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【展覧会】未来と芸術展 ロボット、都市、生命

2020-01-02 09:26:34 | アート・文化
元旦営業。ありがとう。

入ってすぐ、世界各国の様々なスマートシティ構想のビジュアルと
技術詳細の動画解説が、次から次へ。いきなり圧巻です。

構造物の美的要素は、形状だけでなく、素材だったり、技術だったり。

ザ・ワイ・ファクトリーと千葉工業大学による「ポロ・シティ」と
そのビジュアルイメージ映像(多孔質性のブロック型建造物が森に
なっている)がとても印象的。

アリババによる杭州市のデジタルエコシステムの視覚化の辺りから、
ビッグデータとAIに関わる展示になっていく。

Loose Interface(日建設計)、軽量な素材がもたらす可変性と、
都市の身体化…都市のカメラやセンサが「監視」から身体拡張に
転じる捉え方が魅力的でちょっと鳥肌。

工作のデジタル化。3Dプリンタが生み出すものは規模が拡大、
街にかかる橋、火星における居住地…。

AI。
DLなどによる、既存の膨大な教師データの特徴点が、人間が
慣れた・直感的なイメージのスコープから外れたところにあると、
未来を感じたり、美と不気味さの共存が見えたりするのかも。

 余談。
 神社のご神体等から人ならぬ気配を感じることがあって、
 それは形状がもたらしたりするのだけれど、
 AIが生み出す形状はそれとはちょっと違う。
 人の手による人工物よりも、粘菌の非対称な形状や
 樹木のフラクタルと近いかもしれない。
 「気分の建築」もそういう感じだった。
 非対称であっても、何等かのパターンの重畳によって
 形成されているから、だろうか。

後半。
AIや生命科学に基づく生活品、培養肉、
生活にロボットが入ってくるシーンの視覚や体感、
個人が情報としてシステムに取り込まれることや、
アルゴリズムやゲノム編集の倫理を問うインタラクションなど。

「深い瞑想」で表現される映像は、サイケのイメージと近くて(中間色な
ところは違うけど)、脳内での情報の混ぜ方をコンピュータ上で
シミュレーションしてる感じなのかな、などと思ったり。

生成プロセスがどうであれ、最終的に視覚としてインプットされたものを
美と見るか、パターンと見るか、気味悪く思うか、判断はヒトのもの。

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未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか
森美術館
公式サイト:https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/future_art/index.html

(2020.1.1)

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