日々の寝言~Daily Nonsense~

如月小春戯曲集

今日は、久しぶりに朝早く目が覚めたので、
今年の GW ももう終わりだなぁ、などと思いながら、
なんとなく本棚を眺めて、目に着いた
如月小春さんの戯曲集を手に取った。

1982年に新宿書房から出版された初版本で、
ご本人の直筆サイン入りである。

「家、世の果ての」と「ANOTHER」という、
如月さんの二大傑作が収録されている。

どちらも、何度か見ていて、
どちらも、未だに舞台の風景を
ふと思い出すことがある。

ただし、私の記憶の中では、
「家、世の果ての」は、対になる作品「工場物語」
と完全にごっちゃになっている。

スーパー不夜城は工場だし、
はな子と五郎は、はな子とミノルだし、
ブラッキーはハルノスケだ。

はじまりの、冥府のような場所に
閉じ込められているシーンも、
そして、ラストシーンの、とても印象的な
「都市よ! 老いたる都市よ!」も共通している。

降り注ぐ銀箔?とピンスポットの中で、
瀧川真澄さんが拳を上げて叫ぶシーンは
忘れられない。

瀧川さんは、如月さんの亡きあとを
実質的に引き継いで活動されている

もうひとつの「ANOTHER」は、
月並区の自動販売機が主人公?で、
都市における経験の「非リアル性」という、
仮想空間で過ごす時間が増えている現在に
直接つながるテーマを扱っているのだが、

冒頭の印象的な長いセリフ
「・・・で、寒い日っていうと決まって薄着をして
荻窪あたりまでうろうろ一人で歩いてみたくなるんです。・・・」
を読んだだけで、伊藤一尋さんが一人で語る舞台の
「雰囲気」が蘇ってきて、鳥肌が立つ。

「ボクハ ソンケイスル
 アメノヒモ カゼノヒモ
 ヂット タチツヅケル
 ジドウハンバイキヲ ソンケイスル
 ・・・」

伊藤一尋さんは、その後、TBS で
プロデューサーとして活躍された。
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