ジェイ・ルービンの村上春樹論。
それこそ星の数ほどある
村上春樹論の中でも、
最も優れたものの一つだろう。
個々の作品の成り立ち、
執筆過程などについても
詳しく書かれている。
村上さんは外国のほうが
素直になれるようで、
プライベートなことなども結構書かれているし、
米国の大学での自作解説なども優良な資料として
使われている。
日本の大学では
なんでやらないのだろう?
最も評価が高いのは
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」
「ねじまき鳥クロニクル」「海辺のカフカ」は
やや評価が低いようだ。
長編を書くときでも、
最初に計画を立てたりせずに、
自分の奥から物語を汲み出す、
という村上さんの流儀は、
巫女さんのようだ。
文学の神に仕える巫女さん。
男だから神主か。
浦沢直樹さんも、
漫画の神にお願いする、
というようなことを言っていた。
そうやって自分の奥から
物語を汲み出して、
それが人に語れるような価値のあるものになる、
というのはすごいことだ。
ストイックな生活は、
自分の精神の奥底を
豊かなものにしておくための、
禊のようなものなのかもしれない。
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