木彫りの鳥の独り言

ちょい悪爺の懺悔録

Tクルレンティス

2021年02月21日 | 独善偏見音楽鑑賞記
"校庭のパンジー名札付けて咲き"

こんにちは、皆さんお変わりありませんか。
当方あいかわらずコロナに気を遣いながら細々と暮らしております、、、
とはいえ、日課のウオーキングの道すがらこぶしの木には可愛いつぼみがふくらみ
寒風にはかなく揺れる桜の枝にも小さな花芽が見えだしました、春の予感です
まさに "満山の虫の子鳥の子春待てり" ですな。
政府の計画では桜が散り卯の花が匂い出す頃には高齢者のワクチン接種は完了とのこと
めでたくその暁には放歌高吟、談論風発、献杯返杯、酒池肉林、ン?まぁ溜りに溜まった
あれやこれやのストレスを解消といきましょう、まぁ楽しみな事です、フフッ
"冬枯れの売布の社の短冊や

さて音楽の話、、、
クラシック界の鬼才、テオドール・クルレンツィスの話題です、昨年は4月に来日公演が
予定されていて絶対チケットを確保して生で見てやるともくろんでいたのですが
コロナで見事にお流れ、そのかわり4月に彼らのベートヴェン5番の新譜が発売され
その古楽器オーケストラらしからぬ斬新な音色とテクニックに感心させられたものでした。
2/14 NHKBSプレミアムシアターで彼らの演奏が放送されその感想と以下そのプログラムです。
*ムジカエテルナ「永遠の光を」
おお 永遠の力よ ヒルデガルト・フォン・ビンゲン 作曲
ヴァイメ 作曲者名不詳
聞きたまえ 天の女王よ アレクセイ・レティンスキー 作曲
テリレム 作曲者名不詳
天使祝詞 作曲者名不詳
主よ あわれみたまえ 作曲者名不詳
英国の王よ 作曲者名不詳
<出 演>
合唱:ムジカエテルナ合唱団
演奏:ムジカエテルナ・ビザンティナ
指揮:テオドール・クルレンツィス
収録:2019年10月26日 サント・シャペル(パリ)

ステンドグラスが荘厳なパリのサント・シャペル教会、50人ばかりの聴衆が見守る中クルレンティスを
囲む形で静寂の中、黒ずくめの衣装のムジカエテルナ合唱団が歌い始める、1曲目「おお 永遠の力よ 」
から映像の美しさ、神秘的なコーラス、教会特有の圧倒的な残響音の美しさに引きずり込まれる、
Wikipediaで調べると作曲者は中世ドイツの神秘家、作曲家、教会博士、、、とのこと。
これはキリスト教の教会音楽という枠組みではなくクルレンツィスが作った音楽芸術として捉えるべき
なんでしょうな、コーラスのメンバーも東欧系美女ばかりうっとりしました。
2曲目「ヴァイメ」 作曲者名不詳 これは男性合唱
東方正教会に伝わる口承曲、言語不詳のため意味は不明であるとのテロップ、ぞくぞくします。
コーランの朗詠や日本の仏教の声明を感じさせる実に不思議な旋律、まさに東方世界の音楽です。
「テリレム」 作曲者名不詳と進んで、ドレミのようなビザンティン聖歌の音名を歌っているだけで
歌詞はないと、またまたのテロップ、男性コーラスの倍音のかかった荘厳としかいいようのない前半と
変わって後半ではテリレムと繰返し叫ぶように歌う男性リーダーがアラブの革命家達を惹起させるような
面構え、、、
あっという間に1時間余りがすぎメンバーが去って行くシーンとなり、改めて東方世界の音楽を強く意識して
発信するクルレンティスの芸術性に思いを馳せた次第です。
しかし、この映像はマイケルジャクソンの「スリラー」を初めて見たときのときめき以上のものです、、、
阪大の伊藤信宏先生なんかこの放送見て随喜の涙流してはるんと違うやろか?
NHKオンデマンドでも視聴できるはずです、興味のある方はどうぞ。
 ではこの辺で。

"都鳥橋のたもとで別れたり"

新年初雑記

2021年01月25日 | 日記
 "寒烏白き息吐き鳴き交わし
 久しぶりのブログ更新です、皆さんお変わりありませんか。

私は相変わらずしぶとく生存しております、何せ新年冒頭の会社の営業会議で
「あと5年は現役で頑張ります」とぶち上げたくらいのもんで、中には顔をしかめたやつも
いたような気が、、、使い古しの雑巾を絞るようなもんでいつ破けるかしれたもんじゃ
ないですが何とか折り合いつけてやっていきたいもんです。

