◇ 燃え殻 小説『ボクたちは みんな大人になれなかった 』◇
燃え殻さんの物語りは、孤高・・・な読後感で占められた。
二十代の瑞々しい恋というのとは遠く、恋人だった人のモノスゴイ熱量の爪痕を、
今もただただ慈しいと感じ続けている。
彼の社会生活は、暖簾に腕押し的な透明人間なのに、、
この恋物語りだけは、
手垢のついていない聖域だと。。独白しているように感じた。
誰に?
恋人だった人に・・・
未だに、燃え殻さんの柔らかい部分で、
生きてくエネルギーとなり発酵し続ける恋人の爪痕。。
彼女の言葉や振る舞いが、クッキリとした爪痕になり、
彼の一部となって<燃え殻さん>を、今も圧倒している。。
実年齢が40代半ばでも、青年のままの部分を抱えながら、
とっくに終わっている恋に、、想いを断ち切れない心を反芻している。
そこには、
20代の時と同じ想いか、それ以上強い想いが、そこかしこに居座っていた。
ワタシは、何とも表現できないため息を深く吐いた。
こんなに強い爪痕を残せる初恋に・・・
だって、
初恋は、決してハッピーエンドではないからさ。
そして
自分の初恋らしきものが、痛すぎた・・・ことを改めて想ったのも確かだった。
◇ チェット・ベイカー「愛しのバレンタイン」 ◇
「ボクたちは みんな大人になれなかった」中で、
燃え殻さんが彼女の事を夢中で話していると、
周りの人には
『よっぽど美人だったんだろうねぇ』と訊かれると、
彼女のことを
間違いなくブスだった。
彼女の良さを分かるのは自分だけだとも思っていた、と書かれていた。。
まるで、
「チェット・ベイカー「愛しのバレンタイン」の歌そのものだった。
(曲がリンクしてあるよ🎵ドキドキする曲ですから~)
聞き手のクソツマラナイ言葉の『よっぽど美人だったんだろうねぇ』は、
夢中で話しをしていた時間が、不毛な時間だった、、と、
なぜか、、読み手のワタシが不貞腐れた。
想い続ける心の深さを
顔の美醜や造形をモノサシにする幼稚な言葉は、うんざりだった。
愛おしいと思う根っこには、
良い匂いの言葉や
虚を突かれる行動力
ドキッとする視点
自分が相手に突き動かされた瞬間の横顔だったりするからだ。
一生残る爪痕とは、ちいさな感動が塊になって、心を締め付けるのだと思う。
おのれの初恋の惨敗は、
自分の美醜への思い込みや、相手に好かれたい一心の自分無くしだった。
相手にヒドイ!!と思ったあの時、
「君なんか、痔になればイイのに!!!」くらい切り返せたら、
どんなに後味が良かったのだろう。。と。
だから
この本は、色んな人の想いを掘り起こした一冊だと思う。
💛帯表紙 韓国ドラマ「私のIDはカンナム美人」💛
何度も何度も観返すしてるドキドキなドラマ。
これも
「愛しのバレンタイン」そのもののデス。
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