Salsa する?

Salsaの力を信じてます。
ココロの核にしみ込んで、カラダの芯が躍動します。

わたしの ノラねこ通り🐈‍⬛2話 トキメキの女王 ドラマスタイリスト西ゆり子

2024-06-11 16:17:13 | 

六本木TUTAYAトークショー 中央が西ゆり子さま

人は加齢と共に、
ナニかを思う熱を手放していく生き物らしい。
その熱の親玉は、トキメキ。。。。

だが一方で、トキメキを増殖させる人がいる。
それは人生の法則に逆行するもの、、
その筆頭だと思っているのは、楠田枝里子さま
ブログ"チョコレート物語。。楠田枝里子サマありがとう♪”

10年前、
このブログにも書かせてもらった彼女のトキメキは、
宇宙への大いなる好奇心と、
大好きなことへ、どれだけ時間を合理的に費やせるか。。という視点のみ。
そんな男脳の枝里子さまの存在を、全国区に際立たせたのが、
自ら司会する「なるほど・ザ・ワールド」だった。


👗なるほど・ザ・ワールドの起爆剤?!👠

毎週、オープニングに登場する枝里子さまは、
奇天烈で大きさの限界に挑んだ帽子。
はたまた
ドレスなのか、ラッピングなのか、、不明な衣を纏い颯爽と現れる。

毎週繰り出される視聴者の度肝を抜く出で立ちは、
枝里子さまのプラチナっぽい個性にピッタリはまった。

そして、
奇抜でスタイリッシュなコスチュームの発信基地は、
スタイリストの先駆者・西ゆり子さんだった。
当時の私は、
このコスチュームを発想した人は、如何ほどの変人かと、、
思っていたのだった。

記憶の片隅にあったナゾナゾが、解ける瞬間がやってきた。
2023年、去年の9月15日だった。


🌈トキメキ泥棒 スタイリスト西ゆり子🌈

長い人生の中、思いがけない感情に直面することがある。
どんなに大好きなコトや、心血を注いでるコトも、
すごく辛くなったり、少しづつ嫌いになったりする。

好きであるという、瑞々しい気持ちが薄れていく。。
自分の魂を掘り起こし、夢中にさせた感情が持続出来ないのは、
普通なのかもしれない。

が、
それは違う。

自分の心眼を曇らせているのは、日々に埋没してしまった自分だから。
一流と言われる人は、無鉄砲で大胆。
ピンチの時なんぞ、
脇汗をびっしょりかき、心臓バクバクでも、シレっと涼しい顔を通す。
ピンチを乗り越える度に、
守りに入らず、新しいフェーズでも、一か八かチャレンジする。
日々をサイコロに例えるなら「シロクノ丁」や「グニノ半」みたいに、
その時の運がついて回る。

そして驚かされたのが、西さんのスタイリストへの第一歩の真実。

デザイン事務所を辞め、芸能関係の仕事に就くも、
なかなかスタイリストへの糸口が見えなかった頃。

ある時、超売れっ子のスタイリストと出会い、
そのスタイリストは、ゆり子さまをプロのスタイリストと勘違い。
超多忙のスタイリストの代わりとして、仕事依頼をされた。
ド素人のゆり子さまは、即座にOK。
ひょんな間違いが、ゆり子さまの運命を一瞬で変え、
念願のスタイリストデビューを果たした。

運を味方につける人は、
こだわりが強いのに、なぜかストライクゾーンも勇気もデカい。。

と、
ここまでは私は読んだエッセイの中での<西ゆり子さま解析>。

こっからが、本番。
やっぱり、
この人はあの<なるほど・ザ・ワールド>の時に感じた異形があった。

🖋️トキメキの女王、降臨👑

六本木TUTAYAでの<西ゆり子トークショー>イベントは、
小気味良く静かに、エッセイ本の編集者は型通りの段取りを踏んでいた。
だが、
ゆり子さまの繰り出す言葉で、編集者の予定調和は軌道を外れ、
その一方で、
ゆり子さまのてらいのない言葉は、
イベント参加者たちの心を篭絡していった。
参加者は、99%女性。

