日々の寝言~Daily Nonsense~

まぶしい人々

養老孟司さんが、梅田望夫さんと平野啓一郎さんの「ウェブ人間論」の書評を書いていて、その中に、

「私は高度成長期に生きたからひねくれていたが、いまは時代がひねくれているから、一生懸命のほうに加担したくなる。若い人に「べつにー」とかいわれると、頭に来るほうなのである。若いんだから、なんでもいいから一生懸命にやりゃいいじゃないか。というと、テロになったりするから、厄介だが。」

という一節を見つけた。

「私は高度成長期に生きていたからひねくれていたが」
というところで、まさにそのとおり!、と膝を打った。

時代が勝手にどんどんと変わっていってしまう中で、
その行く末を心配し、それに迎合することに反発する気分が、
自分の中にも確かにあった、と思う。
それに、実際のところ、水俣病などに代表される、
大規模な公害問題などもあったし、
マルクスの社会主義も、まだまだ元気だったし。

だから、今の若い人の、超前向きな姿を見ていると、
「そんなに単純でいいのか???」とか思ってしまうとともに、
そんなんでいいなら、自分の屈折はなんだったのか???
などとも思ってしまうのだが・・・

でも、上のような反発ができたのは、
逆に、生き易い時代だったからで、
反発して、斜めに構えている、自分のような人間でも、
世の中が勝手に、それなりに豊な生活に連れてきてくれた、
ということだったのか・・・とも思う。

養老さんの言うとおり、今は、生き難い世の中だから、
かなり前のめりなくらいでないと、大変なのだろう。

自信に溢れた、素の自分をしっかりと持って、
世の中、世界と渡り合いながら、
経験値を高めてゆく。

ロールプレイングの主人公みたいだが、でも、
そういう人は、確かに、まぶしい。
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