ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【歌舞伎】歌舞伎座 壽 初春大歌舞伎 2025年1月

2025-01-04 09:51:23 | 歌舞伎
松竹創業百三十周年
壽 初春大歌舞伎
歌舞伎座
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初春大歌舞伎、曽我物で新春気分上がり、加えて
昼・夜とも現代作娯楽味+定番作しっとりじっくり深みでとても満足。

・封印切、圧巻。鴈治郎さん忠兵衛と扇雀さん八右衛門のなめらかかつ緊迫の遣取。
 孝太郎さんの梅川はたまらなく愛らしく。Wキャストなのですね。逆も観たい。
 井筒屋おえん・魁春さん治右衛門・東蔵さん、気骨と弱さの絶妙。
・二人椀久、尾上右近さん・久兵衛、壱太郎さん・松山太夫、
 二人椀久ってこんなに軽やかだったろうか、と。…史上最高エアリー(ワタシ比)。
 薄絹がふわふわと風に舞うように、柔らかく儚い。
・曽我は配役見ずに臨み、答え合わせ楽しむ。朝比奈の身体のキレに誰?と目を瞠り
 「右近さんでしたか!」。巳之助さんの五郎と米吉さんの十郎。
・陰陽師、幸四郎さん晴明と勘九郎さん博雅、原作より人物温度高めもしっくり。あと百足。
・大富豪同心、夜の部の1演目の新作で上演2日目であの一体感(エンディング)。
 巳之助さん清少将。
・大磯の虎・新悟さん。壱太郎さん、右近さん、米吉さん、といい
 最近若手女形系俳優さんブレークを感じる。

◆昼の部
一、寿曽我対面
二、陰陽師
 大百足退治
 鉄輪
三、恋飛脚大和往来 封印切

◆夜の部
一、一谷嫩軍記 熊谷陣屋
二、二人椀久
三、大富豪同心

(2025.1.3)



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【歌舞伎】歌舞伎座 朧の森に棲む鬼 2024年12月

2024-12-15 00:00:00 | 歌舞伎
歌舞伎NEXT 朧の森に棲む鬼
新橋演舞場
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幸四郎さんのライ/サダミツの上演を観劇。
本作、ワタシは初見です。

ライはLieか。舌先の嘘でのし上がる悪逆。
生き残るためという背景は(おそらく)あるものの、それよりも
映ってくるのは、精神のネジが飛んだ、恐ろしさを孕む弾け感。
こういう闇や病みのエッセンスと前進エネルギーの混在する人物、
幸四郎さんは当代一の演じ手ではないかしらん…。
物語が肚に来ます。

尾上右近さんキンタのキャラと真逆の鋭い剣技。

新悟さんシキブ、かわいい毒婦。あざとさがありそでないかわいさ。
イチノオオキミ彌十郎さん、いとおしむ最期、印象。

猿弥さんマダレの漲る生気と歳の重ね具合が格好よし。
そしてマダレとツナ時蔵さん、超速立ち回りに仰天・興奮。

(2024.12.15)

※2025/1/4 更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。


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【歌舞伎】歌舞伎座 十二月大歌舞伎 2024年12月

2024-12-13 00:00:00 | 歌舞伎
十二月大歌舞伎
歌舞伎座
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・天守物語、玉三郎さんの富姫、七之助さんの亀姫、お可愛らしいやりとりを
 ほわほわと味わった後に、何とまあ清廉この上ない図書之助は團子さんです。
 目が開いたエンディングの涼やかな幸福感たるや。
・加賀鳶、松緑さんの道玄は当たり役と言ってよいのではないかと。
 加えて、まとめて書くのが申し訳ないくらい配役全般とてもよく。
・あらしのよるに、獅童さんと菊之助のがぶとめい。芸域広し。ちゃんとかわいい。
・舞踊は七之助の鷺娘(今後も継続的に観たい)、
 勘九郎さん長三郎さんの桜・松虫・雪達磨、微笑みいただく。

