韓国映画トガニの訴え、それは何?
現在、日本と韓国との間では、相変わらずだが、歴史問題も絡んで、以前にも増して、いざこざが絶えない状況にあり、果たして、今後両国が本当に手を携えてやっていけるのか、危惧するばかりの自分だが、それとは別に、何気なく目に留まってレンタルして来た韓国映画のトガニ。正直、震撼するほどの衝撃が自分の身体を突き抜けて、この世の不条理に対する怒りと悲しみが、身体の芯から込み上げた。
この映画。実話に基づくドキュメンタリー面もある為か、金まみれの薄汚さと薄っぺらな社会正義とが、やけに強調されて、思わず「ぺっ」と唾を吐きたくなった。それくらい、はっきり言って、後味が悪いと言うか、逆に言えば創られた勧善懲悪のハッピーエンド映画ではないところが、反って、観る者にそれだけ強い印象を残すのだろう。もちろん、例に漏れず、自分もその一人となった。そして、この映画が韓国国民の心を動かし、実際に、通称トガニ法という法律が制定されて、実話の加害者達に重罪が課せられたという。ただ、自分が思うに、こういう類いの、社会的弱者が食い物にされる事例は、氷山の一角であり、この根強く、かつ、普遍的な問題は、自分も含めて、一人一人が真摯に向き合わねば、解決の方向には決して進まないに違いない。人間の人間たる真実価値は、「実った稲穂が、頭を垂れる。」がごとく、こういった社会的弱者に保護の手を差し伸べることができるか否かにこそ、社会的強者とも言っていい、いわば金持ちの、理性の尺度が計られると思うから❗