通訳案内士の気ままな生活

現役通訳ガイドのブログです。プライベートから気になる収入などの話まで!?包み隠さずお話します!

通訳案内士のあり方検討会

2010-02-28 00:33:02 | 通訳案内士のあり方
観光庁で通訳案内士のあり方検討会というのが行われており、
今週第4回を迎えました。

資料をみているとなかなか面白いのですが
やはり通訳案内士当事者と
当事者以外の方々とは考え方に開きがあります。
制度を改善していくにはこの開きを縮めていくことが必要でしょう。

大まかな流れとして
通訳案内士が使いづらい→
独占業務を撤廃してはどうか→
そうすれば留学生や、ボランティアガイドを合法で仕事に安く使える。

ガイドの数が不足→
違法ガイドが横行→
合法ガイドが生活できないので結局増えない。

などなど色々な議論がありますが
着地点は不明です。

一有権者として観光立国を目指す上で是非検討していただきたいのは
優秀で、国を代表するガイドを育てるには
どうしたらよいかということです。

ガイドはもっと営業努力をして
買物のアテンドなどの仕事をしたり
1時間単位で時給をで仕事をしたらどうか。
などという意見もあるようですが。。。
まあ、こういった発言をする人が
自分でその仕事をやりたいと思えるのかですね。
自分でやりたいと思える仕事でなければ
優秀な人は集まりません。
優秀じゃない人を国の代表にしたいなら別ですが。

日本だけのことを考えて議論をすると
話がおかしくなりますので
世界に目を向けて考えてみましょう。

例えば、私達庶民が海外旅行に行って
買物に付き合ってくれる通訳をいちいち雇うでしょうか?
そいうった通訳を雇うという行為自体が
裕福な方のやることなのでは?

お買物だけではないです。
プライベートのツアーでガイドを雇うのは
どこの国でも高いですよね。
僕も雇ったことなんてありません。
庶民は団体のバスツアーに参加するのが精一杯で
ガイドを個人では雇いません。
40人でガイド料金を頭割りすればたいしたことはありません。
でも、なぜ日本ではガイド料金が高いといわれてしまうのか不思議です。
人を一人自分のために働かせるなんてとても贅沢な話なんですが。

そして日本ではまだまだ流暢なバイリンガルというのは貴重です。
それだけで、料金が高くなるのはある程度仕方ないと思うのですが。。。
もしガイドが高いと思うのなら
通訳さんを雇えばいいのではないでしょうか。
それこそ1時間で1万円とか請求されると思いますが。


ガイドは皆、ガイドを”好き”でやっています。
今の制度はこの”好き”というとこから来る
ガイド個々人のホスピタリティーによって支えられているといっても過言ではありません。
皆さん、ガイドしかできない人達ではありません。
魅力が無ければそこまでしがみつく必要も無いのです。
一時間単位で安売りしてまでこの世界にしがみつかなくても
他の世界でいろいろできることはあります。
そこを勘違いした議論は意味がありません。


とにかく、ガイドを必要としている人達は
お金持ちの個人と団体旅行客であり
その人達に対して質の高いサービスが提供できるように
ガイドの質を向上させるシステム、
優秀な人材が定着するような魅力ある職業としての確立を図るには
どうしたらよいかという議論に集中するべきではないでしょうか。

それ以外の客層や業務などには多様なサービスが提供できるように
通訳案内士法の緩和を図るのも確かに手かも知れません。

一般の格安旅行者でも、誰でもガイドを雇えるようにしようとするのは
制度的に無理がありますし、必要ないです。
どこの国でも、そんな良心的なシステムはありません。
格安旅行者はパンフレットや標識、
観光案内所の充実などでカバーするべきです。
そして無償のガイドさんに対応をお願いすると。

ただ無償のガイドとボランティアガイドさんはまた意味が違います。
旅行会社などがボランティアガイドさんを利用して
利益を出すのは間違っています。

ボランティアではなく
企業や自治体が報酬を払い無償でサービスを提供するガイドをつくるべきです。
それは通訳案内士を雇用してもいいでしょうね。


と、色々議論は尽きませんが
一ガイドとしてはこの成り行きを見守りつつ
自分なりのガイドのあり方を考えて行きたいと思います

ガイドの置かれている状況が厳しいと感じる方も居るかもしれませんが、
僕はそうは思いません。
こういった検討会が開かれていること自体、注目が高い証拠ですし、
観光立国になる上での通訳案内士への期待がさらに高まってきていて
そのなかで重要な役割を担っていくことになるのではないかなと思っています
let's see...

英語で仕事ランキング