が叫ばれている。
「イノベーション」というのは、
社会・生活を変えるような「革新」なわけだが、
具体的に、これまでどんなイノベーションの恩恵を
受けてきたのか、自分の暮らしを振り返ってみた。
子供の頃は、まだまだ日本は貧しかった。
そこから、いわゆる「家電」
テレビ、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、
そして、自動車が普及して、
生活は圧倒的に便利になった。
ラジオ・テレビのおかげで、出かけなくても情報が
集められ、娯楽が得られるようになった。
テレビの前で炬燵に入ってミカンを食べる、
というのはずっと変わらないスタイルだ。
冷蔵庫も食生活へのインパクトは大きい。
洗濯機の恩恵を感じたのは、
もう少し大きくなって、独身時代に感じた。
掃除機は、便利だが、
まだ取り回しが不便で、だから
お掃除ロボットなどがまだ生まれているのだろう。
そうした生活を支えるための
電力やガス、水道のサービスインフラも
イノベーションだ。
自動車のおかげで、好きなときに
好きなところに行けるようになった。
新幹線やジェット機のおかげで、
遠くにも気楽に行けるようになり、
観光や仕事の幅が大幅に広がった。
道路や線路の整備も、
社会を大きく変える
イノベーションだったと思う。
団地が発明されて、多くの人が、
快適な住まいを、安く
手に入れられるようになった。
抗生物質が生まれて、
感染で死ぬ人は大幅に減った。
ウォークマンが普及して、
音楽が持ち歩けるようになった。
レコードが CD になって便利になったが、
もう今では CD も使わない。
PC が普及して、コンピュータが
家で使えるようになった。
携帯電話でどこにいても
連絡できるようになり、
待ち合わせ場所を細かく決めておく
必要性が減った。
ATM が普及して、窓口で待たなくても
お金を出し入れできるようになった。
クレジットカード、
Suica や Edi で現金を
持ち歩かなくて済むようになり、
支払いも速くなった。
インターネットが普及して、
メールや Web が発展して、
必要な情報を得られるようになった。
ネット将棋や YouTube でタレントが
発掘されるようになった。
通販は使っていなかったが、
amazon はあまりに便利で
すぐに虜になってしまった。
iPhone が出たときには、
普及するのかなぁとも思ったが、
あっという間に普及して、
スマートフォンで常にネットと
つながるようになり、
必要なときに、必要な情報を
得られるようになった。
テレビも、音楽も、Web も、
道案内、乗り換え案内、
買い物も、支払いも、
すべてそこに集約された。
ローンもスマホ完結の時代。
こうして見ると、やはり、
初期の家電製品以外は、
情報の取り扱いに関するものが多い。
IT によるサイバー空間でのイノベーションだ。
その根源にあるのは、
半導体技術とインターネット。
物理的な世界で最近のものというと、
たとえば、冷蔵や流通技術の進歩、
そして自動運転だろうか。
冷蔵技術などの進歩で、
冷凍食品やレトルト、インスタント食品は
ほんとうに美味しくなった。
この流れの先にある、
AI、IoT、ロボットによるイノベーションとは
いったいどんなものになるのだろう?
いろいろなことが言われたり、
報道されたりしているが、
正直、まだそれほどは実感できていない。
検索やお薦めも一種の AI で、
これは便利に使っている。
今までだったら絶対に見つけられなかっただろう
コンテンツや商品にアクセスできるのは
素晴らしいことだ。
ニュースも含めて、
個人化の便利さは日々感じている。
しかし、その代わりに、
どんどん自分の行動履歴が
吸い取られてゆくのは
やはり気持ちが悪い感じもする。
まぁ、便利ならいい、のかもしれないし、
良い面も悪い面もあるのだが、
「1984」の世界はもう来ていると思う。
医療診断の支援や、
契約書のチェック、ローンのチェック
なども AI が導入されてゆくだろう。
データの活かし方には、サービスの個人化だけでなく、
社会全体の知恵の拡大という方向もあるのではないか
と思う。
車の運転にこだわりはないので、
自動運転は早く普及してほしいし、
それで物流もさらに進歩すると思うが、
その一方で、すべてのサービスが
AI や ロボットに置き換わるとは思えないし、
あまりそうなって欲しくもない。
とすると、人によるサービスの質を
どうやって上げて、値段を下げるのか。
そこにおける、一番高いコストは、
人の教育なのではないかと思う。
そこをどこまで手軽に、誰もが
単に情報を得るのではなく、
知識を身に着けられるようになるのか?
やっぱり、そのあたりが今後の期待、
なのかなぁ・・・
日本は、ある意味教育レベルが高くて、
人手によるサービス水準や柔軟性が高かったから、
IT が導入されにくかったのかもしれない。
そもそも人手のレベルが低いと、
マニュアル化や自動化の必要性が高い。
そこが AI になることで、
少しは変わるのだろうか?
マニュアルがもっと柔軟になるとか?
教育期間がずっと短縮されるとか?
最近、ヨーロッパに行ったら、
ホテルのフロントが無人だった。
タブレットが置いてあるだけ・・・
その分、コストが下がっているし、
時間も短くなっているのだから、
日本も、ビジネスホテルは
そうなってゆくのだろう。
人手による高級サービスと、
機械による一般サービスと
二極化してゆくのは必然だが、
そのときに、人手によるサービスが、
あまりにも高くなって、
普通の人の手が届かなくなると
嫌だなぁと思う。
そこを AI や IoT による
教育コスト低減で支えて、
そこそこ居心地の良いレストランや
居酒屋のようなものが、
あまり高くはなく使えるといいのだが・・・
でも、人にサービスして、喜んでいただくのが
嬉しい人というのはどれくらいの比率
いるものなのだろう?
それは遺伝的にある程度決まっているのか、
それとも教育で変わるものなのか?
サービス業が苦手な人は一定の比率いると思うが、
それが多いようだと、多くの人は働かなくなって、
AI やそれを使ったサービスを作るような
デザイナやエンジニアの他は、
一日中、誰かが作ったゲームや動画や
音楽を消費して過ごすようになるのだろうか?
うーん・・・
やはり、よくわからない。
予想しようとしないで、
どうなって欲しいか、
どうしたいかを考えるべきなのだが、
結構、テレビの前でグダグダと
している生活も好きだったりするので、
> 一日中、誰かが作ったゲームや動画や
> 音楽を消費して過ごす
それに加えて、健康に良くてそこそこおいしいレトルトと、
若干のフィットネスなどで健康を維持して、
というのでもいいのかなぁ
などと思ってしまうのが問題か。
結局最後は、価値観、つまり、
他者経由の快=価値と、自分の体からの快=価値
のバランスの問題なんだと思うけど。
確かに、テレビの前でぐだぐだするだけだと
さすがに寂しいのかもしれない。
今は、横で一緒に見て、
くだらない話ができる人がいるからいいわけで、
そういう、自分の好きな人にサービスするのは
あまり苦にはならないし、歓んでもらうとかなり嬉しい。
自分の場合、その機会を増やすのと、
サービスの質の向上のために
AI を使うことを考えるのが
いいのかもしれない。
もう一つは、そういう生活を
安心、安全に持続可能にすることも必要だ。
そのために、どんな社会的なインフラが
あると良いのだろう??
そういえば、目立たないが、社会的インフラの
維持管理のために AI や IoT を使う
というのもあるなぁ・・・
こういうのは直接見えないから、
知らない間に、いろいろなところに
入り込んで、イノベーションが起こっている
のかもしれない。
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