何もやる気が出ないので、
映画を観てきた。
上映時間の都合で、
「BLUE GIANT」ではなく、
「銀河鉄道の父」
映画『銀河鉄道の父』予告【2023年5月5日(金・祝)全国公開】
小さいときから宮澤賢治が好きなので、
賢治に関する評論などはいくつか読んでいて、
父親である政次郎さんと対立していた、とか、
実家の家業(質屋)が嫌いだった、
というような知識はあったが、
それゆえに、政次郎さんについては、
あくどい質屋のおじさん、という
先入観のイメージだけがあって、
ほとんど何も知らなかった
ということに気づかされた。
いろいろな衝突はあったにせよ、
賢治が病気になれば付き添い、
進学の希望も聞き入れて、
いろいろな面で支援を惜しまない
優しい父でもあったのだ。
確かに、そうでなければ、
あれだけ生活力が無さそうな賢治が
いろいろな活動ができたはずもない。
そういえば、
賢治が 37歳で亡くなった後、
たしか、宮澤家は、
浄土宗から日蓮宗に
宗旨替えをした、ということを
どこかで読んだ記憶もある。
もし事実ならなかなか
すごいことだ。
それだけ愛情が深かった、
ということではあるのだろうが、
賢治の行動の背景には、
その過剰な愛情?への反発、
ということもあったのでは
ないだろうか。
秀才の下に生まれた
天才の悲劇?
立派な大人として家業を継ぎ、
子孫を残して83歳まで生きた父と、
生きている間には
あまり評価されなかった
天才詩人として
37歳で夭逝した子と、
どちらが「本当の幸せ」
だったのだろうか?
などと問うのは、
無粋だろうが・・・
映画自体は、とてもよくまとまっていて、
役所さんや菅田さんを始めとする
役者さんの演技は上手だし、
ときどき挟まれる花巻?の風景も美しく、
優等生的な出来栄えで、
映画としての驚きは無かったが、
十分に楽しめたし、
たくさん泣かされた。
特に「雨ニモマケズ」のシーン・・・
菩薩行についての詩であることを
改めて印象づけられた。
妹「トシ」の葬儀での、
菅田さんの絶望的な
「南無妙法蓮華経」の叫びも
強く耳と心に残った。
思い出すと泣ける。
ラストシーンも洒落ていて、
「銀河鉄道の夜」の新しい解釈、
なのかもしれない。
オホーツク旅行が
全く取り上げられなかったのは
ちょっと残念だったが
予算の関係だろうか?
あと、ネットでも指摘されているが、
エンドロールの BGM で流れた
いきものがかりの「STAR」は
違和感ありありだった。
映画自体の音楽や音響が
かなり繊細なものだったので、
余計に、違和感が大きかったと思う。
映画の始まりと終わりに同じ
メロディーが流れていたと
思うのだが、その余韻を
静かに味わいたかったと思う。
ところで、この映画を製作しているのは
木下グループ、ということで、
PCR 検査の他にも、
こんなこともしていたのか!?
と思って調べたら、むしろ
こちらが本業のようだった。
もともと芸能マネジメントなどの
ビジネスをしていた木下直哉さん
(木下工務店とは無関係)が、
傾いていた木下工務店を M&A した
ということらしい。
生活に寄り添う総合生活企業、
ということで、介護、保育、医療、など
様々なビジネスを傘下に持っている。
面白い・・・
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