ゆり子さまの言葉は、出だしはチョロチョロ、中盤からは元々のターボエンジンが始動。
そこに集った女性が切望する言霊をバンバン放った。

人生の山を 上手に下りなくてもイイ


   下りる時が来たら、考えればいい

それまでは 生きてるコトを楽しめばイイ

    自分の機嫌は自分でとる



🐈‍⬛わたしの ノラねこ通り🐈‍⬛

西ゆり子というスタイリストは、いい意味で異形だと思う。

誰かをお手本にしてるわけではなく、
自分のトキメキを信じ、突き進んでいるから。



    唐突な感想だけど、
        この人、モテるんだろうなぁ。。。。と、ふと思った。

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わたしの ノラねこ通り🐈1話 老人ホームで死ぬほどモテたい

2024-05-15 10:51:22 | 

幼い頃から、ずっー---と信じてたことがある。
それは、
大人になり、年を重ねるとイヤだったことや悔しかったことは、薄まってラクになる。。
そういう未来を信じ、大人の階段を上ったり、滑ったり、息切れしたり。

自分のコトは、自分が一番よく知ってる、、と。

が、
現実はまったく違って、こうやって文字に起こすまで自分ノコトを知らなかった。
ブログのような赤の他人が見て読むモノに、
自分ノコト、心の傷の瘡蓋を晒してみて、初めて自分が見えてきた。

それでも、どうしても書きたくないコトも多々あり、
自分にとって地雷になるものは、慎重に避けて書かなかった。
それは、わたしの薄暗い聖地だから。

そう確信している私に、バズーカ砲のような一冊の本が現れた。
本のタイトルが、超シュール。
しかも
短歌、、という私と無縁過ぎる世界。

ソコに綴られた文字は、淡々と切なく、
支えてくれるバックグランドがない孤高の寂しさがあった。


💎1話 上坂あゆ美「老人ホームで死ぬほどモテたい」💎



読めば、30分で読めてしまう本。
次々と読み進めると、訪れる闇に抵抗すら出来ない子供が思春期の女の子へ。
短歌は小説のように物語りを描き、薄暗い闇の中で大人への階段を探していた。

そこから時を経て、
忘れてしまいたい…そんな記憶の機微を
大人になった筆者が、
切れ味のいいメスで、自分の心から鮮やかに短歌というツールで抉り出した。
たった何行かの言葉に込められた理不尽な感情は、
上坂あゆ美の血肉にとなって、強烈なエネルギーを発していた。

わたしは、言葉の裏側に微妙に盛られた毒にやられていた。
この女、エバンゲリオンみたいだ、、すごい!


  死んだらさ紫の世界にいくんだよ スナックはまゆうの看板みたいな

 
富士山が見えるのが北と言う教師 見える範囲に閉じ込められて

  ぜんぶ燃えちまえと思ってプリエする もうすぐ夜がわたしを選ぶ

沼津という街でxの値を求めていた頃あっていればな



大体はタンパク質と水なのにどうして君が好きなんだろう


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煩悩の万華鏡 垣谷美雨/老後の資金がありません 夫の墓には入りません 夫のカノジョ

2021-12-21 20:01:01 | 



朝、洗面所から
左大臣の『あ””ぁぁぁぁぁ------』という嘆きが轟いた。
彼の前歯が突然折れたのだった。
この5年間、
歯医者の柱一本くらい貢献したと思われるほど、
家人の歯はガタガタの状況。
超高額のインプラント2本とブリッジなどの支払いが、
まさに終わったばかり。
我が家の家計は、
居住22年のマンションのリフォームと歯の治療費で、
家計のイテテテ感はハンパじゃなかった。

なのに、間髪入れずに前歯が・・
折れた前歯はショウガナイ!と気持ちを立て直したはずが、
歯科医の診立ては、左右4本差し歯にという強烈なボディブロー。。
結局、
入歯はヤダ!!!という左大臣の抗議に、
またもやスペシャルな差し歯を作ることに。

