日々の寝言~Daily Nonsense~

夏目漱石「それから」

Kindle で、「門」に続いて、
順番を遡って「それから」を読み返している。

夏休みの課題図書のようだ。

まだ途中なのだが、こちらはやはり
「門」よりもだいぶ楽しめる。
漱石の筆の乗りも良いと思う。

かなり凝った心理描写や、
文明批評、風刺なども効いていて、
漱石らしい考え方があちこちに
披露されている。

それにしても、主人公代助の
高等遊民ぶりはなかなかうらやましい。

人間の本来は、芸術などの自由な精神活動にあり、
食うために働くのは、必要からしかたなくやる下賤なこと、
というのは、半分賛成のような、反対のような・・・

まぁ、嫌なことを我慢して働かなくてよいなら、
そのほうがよいとは思う。

でも、全然働かないのは
生きがいのようなものがないだろう。

芸術も畢竟、誰かの心を動かすから
存在意義があるのであるとすれば、
それは働くことになるのではないか?

だから、働く-働かないというよりは、
どれだけ嫌なことを我慢するか、否か
ということのような気がする。

代助には我慢する気が無い。

自分も、表層的な快楽に弱いので、
そのあたりは結構共感する。

父親との関係として、
意見には従えないが、
論破することもできない、
というのもよくわかる。
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