コロナ禍で恒例の西宮えびす詣でも人出を避けて1/12に参拝、同じような思いの人も多いようで
結構賑わっておりました、帰宅して入浴時に左腕上腕部に派手な内出血のあとを発見、身に覚え
のないことと首をひねってましたが湯船につかる内に思い出しました、、、。
昨年末、12/26のこと、
自宅近くから中山連峰?に入り1時間余りかけて山中を通って中山寺奥の院へ行く山歩きのコースを
いつもとは逆方向の阪急山本駅に出るルートに挑戦してみました、朽ちかけた標識に「山本方面
送電線鉄塔が目印(急な岩場有り)」とあり1時間ほどいくと一人が歩くのもやっとの狭い道の先に
なるほど急な岩場のゴロゴロ道、成る程これかいなと納得しつつやっとの思いで通り抜けたところ
比較的新しい標識が目に入り、「この先宝塚ロックガーデン!」そのまま進むと,なななんと、、、
巨大な岩の滑り台みたいな場所が眼下に広がり、なるほどこれが急な岩場かいなとやっと合点した次第
この難所を降りていかねば下界にはいけないし、かといって引き返すのもしんどいしなぁという
ことで覚悟を決めて降りていきました、滑落して年寄りが死んだなんてありうるよななんて思いも
頭をよぎり、何度かズルリと岩場を滑り30分ほどかけてようやく麓の住宅街に生還した次第。
この時の恐怖の報酬がこの内出血と言う事で、、、
しかし年寄りの冷や水というかまるで私の生き様のようですわ、フフ。

 "雪降りて三日目の雪だるま
さて、独善的音楽鑑賞記です。
過日、ネーメヤルヴィ指揮エーテボリ響のシベリウス「レミンカイネン組曲」を聴きました
このフィンランド伝承の英雄叙事詩に基づく組曲ですがシベリウスらしい繊細さとダイナミックな旋律の
展開が好きで私自身かなり聞き込んできた曲です、愛聴盤のO・ヴァンスカ指揮ラハティ響と比べると
荒削りだけど、素朴かつ骨太な感じでこの曲の曲想によく合っていてこれはこれで有りだよなと思いつつ
N・ヤルヴィの息子のP・ヤルヴィ(現N響常任指揮者)のシベリウス交響曲集は聴いたけどこの人のは
聴いてないよなと思い探したところありました、N・ヤルヴィ「シベリウス:アンコール」と言うアルバム
収録第1曲目がフィンランディア 聴いてみたところ、なんで?と思うほどのできの悪さ、レーベルはBISだし
録音がまずいわけはない、どう考えてもアンサンブルはちぐはぐ金管の音は濁ってるし、中間部のフルートが
奏でる美しい旋律なんかも心に響いてこない、遙か半世紀以上前に高校のオケでこの曲を演奏したときに当時の
フルートパートの美女軍団が奏でてくれた至福の音楽には到底及びません、、、
まして2年ほど前に阪大オケで聴いたものと比べてもどちらがプロなのかと思うくらい、もっともこの時の指揮者は
確か日本のシベリウス第1人者である新田ユリさんだったはず、気を取り直して残る10曲を聴いてみたけど悪くない
まさに玉石混交です、しかしこのアルバム1曲目にこの曲を持ってきたのが間違いだよなとつくづく思った次第。
その阪大オケの定演が1/31豊中文芸ホールであるとのこと、、、孫も現役じゃないけどエキストラで出演するとの
事でチケット予約とってたけど、昨日メールで無観客で行うことになりましたと連絡が有り今回はYouTubeで生配信
と一定期間のアーカイブ配信を行うとの事、下記にアドレス拡散しときます。
https://youtube.com/channel/UCswES4qiObz57Ub9HpESzUQ

 "その昔チョコくれし人孫抱くや
今年のチョコの売り上げはどうなるんでしょうな
ではこの辺で、、、

"タイムゴーズバイ呟いてみる冬銀河


銀杏は手品師

2020年11月28日 | 独善偏見音楽鑑賞記
 "遊歩道金色(こんじき)に染め銀杏の葉"
 皆さんお元気でお過ごしでしょうか、あと少しで11月も終わり
思えばこれまで、今年はかって経験したことのない事ばかりがつづきました、、、

