”知財コミュニケーション研究所 知財コミュニケーター”® 知財活用コンサルタント・セミナー講師:新井信昭のブログ 

「社長! その特許出願ちょっと待った!」。「見せない 出さない 話さない」と「身の丈に合った知財戦略」で企業を元気に!

国内優先は万能に非ず 人工乳首事件

2011-07-12 06:05:16 | 知財経営コンサルティング

おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です.

本日は、国内優先権についてお話します。

実務ではよく使われる国内優先権。

ところが、正確に理解されていないようです。

国内優先の使い方の中に 『 実施例補充型 』というのがあります。

クレームは変えずに、実施例だけ追加するやり方です。

国内優先制度は昭和60年の改正で導入されました。

その当時の教科書は、吉藤幸朔先生の 『 特許法概説 』。

同書には、『 実施例補充型 』が国内優先活用の一態様として記載されていました。

しかし、それが場合によっては、出願日の繰り下げを伴わない、という判決が出ました。

平成17年の 『 人工乳首事件 』 です。

平成17年よりも前に勉強した方は、この事件をご存知ない場合が間々見受けられます。

絶対に捨ててほしい考え方。

それは、『国際優先使って後で補充すればいいや !』 ということ。

国内優先は、万能に非ず。

先の出願の充実を図る努力が必要です。

今日もお読みいただき有難うございます。

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