「風立ちぬ」に続いて読んだ。 同じサナトリウム小説だが、 こちらはもう少しシリアスというか、 自我のぶつかりあいの小説。 自我が溶け合うような瞬間を描いた 「風立ちぬ」が桃源郷だとすれば、 こちらは砂漠、とまではゆかないが、 ずっと暗い色に塗られている。 福永武彦の「愛の不可能性」、 「不毛な愛」にもつながってゆくような・・・