(2024.12.8, 2024.12.13)

※2025/1/4 更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。

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【歌舞伎】歌舞伎座 十一月歌舞伎座特別公演 2024年11月

2024-11-10 12:00:00 | 歌舞伎
十一月歌舞伎座特別公演
歌舞伎座
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中村虎之介さんの案内で歌舞伎座の裏側を巡り、
三人吉三の大川端と、石橋で歌舞伎の雰囲気を楽しみます。

歌舞伎座杮落しの時のNHKの特集番組と、
コロナ時の玉三郎さんの案内で少し見知った裏側ですが、
今回はさらに奥深くまでご案内。面白かった。
大道具さんなどの姿を拝見できたのもよく。

(2024.11.10)

※2025/1/4 更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。

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【歌舞伎】歌舞伎座 錦秋十月大歌舞伎 2024年10月

2024-10-05 12:00:00 | 歌舞伎
錦秋十月大歌舞伎
歌舞伎座
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<この月は体調厳しく気が散ってしまいちゃんと観れなかったのでした T_T>

・平家女護島の俊寛・菊之助さん、枯れ切っていないが故の
 帰京への執着と諦めの悲しさが際立つ。
・早瀬主税・お蔦をニザ玉様にて。
・玉三郎さんの六条御息所、重みと儚み、光源氏を染五郎さん。

◆昼の部
一、平家女護島
二、音菊曽我彩 稚児姿出世始話
三、権三と助十
◆夜の部
一、婦系図
二、源氏物語

(2024.10.5)

※更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。


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【歌舞伎】歌舞伎座 秀山祭九月大歌舞伎 2024年9月

2024-09-07 13:16:51 | 歌舞伎
秀山祭九月大歌舞伎
歌舞伎座
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・妹背山婦女庭訓、吉野川、玉三郎さん、気丈な母の哀切と押し込めた情が胸に来る。
 大判事清澄を松緑さん。
・勧進帳、幸四郎さん弁慶に菊之助さん富樫、当世ゴールデンな組み合わせの1つでは。
・摂州合邦辻、菊之助さんの玉手御前、空海冒険譚を幸四郎さん

◆昼の部
一、摂州合邦辻
二、沙門空海唐の国にて鬼と宴す
◆夜の部
一、妹背山婦女庭訓
二、勧進帳

(2024.9.7)

※更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。


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【歌舞伎】歌舞伎座 八月納涼歌舞伎 2024年8月

2024-08-11 14:56:17 | 歌舞伎
八月納涼歌舞伎
歌舞伎座
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世代シフト、次の担い手の充実に明るさを感じた八月。

・今月の勘九郎さん色悪系統が突き抜けてた。新三と上月監物。
 (お役的に色悪という言い方が適切かは分からねど。悪みのキレと色気)
・やりこめられる弥太五郎源七のじくじくとした傷を幸四郎さん。
・桶職弥六ってひょっと間違うとヒドイ男、嫌われない線をキープしきった巳之助さん。
 (弥六はどうにも可愛げがあるから仕方ねぇってなってるのかどうなんだ自分)
・新悟さん今月もよきよき。(推し)

◆第一部
一、ゆうれい貸屋
二、鵜の殿様

◆第二部
一、梅雨小袖昔八丈 髪結新三
二、艶紅曙接拙 紅翫

◆第三部
狐花 葉不見冥府路行

(2024.8.10)

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【歌舞伎】歌舞伎座 七月大歌舞伎 2024年7月

2024-07-08 22:20:06 | 歌舞伎
七月大歌舞伎
歌舞伎座
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・昼の部と夜の部を1日でハシゴしたらば総じて、
 情報量が多すぎて※一回観ただけでは消化できない畳み込みがすごい。
 今月、定額制観劇サービスを試せばよかったと思います。
・広いキャスティング、立ち回り大量投入(バリエーション相当量出てるんじゃ?)、
 多彩な音曲、下座音楽、鳴り物、附け打ち、ケレンにケレン。宙乗り4回/昼夜。
 かつて7月大歌舞伎は三代目猿之助(猿翁)さん枠だった時代があったのだった。
 今日見たのは、三代目が蒔いた種と、再発見・新発見が合わさった
 新しい何かの、完成のはじまりの予感。令和のナントカ(いずれ名前が付くであろう)。
 