それでも健康に恵まれ適度に刺激的な日常を過ごせていることに感謝であります。
この半年余り日課となった強めのウォーキング(10~12km 13000~16000歩)ですが
このところは余裕でこなせるようになってきました、おかげで7kg超のダイエット
血圧も120^70とすこぶる順調、おかげさまでいささかおそがけではありますが
積年の自堕落な生活から足を洗い清く正しく生きていく、ほのかな道筋が見えて
きたような気がします。
そんな毎日の楽しみがウォーキングコースの景観です、このコースは結構な山道もあり
当然のごと、この時期は日々進みゆく紅葉の美しいグラデーションを堪能しています。
コースの最終地点の公園の長い遊歩道は銀杏の落ち葉が豪華な金色の絨毯となり
夕日の照り具合によっては一瞬息をのむほどに輝き、まさに銀杏は手品師なのであります。
このところ陽の落ちるのが早く、暗くなった公園のあちこちに積もった落ち葉が風にさわさわと
舞いちらされるのを見ると、20年以上も前に聞いた桂米朝師匠の落語「豆狸]を思い出します

"大部屋役者の市川右三郎は、いたずらをしてきた豆狸を仕返しに痛め付けた。
豆狸はイチョウの葉を金に変えて、右三郎の母親のところへ貝殻に入った膏薬を買いに通う。
しかし容体が思わしくなく豆狸は死んでしまう。  ある日、三津寺の境内で貝殻を
身体じゅうに付けた豆狸が死んでいるのが発見される、哀れに思った右三郎は経をあげてもらう。
夕暮れの境内、豆狸の死骸の上にイチョウの落ち葉がハラハラと落ちる、話のオチは
「狸の仲間から、ぎょーさん香典が届いたがな」
この最後のオチが米朝さんの人情味あふれる語り口で演じられてホロっとさせられました
ほんとに一度聞いたきりなんですが鮮明に覚えています。

"ブランコの銀杏は豆狸の供養かな"

さて音楽の話ですが、D・キタエンコ指揮 ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の
チャイコフスキー交響曲集というアルバムに出会いました、このオーケストラがケルンに本拠を置き
1827年創立でマーラーの3番、5番を自身の指揮で初演したというのもあとで知ったんだけど、、、
これが演奏良し、録音良し、構成良しの3拍子揃った文句なしの出来 2015年発売なんだけど日本の
音楽誌で紹介されたこともないし、所詮音楽雑誌の評論家なんて身内の褒めあいばかりなんで
自分たちのマーケットの商売に結び付かないものは完全無視なんでしょう。
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団はいいですね、触発されてマーラー3番、ショスタコビッチ6番、8番
も聞きましたが実に端正な美音と優秀な録音、おすすめです。
もう一つ、ケントナガノ指揮ベルリン交響楽団の児玉マリ ベートーヴェンピアノ協奏曲集
このアルバムでPコンチェルトNo.0というのを初めて聞きました、ベートヴェンらしい曲調なんだけど
1~5番に比べると情緒という面で欠ける感があるけど、今後演奏される機会が増えるかもですね。
それにしてもヨーロッパ、とくにドイツの音楽水準てすごいですね。
ではこの辺で

 "暮れなずむ山の半月晩秋や"

白鳥の田んぼ

2020年10月18日 | 独善偏見音楽鑑賞記
"マスクして密避け向かう湯殿かな"
長い事自粛していた旅行に先日行ってきました。
今年は3月に予定していた旅行をあのクルーズ船のコロナ禍の映像を見せつけられ
妻が船は怖いと言いだしてキャンセル、9月に予定していた金婚の祝いも中止、
私ども恒例の岐阜への墓参旅行もなし、、、
もうぼちぼちええじゃろという事でH交通社のSランクホテル&5つ星の宿で
過ごす夫婦フルムーンの旅という福島 山形 新潟 静岡名湯を巡るという
何やら脈絡のないツアーに参加、コロナ関連で悲喜こもごもの観光地を
巡ってきました。
おかげさん?でGotoキャンペーンで国の補助もあったり、予期しなかった
Gotoなんちゃらのチケットも貰えたりして
しかし "親方は日の丸の旅うさんくさ" はたまた 
"今しのぎゃ先はどうでもいいコロナ" なんて感じはするけど
断る事もないしな、、、

