日々の寝言~Daily Nonsense~

福永武彦「風土」

福永武彦さんの処女長編「風土」が
Kindle 化されていたので読んだ。

ずっと昔にも文庫で読んだはずなのだが、
すっかり忘れていた。

芸術論、人間論、恋愛論、がそのまま小説になっていて、
語り手が入れ替わり、時間の流れも込み入っていて、
結末も、さぁこれからどうなる?という形で終わっていて、
ちょっと観念的、技巧的に過ぎるかもしれないが、
とても気に入った。

人の心にはそれぞれの「風土」があり、
孤独の中で人は未知の風土に憧れる。

同じ作者の「海市」は、この作品の変奏曲で、
較べてみるといろいろ面白そうだ。

「月光」ソナタが無性に聴きたくなったので、
とりあえず手元にあったアファナシエフの演奏を聴いているが、
これはちょっと違うなぁ・・・

これはこれで素晴らしいのだが、でも、
小説のイメージに合うのは
もっと素直で若々しい演奏だと思う。

誰の演奏がいいのだろう?

でも、なぜ「月光」だったのだろう?
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