※私はIT業界の人間なので、上記において「情報量が多い」という言葉を、
 コンテンツの濃厚さ・多彩さ、いい意味での過剰の表現として使っています。
 この"過剰"は、デジタル時代の高解像度、重畳的な、情報感覚と重なっていて、
 詰め詰めに重ねたのを解かずに倍速で受け取る感じが 21世紀、令和、今っぽい。
 そうそう、
 何かと何かを組み合わせて新しい何かが生まれるのをイノベーションと言うそうな。

◆昼の部
通し狂言 星合世十三團
◆夜の部
千成瓢薫風聚光 裏表太閤記

(2024.7.8)

そういえば、チラシのバリエーションがかつてない種類でしたね。
私がPickしただけでも6バージョンはあった。


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【歌舞伎】歌舞伎座 六月大歌舞伎 2024年6月

2024-06-08 23:55:09 | 歌舞伎
六月大歌舞伎
歌舞伎座
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・昼夜ともみっちり満ち満ちの充実感、昼の部が特にすごい。 
 端の端まで餡のつまった鯛焼きのごとく(←もっとましな表現ないのか自分)。
 清新と、すずやかな緊張と、祝祭と、密度と、(演目テーマの)重み。
・腹の底にじりりとくる、上州土産百両首。獅童さんと菊之助さん。
 前半の客席めぐりの楽しさと終盤とのギャップ、切ない。
・三笠山御殿はニザ様豆腐屋口上御馳走から、出語り葵太夫さん・宏太郎さんで
 豪華お局がたは重量級の華やぎ(観客視点)から徐々に熾烈、の先の時蔵さん花道七三疑着の相。
・夜の部は、どこを切っても瑞々し。フレッシュフレッシュフレッシュ。

◆昼の部
一、上州土産百両首
二、義経千本桜
三、妹背山婦女庭訓 三笠山御殿  六代目中村時蔵 襲名披露狂言

◆夜の部
一、南総里見八犬伝 円塚山の場
二、山姥 初代中村萬壽 襲名披露狂言   
三、魚屋宗五郎

(2024.6.7-8)


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【歌舞伎】歌舞伎座 團菊祭五月大歌舞伎 2024年5月

2024-05-19 01:08:35 | 歌舞伎
團菊祭五月大歌舞伎
歌舞伎座
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・毛抜、錦の前(男寅さん)の眼使いが可憐でドキドキした。
・菊之助さん水野と團十郎さん長兵衛はゴールデンコンビではなかろうか。
・先代萩、飯炊きのプロセスと減食の切羽詰まった状況が重厚。

・四千両小判梅葉は、幕間反転の都度「こういう夢をみた」っていう
 脳内ナレーションが。

◆昼の部
一、鴛鴦襖恋睦
二、歌舞伎十八番の内 毛抜
三、極付幡随長兵衛

◆夜の部
一、伽羅先代萩
二、四千両小判梅葉

(2024.5.19)

6月の梅枝さん(→時蔵さん襲名)のお三輪、楽しみにしています!



