ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【展覧会】ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見 ―

2024-12-28 00:00:00 | アート・文化
工芸文脈から観に行ったほうの観客です。
ポケモンはあまり詳しくないのですが、時折目にするキャラクターの
デザインが秀逸(ピカチュウが全方位カワイくてすごいとか)だなと
以前から感じていました。

観ている間は、美しくて、かわいくて、たまに怪しくて、
時々とても"お気に入り"な視覚を発見して楽しくなったり、
並行で技巧の凄まじさに鳥肌立てたりして、見飽きることがありません。
順路逆行を禁じているのも納得です。
写真たくさん撮ったけれど、現物に勝るものなし。観られてよかった。

帰ってから反芻するに、
昔から工芸に幻獣をモチーフにした意匠や像は数多あるのだから
なるほどこれはそういう流れの上にあるのだということと、
ポケモンというデザインが様々な創作者の創作意欲を掻き立てる
すばらしいコンセプトなのだということに、思い至りました。

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ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見 ―
麻布台ヒルズ ギャラリー
2024年11月1日~2025年2月2日
https://www.azabudai-hills.com/azabudaihillsgallery/sp/kogei-pokemon-ex/ 麻布台ヒルズ ギャラリー
https://kogei.pokemon.co.jp/

(2024.12.28)

※2025/1/4 更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。

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【展覧会】テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする

2024-11-30 00:00:00 | アート・文化
コンランショップで知られている、テレンス・コンランです。
多才にびっくり。
バイタリティにびっくり。
楽しく過ごすこと、おいしく楽しむこと。
常に何か描いている、ずっとデザインしている。実体化、実践している。
本人が置かれた状況は実際にはわからないけれど、作品に映るのは、
楽しむ時間を紡ぎ続ける生き方。

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テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする
2024年10月12日~2025年1月5日
東京ステーションギャラリー
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202410_conran.html

(2024.11.30)

※2025/1/4 更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。

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【展覧会】ルイーズ・ブルジョワ展

2024-11-25 00:00:00 | アート・文化
母親への依存とか
生家を離れることへの罪悪感とか
父親への拒否感とか
子をもつこと 子を見ること とか

精神の深いところに落ち込んで浮上できない短からずの期間の
そこでぐねぐねごりごりと重たいものを練って練ってでてくる表現は
他愛ないようでいて神経を直接触れてくるような、映さずにいられない何か

それでいて時々とてつもなく(クラシカルな)美しさがある

クラフトの表現 布とボタンとビーズと造花、あみぐるみ、ぬいぐるみ頭部も

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ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ
森美術館
2024/9/25~2025/1/19
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/bourgeois/index.html

(2024.11.25)



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【展覧会】特別展「はにわ」

2024-11-22 00:00:00 | アート・文化
これほど大量で幅広いはにわを観る機会はあまりないだろう。

展示演出と解説も分かり易く、見るべきところを余さず見ることができます。
ものすごくたくさん写真を撮りました。

やっぱり、動物系がたまらなくカワイイ。

カワイイの要素は、ぽやっとした印象の目元口元、末端が小さめの手足、
小さいしっぽ、とか。(建物の精緻さはすごいと思うけどカワいくはない)。
これは幼児の描く人や動物の特徴と近いかもしれない。あどけなさ。

現代人の眼には、武人もカワイイのだけれど、当時はこれは勇ましいもので、
この表情はこう造らざるを得なかった定番表現(手わざ的に科学技術的に)
なのかもなぁ、とも思いました。

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挂甲の武人 国宝指定50周年記念 
特別展「はにわ」
東京国立博物館 平成館 特別展示室
2024年10月16日 ~12月8日
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2660
https://haniwa820.exhibit.jp/

(2024.11.22)+もう1回行きました

※2025/1/4 更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。

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【展覧会】田名網敬一 記憶の冒険

2024-11-04 12:00:00 | アート・文化
すごいエネルギー。
細部までしごとがきれい。コラージュも描出も。
絶対手先が超絶器用な方だ。

空襲中の記憶、女の死体、旋回する爆撃機、焼夷弾に照らされた金魚、
そういう鮮烈な記憶と体験を持つ時代の画家
60年代の”自由”と規律のせめぎあいのころにもっとも活動的だったと思われる時代の画家。

すごいし、きれいだし(安らがないけど)、モチーフの記憶は残るけれど
なにが描いてあるのかが情報過多で入ってこない感じは、森にいるのと似ているかもしれない。
森のようなものを、まったく森らしからぬ表現で再現しているすごさ。

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田名網敬一 記憶の冒険
国立新美術館
2024年8月7日~11月11日
https://www.nact.jp/exhibition_special/2024/keiichitanaami/index.html

(2024.11.4)