庄内平野で白鳥の湖ならぬ白鳥の田んぼをあちこちで見れました、しかし白鳥は
でかいし、ぎゃぎゃーとうるさいもんですな、それに比べりゃサギなんて実に上品で
美しいもんです。
けっこう贅沢な宿が続き、3泊目の月岡温泉の泉慶なんていう旅館は豪華でした
所蔵する絵画の展示がすごくてまるで美術館みたいで、添乗員いわくこの旅館は
昨年度ランキングで全国4位、明日泊まる宿はさらに上の2位との事で翌日向かった先は
伊豆の稲取温泉、よく考えたら昨年4月にここへ来たのをこの時点でやっと思い出した次第
いや頼んないもんです。    全国2位のお宿という事で楽しみにしてたんだけど
残念ながら期待外れ、夕食でお酒を頼んだら盃を持ってこなかったり、去年このブログで
書いたアワビの焼き物も別嬪のお姉さんが切ってくれるわけでもなし生焼けのアワビに
さんざんてこずって、まさにアワビの残酷焼き状態、部屋に帰ったら冷蔵庫の音がうるさくて
夜中に目が覚め朝まで悶々とし寝れない始末、、、
しかし思うに昨年ランキング2位の老舗旅館がこんな状態になっているという事は
やっぱりコロナの傷あとなんでしょうな、観光業界は大変だったでしょう早く立ち直って
欲しいものです、去年の11月、末娘(猫です)が逝ってから初めての旅、今までなら
旅の後半は猫のことが気になってソワソワしたもんでしたが、、、
ともあれ "税金で大盤振る舞い旅みやげ" という事で今回は楽しい旅でした。

先憂後楽という言葉がありますが、私の場合はだいたい先楽後憂というパターンが多く
楽しい旅が終わって帰ったら月末には税務署の立入調査、来月は監督官庁の巡回調査と
気の重い予定が入ってます、悪い事はしてないので気にすることはないんだけど
ねちねちと重箱の隅をつつくような事してる暇があるんなら持続化給付金の不正受給や
その他給付金の不正を徹底的に調査してほしいもんです。   
まぁ早く終わらせて白玉の歯にしみとほる秋の酒を味わいたいものです。

災い転じて

2020年09月16日 | 独善偏見音楽鑑賞記
"滑り台サンダルひとつ秋の暮れ

今日は、あたりいちめん秋の気配になりましたね、皆さんつつがなくお過ごしでしょうか。

さて特別な夏も終わりました、真夏のマスクはこたえましたね、経験したことのない台風とか脅されたり
でも第2室戸台風や伊勢湾台風の時にこれくらい警戒していたら被害はずっと少なかったかもしれません
これも社会の進歩といえばいいのか、しかしこれが寓話みたいな展開になっても困ります。

経験したことのないといえば、、、、
わたしこの何十年、「今日も咲け咲け明日も咲け」とほぼ365日酒を飲んで来ましたが、梅雨明けからこのかた
今日まで缶ビールを2本飲んだだけ、べつに断酒会に入ったわけでも願掛けをしたわけでもありません、
実を言えば、通っているジムが例のごとくマスク着用となり、バカバカしくなって6月に再開されてからも
休会していましたが、当然のこと腹回りがきつくなり、血圧も高め、そこへもってきて知人が脳梗塞で倒れたりした
事もあり一念発起、まずは一日最低一万歩歩こうと思い立ちその初日、夕食後ほろ酔い加減で歩き始めたけど
9500歩あたりでギブアップ、あくる日から晩酌をやめてしらふで歩いたところ実に快調、我が家の周辺のアップダウン
に富んだコースを気持ちよく完走(完歩というべきか)、、、それ以来、清く正しく美しく、1日に13000歩以上歩く
生活を送っています、昔たばこをやめたときはそのストレスで胃潰瘍になったりしたけど、今回はそんなことは
一切ないし、これもコロナ禍のおかげかもしれません、災い転じてなんとやらフフッ。

"登る坂下る坂あり秋の雲
"夜歩きの足を濡らすや秋の露

先月このブログに書いたバッハの無伴奏バイオリンソナタとパルティータ、あれから10人以上の演奏を聞きましたが
その中で印象に残ったのは五嶋みどりの柔らかく繊細な表現、イツァーク・パールマンの暖かく雄大な表現、
極めつけはヒラリー・ハーン、純粋無垢といえばいいのか、そのくせ真逆に計算されつくしたというべきなのか
音楽の表現というのはある意味人の感性、もっと言えば人格の表現でもあると思うんだけどこの演奏時、彼女は
まだ20歳にもなっていないはず、年齢なんか関係なく持っている音楽の才能の大きさが常人とは違うんでしょう
天才というのはこういうものなんでしょうな、シャコンヌなんか聞いているとたった15分ほどの時間が無限な長さの
悠久の時に感じるほどです、残念ながら非才の身その素晴らしさを上手く表現できないのが残念です。

"赤とんぼ変わらず来たり安堵かな