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【歌舞伎】歌舞伎座 四月大歌舞伎 2024年4月

2024-04-07 23:18:37 | 歌舞伎
四月大歌舞伎
歌舞伎座
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・愛之助さん、団七九郎兵衛とお辰 二役!
・夜の部みとれ言葉なし。

◆昼の部
一、双蝶々曲輪日記
二、七福神
三、夏祭浪花鑑
◆夜の部
一、於染久松色読販
二、神田祭

(2024.4.7)



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【歌舞伎】歌舞伎座 三月大歌舞伎 2024年3月

2024-03-10 01:18:06 | 歌舞伎
三月大歌舞伎
歌舞伎座
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・寺子屋、従来よりも機微がくっきりしてた印象。よその子をそう扱うことの罪深さとか。現代の感性に少し寄せたのかな。
・御浜御殿のお座敷の広大な空間を介した綱豊卿と助右衛門の緊迫、後を申せの一括にシビれる。丁寧。
・昼夜通して梅枝さん新悟さん活躍ホクホク。梅枝さんの舞踊所作の加減速が快でスキ。

・伊勢音頭ってどうしてそこでダマされちゃうのってハラハライライラの物語に、素敵役者を
 多数投入して華やかし笑いありからうわぁな屈辱から鮮烈な殺しの場に持ち込んでて、改めてすごいなと。
 たしか梅玉さんの襲名で歌右衛門さんの万野を観た。まだ歌舞伎見始めた頃。
 年ふった私は今回、魁春さんのすばらしい万野を観て、万野は貢にねじれた恋情(のようなもの)を持っているの
 かもしれないと思ったりした。決して手に入れることの叶わない男に対する複雑な感情が背後にあるのかな、と。

◆昼の部

一、菅原伝授手習鑑 寺子屋
二、四世中村雀右衛門十三回忌追善狂言 傾城道成寺
三、御浜御殿綱豊卿

◆夜の部

一、通し狂言 伊勢音頭恋寝刃
二、喜撰

(2024.3.9)


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【歌舞伎】歌舞伎座 猿若祭二月大歌舞伎 2024年2月

2024-02-11 23:25:30 | 歌舞伎
◆昼の部    

・籠釣瓶に継承と新時代をみる。次郎左衛門の重層的な反転。八ツ橋の愛らしい浅はか。
 +御馳走すぎる脇。がんばれ七さん。
・鶴松さんの野崎村・お光。道理じゃ。泣。

一、新版歌祭文
二、釣女
三、籠釣瓶花街酔醒

◆夜の部

・すし屋はこのフォーメーションが定番ユニットの1つになるのかもしらん。
・おおっと、やるなぁ…(長三郎さんの仔獅子を観)。親子獅子も僧侶も長唄・囃子方も瑞々しく満ち。
・福助さんのお姿嬉しいです。

一、猿若江戸の初櫓
二、義経千本桜
すし屋
三、連獅子

(2024.2.9、2024.2.11)



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【歌舞伎】歌舞伎座 壽 初春大歌舞伎 2024年1月

2024-01-06 00:19:55 | 歌舞伎
1月は感想書くのを忘れていました。
初春らしい演目ほんわか+渋め近代歌舞伎でじっくり味わう心理表現+次世代道成寺

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◆昼の部

一、當辰歳歌舞伎賑
五人三番叟
英獅子
二、荒川十太夫
三、狐狸狐狸ばなし

◆夜の部


一、鶴亀
二、寿曽我対面
三、息子(むすこ)
四、京鹿子娘道成寺 (壱太郎さん回)


(2024.1.6)



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【歌舞伎】新春浅草歌舞伎 2024年1月

2024-01-04 22:41:27 | 歌舞伎
◆夜の部    

お年玉は米吉さんでした!(世情に配慮のご挨拶)
出演俳優さんのかなりの方は今回で新春浅草を卒業とのこと。
歌舞伎座でも重要な役につく機会の増えたみなさん、さもありなん。
重厚な立役もしっくりき始めています。

流星の種之助さんの変面みごと。全身から発する"健やか"清々し。
巳之助さんの声色の幅に感嘆(義経と岩上)。
魚屋宗五郎、そう遠くない未来、今回に近い顔ぶれで、木挽町で再見するのでしょう。

(2024.1.3)

書くの忘れてた。
紋付で歩む姿を捉えたポスター、みなさんよいお顔で惚れ惚れです。




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