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【展覧会】藤原信幸退任記念展~ガラス造形20年の軌跡~

2024-10-12 12:00:00 | アート・文化
ガラスのふしぎ。
技術のすごみ。
表現の独創。

きれいなもの、興味深いもの、いろいろ拝見しました。

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藤原信幸退任記念展~ガラス造形20年の軌跡~
2024年10月8日~10月20日
東京藝術大学大学美術館 陳列館
https://museum.geidai.ac.jp/exhibit/2024/10/fujiwara-glass.html

(2024.10.12)

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【展覧会】田中一村展

2024-09-29 12:00:00 | アート・文化
神童と呼ばれた8歳くらいのころの作から既に、
画面から花や枝葉がこぼれだして来るようで、それは晩年まで続く。
モダン。構図が、筆致が、細部が。未だ鮮度高い。

ニューロン揺さぶる感じの、静なのにダイナミックな。
あたかも直感で描いているかのような、自然が持つ迸るエネルギーを
そのまま引き写したような筆致であれど、それを裏付けているのは
とてつもない量のスケッチや習作。

以前、千葉市美術館で観たとき(2021年1月)よりも更に、
時代とのフィットが高まっているのでしょう。益々すごい。

イマのわたしたちが感性の中央を貫かれるような感動を覚えるというのは、
今から60年以上前では、早すぎた、のかもしれない。
いっぽうで暮らしの中の知己と絵で喜ばせる場面も多くあったようで。
落選したという「秋晴」立ち去りがたく。

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田中一村展 奄美の光 魂の絵画
2024年9月19日~12月1日
東京都美術館
https://isson2024.exhn.jp/
https://art-ap.passes.jp/user/e/isson2024?utm_source=organizer&utm_medium=web-site

(2024.9.29)

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【展覧会】ヘラルボニー・アート・プライズ 2024 展覧会

2024-09-01 12:00:00 | アート・文化
思うさまに描かれたような様々な表現は
うつくしく、細密だったり荒々しかったり静謐だったり、
時々不思議なところもあり魅力的。

ちょうど解説ツアーをなさっていたので活動や背景も拝聴。
聞けてよかった。フォロー。

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HERALBONYArt Prize 2024Exhibition
ヘラルボニー・アート・プライズ 2024 展覧会
三井住友銀行東館1階 アース・ガーデン
会期2024年8月10日~9月22日
https://hb.heralbony.jp/heralbonyartprize2024exhibition

(2024.9)

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【展覧会】草乃しずか日本刺繍展 源氏物語を花で装う

2024-09-01 12:00:00 | アート・文化
メインは源氏物語を表現した刺繍表現の振袖の数々、
それ以外の様々な花を刺したフレーム(天井画のよう)、
洋装の服飾、キャラクターとの組み合わせなど様々。

日本刺繍の表現の幅広さ奥深さ、美しさに心躍る。

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草乃しずか 日本刺繍展 源氏物語を花で装う
日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール
2024年8月30日~9月16日
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/kusano_shizuka/index.html

(2024.9)

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【展覧会】シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝

2024-08-25 16:30:44 | アート・文化
陶芸とアスファルトで描いた作品がとても素敵でフロアを何度も回遊してしまった。

つくることと、記憶を預かること。
両方ともが、ぶっとい軸となって、
どちらにも拠りすぎず、両面どんと押し出す(しかし静謐)な展示構成。

持ち続けられず、でも捨てがたく「どうにかしてほしい」と願われているモノ。
作品と行動で願いを昇華する活動。
胆力と信念のようなもの、思い、が静かで余白のある展示空間に満ちている。

会場フロアに敷き詰められた焼き物とか。手ざわりやさしく数がすごみ。

時をまとう手ざわりのあるものたちを、暮らしから掘り出し、引き受け、可視化し、保つ。

民藝。

日本の民藝と共振がありつつも、少し違う感じがするのは、
もうちょっと踏み込んでいるというか、
モノに対する美的感覚以外の、社会軸での私的価値観(信仰とか
そういう次元に近い感じがする)が立ち上っているところだろうか。

追記:建物の活用型保存の事例を読んでいると、お金を扱うことのセンスもすごいと思う。

ボッテガ焼・黒い器の肌合い、「7つの歌」アスファルトとエナメル、タール・ペインティング、
マチエールのようにあらわれる味。細部にあちこちお気に入り。写真が可で有難し。

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シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝
森美術館
2024年4月24日~9月1日
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/theastergates/index.html

追記:年表面白かった!
追記:ショップに常滑焼(美)

(2024.8.24)



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【展覧会】日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション

2024-08-25 16:02:55 | アート・文化
量と幅とひとつひとつの重量感が圧倒的。

高橋氏がコレクションを始めたのは1997年という。
ワタシの社会人として過ごしてきた期間と重なっていて、
なにをどうしたらこういう選別眼と蒐集力が成立するのだろうと、
感嘆とか敬服をみぞおちの下の方に静かにふつふつと沸かせつつ。

精神科医であることが、コレクションに加える判断の基調にあるのかもしれないし、
展覧会解説にあるように高橋氏の過ごした時代と体験が基盤になってるのでしょう。

一作一作のメンタルへのインパクトが大きくて、
でも傾向は様々(作家にもよるし、作品が語る時代にもよる)、
ゆるやかにボディーブロー※を受け続けながら観覧を進めていくので、
なかなかに消耗しました。
※懊悩や混乱だけでなく、美しいとか幸せとかカワイイのインパクトもあるので
 必ずしも痛いわけではなく。発するエネルギーの基調が高い感じ。
 美食であっても消化にエネルギー使う食もあるのと似ている。

3.11関連作品の重み。

最近の作家には初めて拝見するものも多くあり、発見のお裾分け。心躍ります。
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日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション
東京都現代美術館
2024年8月3日~11月10日
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/TRC/

MOTコレクション展、特に「竹林之七妍」とてもよく。
もう少し時間を取って行けばよかった。
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-collection-240803/

(2024.8.23)

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【展覧会】大地に耳をすます 気配と手ざわり

2024-08-18 14:28:20 | アート・文化
「気配と手ざわり」の副題が表している通り、作品そのものの美しさや
愛らしさ峻烈さとともに、その背景にある、作品がそのかたちに至った
時間も含めて、感受することができます。

制作過程を示す映像もとてもよく。お時間確保しての観覧がおすすめ。

出品作家さん(五十音順、敬称略):
榎本裕一、川村喜一、倉科光子、ふるさかはるか、ミロコマチコ

この5名の方で構成を編まれたというのが、観る方としては
とても充実した体験を得られて、ありがたいことでした。

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大地に耳をすます 気配と手ざわり
東京都美術館
2024年7月20日~10月9日
https://www.tobikan.jp/daichinimimi/outline.html#enomoto

(2024.8.18)



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【展覧会】デ・キリコ展

2024-08-18 14:26:34 | アート・文化
形而上絵画。
遠近法の意図的な破綻。
"いつもの"モチーフの、構成、再構成、再構成。
独自と古典とを行き来する表現技術。

哲学への傾倒、戦時に"表情"(ないけど)が抜け落ちた表現を見ていると、
心理を描いているように思われるけれど、晩年はちょっと違うなと。
何を描いているのかな?と暫く進みながら、なるほど遊んでいるのかなと。

初期の肖像画の着衣の生地の質感の豊かさ、
マヌカンに現れる縫い目とおぼしきステッチや、刺繍にも見える星印、
関節や幾何図形の鋲のような小丸は、
クラフトにアンテナが立つワタシには興味深いところでした。
後年、造形を多く成されているのと関係あるのかどうなのかしらん。

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デ・キリコ展
東京都美術館
2024年4月27日~8月29日
https://www.e-tix.jp/dechirico/

(2024.8.18)

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【展覧会】神護寺―空海と真言密教のはじまり

2024-08-10 14:05:11 | アート・文化
両界曼荼羅(高雄曼荼羅)を間近で。
息をのみ、つい細部を見つめながら視点を動かし続けても、
視界に入りきらない4m×4mの"世界"が観るものの観念を覆う。

後世につくられた曼荼羅図像の細密な写し。線画も美しい。

紺紙金字ほか、文字の姿がありがたみを纏う経文の数々。
空海の筆による記録書類。←かっこいい。すごくかっこいい。

かの、伝源頼朝像ほか肖像の名作の並びが続き。

日光月光菩薩を両脇にした薬師如来像、五大虚空菩薩、四天王、十二神将、二天王。

たいへんに見応え。

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創建1200年記念
特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」
東京国立博物館 平成館 特別展示室
2024年7月17日~9月8日
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2649
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/jingoji/

(2024.8.9)


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【展覧会】TRIO パリ・東京・大阪

2024-07-21 14:03:38 | アート・文化
パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館のコレクションから
さまざまなテーマ・視点の下、トリオ展示を構成。

たのしいたのしい。
表現と、意味や意図や方法に「へぇぇ」と、
発見をしながら散歩していく感じ。

そういうのを徹頭徹尾、名品づくしでやっちゃえるところが
さすがの3館なのでしょう。贅沢。

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TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション
東京国立近代美術館
2024年5月21日~8月25日
https://www.momat.go.jp/exhibitions/558
https://art.nikkei.com/trio/ticket/

(2024.7.20)


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