予期せぬ大出費・・・
小説の世界で笑い飛ばしていた物語が、
マジで我が家にも降りかかってきた。
 日本国民を絶望させたお国の指標は、、
 老後、年金支給+2000万円=80歳くらいまでの必要経費。

ふと思い出したのは、垣谷美雨さん「老後の資金がありません」
読めば、
ハラハラドキドキで、こりゃ大変だ~~~と、他人事だった。
ワタシの老後の見取り図には、
物も劣化するが、自分たちも劣化
=預貯金大出費の現実を掴み切れていなかった。

家もある
ローンなし
我が母は介護施設
今のところ、身体機能は低空ながらも日常生活を送れている
左大臣も超肥満だが、なぜか元気。
猫家族と楽しく暮らす日々

コレを憂うのは、どう考えてもオカシイ、、かもしれない。

普段から物事を斜に見ているはずの自分が、
<老後>という寂しい響きに、煩悩の万華鏡が反応してしまった。。
まるで垣谷美雨の小説の主人公のようにだ。

◇男はきっと読めない、、垣谷美雨の物語◇

垣谷美雨さんの物語に魅かれるのは、
全ての人が抱える煩悩を、小細工せずに書き上げるところ。

難しい言葉や美しい修飾語で綴らず、
<突撃隣の晩ごはん>的な描写は、
女性の視点でバッサバッサと斬りこんでいく。

嫁・姑の微妙な空気感。

嫁いだ日から感じる、血の繋がらない家族との外様感。

なのに、
一緒の墓には入らなきゃいけないという葛藤。

夫の不規則な行動に、不信感を募らせる日々やら。

この難問は着地点がなく、どこかで折り合いをつけないといけない。
ココをお見事に描いたのが、この三冊。
軋みながらも、なんとか回っている家族が、
死別・子供の独立・優しい嘘から歯車が狂いだす。
普通の家族が必死に隠したい内情に、読者の走馬灯も回りだす。

垣谷美雨の見事なスパイシーな手法で・・・


🔰「老後の資金がありません」

超高級介護施設に入居の姑、
長生きしすぎて何億もの老後資金が尽きた。
長女と嫁のすったもんだの駆け引きの末、
長男夫婦の家に姑が同居することに。
嫁と姑の微妙な空気感でお互いが息も詰まる思いだった。
が、ひょんな事から
二人は家計の苦しさを脱するため、
詐欺まがいなことでお金を手に入れる。
この事がキッカケで、
枯れ木のような姑は不思議な活力を取り戻し、
嫁姑には罪悪感より強い連帯感が生まれた。
このままデンジャラスゾーンに突入するかと思いきや、
自分たちの迷走の間違いに気づき、家族の再生に向かっていく。

このデフォルメ感が凄いけど、心に光が射す。
今こんな閉塞感を持つのは、自分たちだけではないと。
是非とも男性にも読んで欲しいかな。。

💎「夫の墓には入りません」

嫁ぐ女の宿命は、最終的に夫の家の墓に入ること。
骨だからカンケ―ないっしょ!っと思えない、
長ーーーーい確執と人間模様がある。

いい嫁は理想だが、
実は、
いい嫁=使える都合良い女とも言える。

当たり障りのない夫婦生活が、
ある日
夫の急死で、結婚当初から夫に秘密があった事を知る。
夫婦は一番近い存在だが、
秘密は一番知られたくない存在なのかもしれない。
夫の死が齎す、一人身の女への世間の漬け込み方にゾッとさせられる。
色んな他人の思惑を肌身に感じ、
いい嫁から、本音で生きたいと願う妻の心の変化。
女が強くなるのは、無理もない、、と思えるのだ。

そして
樹木葬を望む人が多くなってきてるのも、分かる気がする。

♛「夫のカノジョ」

垣谷美雨作品を色々読んだが、一番好きな物語。
使い古された設定だが、
妻と夫のカノジョと思しき二人が、魂が入れ替わる。。ヤツ。

結婚も長くなると、相手の良かった所も日常に埋もれ忘れてしまう。
そんな時、
夫の行動に不信感を抱く妻。

浮気?!


