳飾りをつけた少女(青いターバンの少女)」と
同じテーマで、興味深かった。
描かれた年代も 1654年頃と、1665年頃(フェルメール)で
それほど離れていない。
2階まで上がった後でも、エレベータを使えば
地下や1階に戻ることができるので、
全体を一通り見た後、もう一度1階に戻って
フェルメールを見たが、
朝よりは混雑してきていたので、
朝いちばん(か夜遅く?)で入るのが
お薦めだと思う。
図録は洋書のハードカヴァーのような
豪華なつくりで、ちょっと高かった。
上野公園は桜が満開で、
そちらも楽しめた。
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