日々の寝言~Daily Nonsense~

資本の戦国時代

NHKスペシャルで、
新日鉄が取り上げられていた。

知らなかったのだが、鉄鋼の世界は、
いま、すごいことになっているらしい。

Lakshmi Mittal というインド人が、一代で、
世界中の製鉄会社を買収しまくっているらしい。
自社の株式をたくさん持っているので、
個人資産は2006年の世界長者番付第5位の235億ドル。
ソフトバンクの孫さん(31億ドル)よりさらに一桁資産が多い・・・

その戦略は、堀江さんのパターンと全く同じで、
買収+リストラによって企業価値を高め、
株式交換でさらに買収を進めてゆく、というもの。

自分で最初から創業するより、
できているものを買うほうが手っ取り早い、というのは、
言われればそうなので、需要と元手があれば、
うまくいっていない会社も復活するものらしい。

堀江さんと違うのは、世界的な鉄鋼需要を背景として、
会社の業績が着々と上がっているらしいことで、
だから、無理やり株価を上げなくても、
いまのところ、上の自己増殖サイクルが順調に回っているらしい、
という点だ。

そういう意味では、もととなるエネルギーは、
社会主義国の資本主義参加、特に、中国、
そして、インド、にあるわけだ。

風林火山ではないが、世界地図上で次々と
領地を増やしてゆく様子は戦国時代そのもの。

戦わねば食われる、という状況で、
新日鉄も、アライアンスを増やし、海外拠点も展開し、
なんとか戦う姿勢をとっている。
とりあえず、技術力がある、というのは強みらしい。

「資本の論理」で世界が大きく動いている、
ということが切実に感じられる番組のつくりだった。

いやはや、どうも大変な世の中だ・・・

なんか、こういう世界像と、その一方で、
「もっと上達する!テニス」みたいな世界と、
とうてい同じ世界とは思えない・・・

独占禁止法は、どうなってしまったのか???
国際的な戦いの前に、無力化してしまっているのか?

Mittal氏が神か悪魔か、というのは当たらないのだろう。
こういうやり方が合法的である限り、
それを試みる誰かは必ず現れる。

資本の力が、うまく働き多くの幸せを生むのか、
あるいは、結局はすべてを破壊し、悲惨な結果をもたらすのか、
それは、ひとえに、人間の智恵にかかっているのだが、
どうも、もはや人智を超えてしまった感もなくはない・・・
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