妻は直接対決しようとカノジョを呼び出し、
いざこざする内に、とんでもない天罰が下る。
なんと二人は、入れ替わってしまう。

妻とカノジョは、
お互いの生活や夫の仕事、苦境やその背景を知ることに、、

お互いの見た目は、淡々としてたり、突っ張ってるようでも、
見えない部分では必死に踏ん張っている。

妻もカノジョも入れ替わって色んな物事が見え始める。
二人は、初めて本気で生きようと足掻き始め、
妻は夫への曖昧な気持ちが、リスペクトに変わっていく。

小説は架空の出来事なのに、なぜか身に覚えのある事ばかり。。
垣谷美雨さんの物語に、諭された。
輪郭のない不安は、なるべく持たない方が幸せなんだと。


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ドえらくタフな17歳の小説家 鈴木るりか「さよなら田中さん」~「太陽はひとりぼっち」~「私を月に連れてって」

2021-07-04 12:58:36 | 

鈴木るりかという作家を知ったのは、
矢部太郎氏の作品について、色んな方面で活躍する人たちのコメント欄だった。
核心を突く言葉にドキッとし、この子は何者??と目ん玉が真っ黒になった。
しかも
コメントの主が15歳、、
この子の書く物語を読んでみたい!!!と。

鈴木るりかのデビュー作「さよなら田中さん」
↑鈴木るりか 14歳の小説家「さよなら田中さん」~「14歳、明日の時間割」
イッチョ前に、この二冊を分析( ..)φ

母子二人、
厳しいお財布事情でも、誰かを羨むわけでもなく清々しいほど明るい。
娘は母を誇りに思い、母は誰よりも逞しく娘を思う。
「さよなら田中さん」は、
忘れてた温かいモノを「ハイ♪」と手渡された感じだった。

読後感は、澄み切った青空のような気分。
5年後、、
鈴木るりかは、どんな光を帯びた物語を書くのだろう。。と
好々爺のように目を細めていた。

が、
ワタシの目は超節穴だった。

るりか様は、
健やかな身体と頑丈な心で、
「さよなら田中さん」をとんでもなく深く掘り起こしていた。
14歳から17歳というモヤモヤした思春期の真っただ中で、、

◇続編「太陽はひとりぼっち」~◇

続編「太陽はひとりぼっち」では
主人公花実は、小学生から中学生へ。
母と娘は、揺るがない絆で、貧乏ながらもいつも笑って暮らしていた。
中学生になった花実の心のモノサシは、
小学校で生徒たちにドン引きされた、木戸先生の独り言のような言葉だった。

木戸先生の言葉は、
花実が対峙する現実の複雑さを、金の斧、銀の斧のように切り開き、
思春期の心の襞に、成長の証のように刻み込んでいく。
ところがある日、
母と娘に黒い染みのような隠された過去が見え隠れし始める。

その黒い染みの表面は読者に見せるものの、根っこは明かされぬまま。。

そして物語は終わった。。と思ったら、第三弾「私を月に連れてって」が出た。

◇エッーーーーー!?第三弾「私を月に連れてって」◇

ハッキリ言って、第三弾の衝撃は大きかった・・・
色んな現実が迫っても、それを母娘は乗り越えてきた。
るりか様は、ココで超難問を提示した。

「さよなら田中さん」~「太陽はひとりぼっち」と、
曇りのち雨でも、
物語は必ず大きな青空を魅せてくれていた。

それが最後の下りから、黒い染みを色濃く落とし始めた。
読んでいる途中から、
田中さんの母の太い言葉の数々が、浮かんだ。

ゲッ、、、、、、
ココに辿り着くための布石が打ってあったのかいな、、と慄いた。

るりか様、この後どうするの・・・と思いきや、あっという間に読了。
そして
この物語は、きっとココで終わらないはず。と思い込むワタシがいた。

💙gumrieのささやき💙

鈴木るりかさんが、凄過ぎる。

14~17歳という思春期は、楽しくもあるが、自分の事で複雑怪奇。

綺麗な子や可愛い子に、どす黒い嫉妬をしたり。
親への感謝なんて遥か彼方に押しやり、
顔のパーツの不出来さを嘆き、親を恨んだり。
雨の日の長くつに入る己の脹脛の太さに絶望したり。

目の前の日常で、いっぱいいっぱい。

なのに
るりか様は、村上春樹氏のように物語を着々と創り上げていく。
ワタシが思うに、
晴れ渡った物語に、理不尽な黒い染みを落とすことが出来る人は、
健やかな身体と
強靭な心を武器として持っていないと、描けないものだと思っている。

村上春樹氏もそう。。

だが全く違うのは、17歳だということ。
るりか様の強靭な心が、どう向かうのか、、
次作をひたすら待ちたい。
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漫画の実力 益田ミリ…天使と女のパワーなり! 蛭子能収氏の迷路。。

2020-12-29 16:46:29 | 

私の小学校時代は、漫画全盛期。
クラスの女子は、
絵空事の美しい物語りにハラハラしたり、うっとりときめいたり。。
そんな夢見る時間は、中学校に入ると受験と偏差値という壁を前に、消滅。
親たちがこぞって、漫画=悪者のように扱い始め、
いつの間にか漫画のワクワク感を忘れてしまっていた。

そして
大人になり、奥さんになり、漫画とは無縁の人に。。

その無縁の私が、矢部太郎氏「大家さんと僕」で大人の絵本に出会った。
矢部さんの実生活を描いたものだから、当然リアリティー感満載。
胸の奥にあって、
向き合わないようにしていた孤独感や諦めを、
矢部さんの頼りない線の絵が、見事なコントラストで描いていた。

それは私が現因不明の入院中、
不安と孤独がピークになり、活字を読む気力もない中で、
唯一勇気づけられたのが、、矢部さんの漫画だった。

そして、
あんな漫画には出会えないだろう、、とも思っていた。
なのに、ひょんなことから出くわした漫画があった。
それが、益田ミリさん。

なぜか最初に手に取ったのが、エッセイ「前進する日もしない日も」。。
読み進めると、
益田ミリさん自身は、チョット気弱で繊細、少し生きづらい人なのかな…という印象。
それに加え、
自分の漫画についても、自虐的に淡々と書かれていた。

エッセイを読むうちに、猛烈に彼女の漫画が気になった。

その漫画が、「週末、森で」。


◇漫画『週末、森で』社員研修に?! 天使と女の合体◇

女30代半ば、結婚から少し遠ざかる。

女で、独身という社会からの括りに、焦る、、

女だから出てくる<生きづらさ>に戸惑う日々。

女一人の自立生活に立ちはだかる孤独の壁

未来への不安をなるべく後回しにしたい・・・

これらは、益田ミリさん描く漫画のキーワード。

だが
『週末、森で』は、
独身女性たちの状況を、空から鷹が俯瞰するような感じで描かれている。
生活のため、歯を食いしばって生きる日々に、
人はシアワセを感じるために生きてるんだよ。。。と。

恩着せがましくなく、同じ目線で。
ページをめくると、
足元しか見れなかった気持ちが、もうちょっと先に目を向けなきゃ、、と
気持ちが変化していく。

時間に追われ、枝葉末節な事にこだわっていると、
大事なことを見落としてることは、少なくなかった。。。。


**物語り①**

会社でクタクタになり、アパートへの帰り道、
母親の誕生日であることに気づき、何も送ってない事に気づく。
アレコレ思い巡らし明日の昼休みに、デパートから送ろう!!と思いつく。

でも
母親が本当に欲しいのはプレゼントじゃなく、遠く離れた娘の電話だと。
母娘のなんとはない会話が終わり、
オリジンでお弁当でも買って帰ろう・・・と思っていた気持ちが、一転、
野菜をたくさん入れた料理を作って食べよう!と変わる。
娘が、ちゃんと野菜をたくさん食べることが、親孝行だと気付くのだ。

*******************************

当たり前のことじゃないか、、と思うかもしれない。

こんな当たり前のことが見えなくなっているのが、今なんだと思う。

益田ミリという作家の優しく逞しい感覚は、
モヤモヤしたモノに遭遇すると、
『自分がよく分からないものには、近づかない。。』と一刀両断してくれたり、、
30代以降の女性にとって、揺れる心のつっかえ棒みたいな感じなのだ。

そして、
読者だけではなく、企業の目にも留まった。
この漫画を社員研修に使っている会社があると云う。
<人を育てていく>ということが、企業にとっても言葉でくどくど云うより、
漫画の方が心に残るということなのだろう。

そんでもって、私にとって、
こんな素敵な漫画を描ける益田ミリさんの印象は、天使だった…ある時までは。
それがガラッと変わったのが、彼女の小説『五年前の忘れ物』。
そこには、
女の恨みの晴らし方や、肝の据わった決断、女心の邪まないやらしさなどが、
ギュっと詰められていて、なかなかのオンナアラカルト。

読み終わって、益田ミリという作家がもっと好きになった。
無印良品みたいなシンプルで、リーズナブルで、平均点以上の人ではなかった。
もっとドロッとしたモノも抱え、内なる魂も血のように赤々と燃えていた。

天使の言葉を持つ、生身の女だからこそ、心に沁みる絵が描けるのだと思う。



そして、
もう一人エールを送りたい漫画家がいる。

◇描いて欲しい漫画家 蛭子能収氏◇

今年、蛭子さんは、
レビー小体型認知症とアルツハイマー症に罹っていることを発表。
そのため、レギュラーの旅番組も降板。

台詞を覚える俳優業は無理なため、
スタッフに見守られながら、タレント業を細々と活動している。

インタビューでは、
蛭子さん自身は、物覚えはもともと良い方ではなかったため、
以前と比べ極端に変わらない、、とのたまう。

変った事と言えば
以前は、人に感謝なんてしなかったし、言葉にもしたことがなかった。
なのに最近は、
「ありがとう♪」という言葉をよく口にする。。と。

この話に思わずエッ?!!!となった。
私の母と全く同じだったからだ。

蛭子さんも身勝手極まりない人だというが、母もそうだった。
しかも
同じようにルビー小体型認知症とアルツハイマー症を発症していたため、
蛭子さんの言葉には心底驚いた。

見守る家族にとって、
本人の変化の目まぐるしさについて行けず、翻弄され疲弊してしまう。

蛭子さん自身もその変化について語っていて、
母がよく言っていた<空虚な時間やカラッポの空間が頭の中にある>という。

私はそんな母に苛立ち、怒ったりヒステリー状態に陥った。
今だから、
蛭子さんの言ってる意味が分かるが、
見守る側は頭では理解しようとしても、どんどん荒んでいく。

そして、
蛭子さんのアルツハイマーの進行はまだ緩いため、漫画を描けば?と云われるが、
本人は手っ取り早く稼げるタレントで頑張る。。という。

諸事情はあるだろうと察するが、蛭子さんの今を書いて欲しい、、と願う。
アルツハイマーに正解も不正解もなく、どこまでも難解な病気なのだ。
見守る側にとっては、
真っ暗な海に放り出された感覚は、途方に暮れる、、の一言。

人がギリギリの精神状態の時、文字を追う気力もない。
だが漫画は、警戒心が薄れるためか、目で追っていく。
たかが漫画だが、漫画の凄い所はココにあると思う。

これは勝手な陳情だが、
蛭子さんの今を描くことは、多くの人を救う力になるのではと本気で思っている。


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